柳とせせらぎ通り

関川村の旧渡邉邸の6年に及ぶ修復工事の完了を記念して行われた降旗廣信先生の講演会に行ってきました。

降旗先生と言えば古民家再生の第一人者であり、私がかつて古民家再生を行った時には先生の本を読み漁って勉強しました。
そんな憧れの先生の生のお話を聞けるなんて、めったにないことです。

まずは旧渡邉邸の斜め向かいになる先生が手がけた佐藤医院をはじめとして、普段非公開の民家まで見学させていただきとても楽しかったです。


私の憧れが詰まりすぎてます。
通り土間に置かれた囲炉裏スペースと土間で飼われているワンちゃん。
全身の力が抜けます。
なんていい空間なんだろうと溜息ばかりです。

こんな調子で隅々まで見て回っていたので、とにかく人より動きが遅い。
挙句の果てに、やっぱりもう一回みたいななんて思い、後戻りしたりしてうろちょろしてました。

そしたら、見学者が一通り去った後で先生が佐藤医院の応接間で休んでいるじゃないですか。
ためらわずに写真をお願いして、貴重な写真を撮らさせていただきました。


先生のお話は、内観は個人の主張が活かされて構わないけど、外観は町全体で調和を図るべきだと。
私もそう思います。
独りよがりな勝手な外観デザインが1軒あるよりも、統一感ある街並みで生活した方がはるかに生活の質は高くなります。
これほどの満足感はないことでしょう。

せせらぎ通りでは、新築やリフォーム時に外観お制約を設けることなく、自発的にに再生が行われましたが、外観は見事に調和しています。
やはり調和の中に埋もれると気が付きませんが、調和の中に不調和があるととても浮いたな気分になるはずです。
流行ばかりにとらわれない等身大の家こそが最高のデザインであると考えています。