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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

暖める。2

2011-12-06 16:14:30 | 温熱環境

昨日の続きです。

暖めにくい空気はどうやって効率よく暖めればいいのでしょうか。(対流の話です)

まずは、とにかく空気を動かす事。空気が滞留していては、暖かさは広がりません。暖かい空気を強制的に撹拌させます。(今年は、家電量販店でサーキュレーターや扇風機が売れているみたいですね)

次にとにかく熱源を増やす事。ちまちま暖めるのではなく、一気に暖めるのが暖めにくいものを暖めるコツ。

最後にとにかく熱源が熱い事。やはり、一気に暖めると言う事です。

なんか、とても省エネとはほど遠そうな方法じゃないと暖かくならない気がします?

確かに普通に暖めてたら非効率ですね。しかし、この3つの方法は、皆さんはすでに使われています。

これってエアコンの内部の事なんです。しかも、この効率悪そうな作業を、エアコンは1の電力で6以上の熱を出す事も可能にしています。(機種・条件による)

いかにも難しそうな事をいとも簡単にやっちゃうエアコン。ほぼドラえもんの道具レベルだと思って下さい。

ちなみに、昨日今日で「熱しやすいモノは冷めやすい」「暖めにくいモノは冷めにくい」と連発してきました。

暖房はここ数年、輻射式器具が人気ですが、その中でも深夜電力を利用した蓄熱タイプの器具が人気です。

結局はこれも冷めにくいのが特徴ですが、暖めにくいという反対の顔も持っていますので、冷まさない様にうまく使う事が効率を上げるコツになります。

うまく使うコツってなんですか?

そのコツが面倒だったら誰もやらないですね。

でも、コツは簡単。

建物の断熱・気密性能を上げる事。無駄がなく、効率の良い換気を行う事。一度暖めた熱を逃がさないのが、一番の省エネです。暖める作業が一番大変なわけですから、暖めなおす作業が減れば省エネになります。これは「対流」も「放射」の為の蓄熱も同じ事。

そして、それは住む人の作業と言うよりは、設計者の役割です。

これがうまくいっていないと、何の暖房を入れても効率は上がりません。

「最新の設備が出たので、これを入れれば暖かいですよ」なんて、伝言みたいな設計では、無駄だらけです。(自分の考えが入っていない提案は意味がないという事です)

お部屋を暖める作業は、冬になったらするものではなく、設計段階から始めなければいけません。

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ここで、終わりそうな雰囲気ですがもう一言。

部屋がそんなに暖かくなくても、自分自身が暖かければもっと省エネになりそうな気がしませんか?

自分自身の断熱性能が高ければ暖かく感じるはず。

厚着ではありません。厚着は血管を圧迫し、血流を鈍らせるのでむしろ控えた方がいいです。

じゃぁ、どうすればいいかと言うと、筋肉量を増やす事。これが体の温まる一番の近道。(参考記事を貼っておきます)

個人差があるので、建物の断熱性能は勿論必要です。しかし、筋肉量が増えればもしかしたら設定温度を1℃下げられるかも知れません。

これは、正に省エネ。

道具に頼り切って、だらだらと過ごしながら省エネに満足するよりも、自分自身を見直して省エネに貢献した方が、健康にも繋がり一石二鳥です。

ダイエットに成功した高気密高断熱住宅を提案するの一番のお勧めです。


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