虹の向こうに

4人の子どもの父親をしています。
リバ剣、段位は三段。
なぜか少年野球の監督してます。

憑神

2007年06月06日 | 
を読みました。

浅田次郎の作品です。

浅田氏の著作は、「地下鉄(メトロ)に乗って」のあまりに切ないエンディングに放心状態になって以来でしたが、全く異なる語り口で、同じ作者だと言うことを忘れてしまうほどでした。


時は幕末。

下級武士・別所彦四郎は、文武に秀でながら機会に恵まれず、次男故に養子に出るも舅に疎まれ離縁させられ、今では実家の離れで悶々と暮らす飯食い侍。

そんな中、ひょんなことから、苦し紛れに手を合わせた祠は、なんと憑神の祠だった。

彦四郎は貧乏神・疫病神・死神に次々ととりつかれて・・・

てな、時代劇コメディーです。


テンポがよく、ボクの地元の深川が舞台とあって個人的に親近感もあり、楽しく読めました。

ラストは爽快ながら切ないというか、武士の潔さというか・・・

あとは、読んで確かめて


この作品を読んだきっかけは映画化。

その映画の主題歌を米米CLUBが歌うと言うことで、「とりあえず原作読んどくか」てなことで。

で、映画なんですが、個人的にはキャスティングがピッタリですな。

主要な人物は全部ピッタリ。

彦四郎の妻夫木聡はもとより、特に気に入ったのは貧乏神の化身・大黒屋の西田敏行、死神の化身・おつやの森迫永依と彦四郎の兄・左兵衛の佐々木蔵之介あたりでしょうか。

久々にキャスティング見て映画を観たくなりました。

映画の公開は6月23日

主題歌「御利益」は6月20日発売

ちなみに「御利益」もラジオなんかでかかってますが、楽しくて米米らしくていい曲です

チョコレート・アンダーグラウンド

2007年05月20日 | 
を読みました。

だいぶ前に読みました。

チョコレート好きなボクとしては見逃せないタイトル。

しかしハードカバー・・・

通勤読書専門としては文庫化を待ちたかったけど・・・妹・みぃさんのお薦めもあり、待ちきれずに読みました。


いやぁ、面白かったっす

実はカタカナが苦手(世界史も苦手だった)なボクは、外国人作家の本は苦手なんです。

名前が覚えられなくて・・・

そんなボクでもすらすら読めました。


登場人物が多すぎなかったこと、人物設定がしっかりしていたということ、そして何よりもストーリー展開がスムースだったことがあるのかも。



舞台はイギリス。

与党となった「健全健康党」は、チョコレートを人々の健康を害するモノとして全面禁止とする法律を成立させる。

人々はチョコレートの売買はもとより、所持すら許されず、街では政府が「チョコレート探査機」によって隠されたチョコレートも根こそぎ探し出しては廃棄していきます。

しかし、このことに納得いかない少年二人は、世界にチョコレートの甘い幸せを取り戻そうと立ち上がるのです!

と、この先はぜひあなたの目で。


チョコレートが食べたくなって、選挙はちゃんとやらなきゃな、って思わせる本です。

ちょっと今の日本の自公政権が「健康健全党」にダブって見えて・・・おぉ~、こわ

伊坂幸太郎の本を2冊

2007年05月19日 | 
読みました。

「アヒルと鴨のコインロッカー」



「陽気なギャングが地球を回す」
です



「アヒルと~」は、一人暮しを始めた途端に、変わった隣人に振り回されながらとある事件に巻き込まれていく大学生の物語。

今と2年前が交錯しながら、それぞれに起きた事件の真相明かされながら物語は進み、最後にスカッと裏切られます。

えっと、読者として作者に裏切られます、という意味で。

電車で読んでて思わず「え!?うわ~やられた~」とつぶやきたくなるくらい裏切られます。

どのように?気になる?

