先日rOtring 800+とKURUTOGA DIVEを使って、何種類かの替え芯の試し書きをしました。各メーカ、各ブランドごとに書き味がまったく異なることに驚く一方で、同じ替え芯を使ってもシャープペンシル自体が異なると、替え芯の印象がかなり違うことにもとても驚きました。
この2本以外で僕が持っているシャープペンシルはぺんてるのグラフギア1000です。このグラフギア1000とrOtring 800+はいずれもペン先を収納できるタイプです。また、KURUTOGA DIVEもペン先こそ収納できませんが、独自の自動芯繰り出し機構をペン先に備えています。この3製品だけでも替え芯の印象が劇的に違ったので、もしもペン先に何の機能を備えていないシンプルなシャープペンシルに手持ちの替え芯を入れたら、まったく書き味が異なるのではないでしょうか?
そこでペン先が固定されているタイプのシャープペンシルを購入してみることにしました。
ペン先を収納する機能がないシャープペンシルで最初に思い付いた製品はrOtring 600でした。デザイン的には大好きな製品ですが、すでに同社の800+があり、最悪ほとんど使用感に差がないという結論になってもつまらないので、メタリックな感じではない製品を探すことにしました。
金属以外と言えば木軸だろうということで、PILOTの人気製品S20に白羽の矢を立てました。
僕は量販店でS20を見掛けて購入しました。店員さんから「箱に入れますか?」と聞かれたので、せっかくなので「お願いします!」と答えたところ、上掲のようなパッケージで渡されました。化粧箱入りなんて高級感がありますね。学生さんに渡すプレゼント用に良いかも知れません。
外箱を外すと、中にはプラスチック製のペンケースと説明書が入っていました。
S20本体は上のような感じです。つや消しの金属パーツが素敵ですね。
S20は樹脂含浸カバ材を使用した木軸シャープペンシルです。僕の手持ちのシャープペンシルとは異なり、ペン先からキャップに向かう途中で軸が膨らみ、金属製のリングを越えてクリップの辺りで軸系が細くなっていく曲線美のデザインが採用されています。
いざ手にしてみると、僕は今までこういう「セクシー」なボディのペンを使ったことがなかったので、独特な軽いペンの動きに新鮮な戸惑いを感じました。S20は見た目よりは軽く感じるペンなので、曲線を使った木軸の感覚も相まって、使い慣れるまではペン先のコントロールが少し難しいかも知れません。ペン先が固定されているのでもっと剛性を感じるのかと予想していたのですが、実際に僕が感じたのは軽やかなペン運びでした。今まで手足に重りをつけてジョギングしていた人が、急に重りを外して走りに出た直後のような感覚と言ったら伝わるでしょうか?
月並みですが、木の感触は良いですね。真冬にペンを取っても冷たさを感じることなく書き始めることができます。木目の感触をかすかに指先に感じながら、文字を書く気分は心地良いです。また、ジーンズやオイルドジャケットのように、経年変化でどのような味わいが出てくるのかも今から楽しみです。
しばらくこのS20を使い込んで、独特の書き味と併せて木目の変化を楽しんでいきます!