じゃあ是非読んでみて


で、伊坂幸太郎という作家が気になって、最近「陽気な~」を読みました。


それぞれが地味ながら特別な能力を持つ4人組の銀行強盗の物語。

用意周到に盗み出した金を、何と別の銀行強盗に横取りされてしまう。
取り返すべく立ち上がる4人・・・ところが・・・

ま、この先は読んでね

スパイ大作戦(ミッション・インポッシブルではなく)のスリルと特攻野郎Aチームの軽快感をあわせ持つ感じ

散りばめられたちっちゃなエピソードがちゃんとストーリーの一役を担っている丁寧な作りも素敵



「アヒルと~」は最近映画になりました。

が、映像でどうやってあの「裏切り」を表現するんだい?と思うと、ちょっと観る気に・・・


「陽気な~」は、ちょっと前に映画やってました。

物語のリズムとテンポが映画向き♪と読みながら思ったので、DVD借りて観よっかなぁと思ったけど・・・

ちょっとキャストが読んでて頭に描いたイメージと違ったのでパス。

ま、あくまでそれはボクの個人的な意見ですが。


何はともあれ、伊坂幸太郎はいいです



ボクの読書 ~何を読むか

2007年04月11日 | 
不定期連載?ボクの読書シリーズ??第2弾

本屋さんで何を手に取るのかという、きわめて個人レベルのお話。


以前はあまのじゃくだったのか、賞を取った本や映画化・ドラマ化された本は極力避けて選んでました。

何となく流行りに流されてるというか、自分がない選び方というか・・・な感じがして・・・

だからといって何か本を選ぶ確固たる基準があるわけでもないので、結局はちょっと前に話題になった本とか、賞を取った人の別の本とかいう中途半端な基準だったり、学生時代にはゼミでやるからやむを得ずで読んだりで、なかなか幅もひろがらなかった。

ところが、最近になって気持ちに変化が。

賞を取る(賞にもよるけど)とか、映画やドラマになるとかする本はやっぱり面白いんじゃないのか、と。

で、読んでみるとやっぱり面白い。

そうやってそれまで読んだことがなかったいろんな作家の本にも手が伸びるようになりました。


そしてもうひとつの基準。

それは、同じ作家の作品を続けて読まないということ。

一人の作家にはまってしまいたくないんです。

どうせならいろんな作家のいろんな本を読みたい。

そしていつも新鮮な気持ちで本を読み進めたい。

そうやって選んだ本を、毎日の通勤で読んでいるわけです。


だから何なんだって、別に何でもないけど。

同じような人いたりして。


この作家、作品面白かったよ!とかあったらどしどしコメントを!


「延長戦に入りました」

2006年11月29日 | 
を読みました。

著者・奥田英朗はあとがきで、この本はカテゴライズしづらいもの、というようなことを言ってます。

そのうえで、「スポーツエッセィと呼べるかもしれない」とも書いています。

たしかに題材はスポーツだけど、中身がエッセィと呼ぶには実にナンセンス。


「ボブスレーの2番目の選手は何をしているのか」とか

「レスリングのタイツはなぜ乳首をだすのか」とか

たしかにカテゴライズしづらい・・・

でも、ありました、最適なカテゴリーが。

ブログですよ。
書籍化されたブログ。

徒然に思ったことをしらぁっと書いている感じ、ブログと呼ぶにふさわしい。

そんな奔放なショートエッセィです。

冗談の通じる方、ぜひ


ボクの読書 ~いつ読むか~

2006年03月06日 | 
皆さんはいつ、どんなときに本を読みますか?

ボクは学生時代はもっぱら授業の空き時間に読んでました

キャンパスには読書用のお気に入りスポットもいくつかありました。

時には陽の光を受けて、時にはさわやかな風を感じて、時には窓越しに雨を眺めて・・・

家ではあんまり読みませんでした。

時間に制限がないとキリなく読んでしまい、空いている時間食うのも忘れて読み続けてかえってドカ食いしてしまったり、睡眠時間が減ったりするので、時間を区切れる授業の合間が一番でした。

時は流れて、職についてこのごろは、通勤電車の車内で読書をしています。

(片道35分+20分)×2。

これがボクの1日の読書時間

この読み方、しおりを挟んだ場所によってはもどかしいこと多々・・・

でも、それがまたいい

連ドラ見てる気分

乗換はさながらコマーシャル。

最寄り駅に着くと心なしかエンディングが流れます

そして翌朝、「さあ続きを」とワクワク気分

これも電車通勤だからできること

今(3/6現在)は恩田陸の「三月は深き紅の渕より」を放映中?です

恋ノウタ

2006年02月02日 | 
日本で現存するもっとも古い恋愛の詩がなんだか知っていますか?

より正確に質問すると、もっとも古い恋愛の詩が収録されている詩集は何ですか?

正解は、万葉集です。

和歌は定型の中におさめる詩の一種ですから。

素敵な歌も多いので、皆さんも読んでみてください・・・て言われたら、読みますか?

国文出身のボクなら・・・読みません

平安時代の古文を専攻していたボクでさえ、万葉集の時代(奈良時代)の古文は難しく感じられるんですから、古文が苦手な大多数の人にとっては、万葉集は遠い存在でしょうね。

そんな万葉集の恋の歌を身近にしてくれる写真詩集があるんです。

「LOVE SONGS Side.A / .B」
(ドス・マスラオス著・写真 光村推古書院)

と、それを文庫版に再編した
「恋ノウタ Contemporary Remix 万葉集
   LOVE SONGS TO YOU せつなくて
/LOVE SONGS FOR YOU 愛しくて」
続編の「恋ノウタ~ LOVE SONGS WITH YOU つのる想い」
(三枝克之著 角川文庫)
(※ちなみに、ドス~氏と三枝氏は同一人物です)

たとえば、
「世界が滅びる日が来たら
 僕らは会えなくなるけれど
 世界が滅びるその日まで
 僕らはずっと一緒だよ」
(天地<あめつち>と いふ名の絶えて あらばこそ
 汝<いまし>とわれと 逢ふこと止まめ  柿本人麻呂歌集)

て具合に、ポッピーな詩と元になった和歌がのっていて、それにあった写真を重ねる(この例では結婚式の写真でした)というものなんです。

こうしてみると、万葉集って結構ポッピーなんだと思えます。

機会があったらぜひお手に。

ただ、きわどい写真も結構あるので、電車で読むのはおすすめしませんけど

もうじき来るバレンタインデー

たまには和歌でメッセージなんてどうでしょう?

ひくか・・・

世界に恋して

2006年01月30日 | 
今回は著者からレビューを書いてみます。

その人の名は、たかのてるこ
世界に飛び出す自由人です

ボクは著書の中で
「ガンジス川でバタフライ」(単行本・文庫本とも幻冬舎)
(ちなみに読んだのは文庫です)

「モロッコで断食(ラマダーン) 上・リビドーウォーズ/下・愛と断食の日々」(幻冬舎)
(文庫版(幻冬舎)は「サハラ砂漠の王子様」(断食 上)/「モロッコで断食」(断食 下)と改題。読んだのは単行本です)
を読みました。

他にも紀行エッセイが単行本で2冊(幻冬舎)、エッセイが1冊(扶桑社)、写真エッセイが1冊(幻冬舎)あります。
詳しくはたかのてるこHPもご覧ください。


始めててる姉を拝見したのは、フジTVの深夜にやってた、「モロッコで・・・」刊行記念のドキュメンタリー番組でした。

進行役は島田紳助でしたが、なんというか、圧倒されておりました。

TV出演を持ちかけたのは伸助のほうで、前にも共演があったということですが、それにしたってこのからみっぷりは何だ!?と、こっちも圧倒されたのを覚えています。

そして、番組の、というか旅の内容もすごい。

自由といえば自由、無鉄砲といえば無鉄砲・・・

カメラマン一人を従えてどんどん進む。

いくら一回訪れている町だって言っても、こんなにとけこんでなくてもいいだろうというぐらい馴染んでる。

そのバイタリティー、行動力、度胸、思い切りの良さ、何よりもあふれる好奇心・・・

「すごいなぁ・・・」と感心するばかり。

してみたい気持ちは起きつつも、いろいろな「しがらみ」を考えて萎えてしまったり・・・

でも、要は言い訳なんだろうな、そんな「しがらみ」なんて。

とりあえずボクは、てる姉の作品で疑似体験するのが関の山・・・でも、それで満足できるぐらいわくわくする作品です

他のも読もう

「あなたは私の手になれますか」

2006年01月18日 | 
以前ここで書いた「こんな夜更けにバナナかよ」の中で出会い、読んでみたいと思った本です。

あなたは私の手になれますか~心地よいケアを受けるために」
(小山内美智子著 中央法規)

著者は脳性マヒで、日々介助を必要としている女性である。

その彼女が、実際にボランティアやケースワーカー、施設職員や看護師に受けたケア(彼女は介助と言わず「ケア」と表現しています)から何を感じ、何を求めているのかを訴えています。

と、書けば簡単ですが、読むごとに考えさせられる本です。

ケアをするときには何を第一に考えるのか。

本当に必要な心構えは何なのか。

そもそもケアを必要としている人をどういう目で見ているのか。

実際に肢体不自由養護学校で働いている我が身には、身につまされるものあり、耳の痛い話ありで、考える事がたくさんありました。

そして、とても有意義でした。

ケアとは一方的にするものではなく互いにしあうものだとも感じたし、大事なのはケアを受ける人の感覚だと言う当たり前の事にも気付かされた。

そしてまた行政や制度の限界と矛盾を感じてしまうのでした。

障害者や高齢者の介助を仕事としている人にはぜひ読んでほしい。

そういった資格を目指している人にも読んでもらいたい。

他人と関わる事に興味がある人にもお勧めしたい。

人が人と関わるとき、そこには何かしらのケアがあるのだから・・・


「ありがとうのき」

2005年12月05日 | 
職場で読み聞かせを担当することになり、何かいい本はないものかと本屋さんを物色していたら、こんな絵本を見つけました

ありがとうのき
(作・矢崎節夫/絵・新野めぐみ 教育画劇)

初雪の日にくまさんが落とした手袋から始まる、ささやかな「ありがとう」のつながり。
その「ありがとう」をつなぐ一本の木。

絵がとても優しくて、お話がとてもあたたかくて、なんだか読んであげてるんだか、読み入ってしまっているんだか・・・

笑顔が笑顔を生むように、ありがとうもありがとうを生むんだなぁ・・・って、改めて思ったりして。

「ありがとう」って、やっぱり素敵な言葉です