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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-12(lab)】板挟み-新潟産小さな家-

2022-07-17 20:42:14 | ministock-12(lab)
久々に家族で映画を見てきました。
漫画もアニメもドはまり中のキングダムの実写版映画。

理不尽な大人の事情に挟まれながら前向きに生きる主人公の成長のおはなし、ってことになるんでしょうか。
個人的にはキャストがハマっている実写版映画だと思っていて、(CGって分かっちゃいるけど)スケールの大きさにやっぱり映画館で見てよかったなぁと思いました。

これからの展開が益々楽しみです。

さて、現場の方も色々板挟みなことになっています。

ちょうど1週間前に耐力壁を張りました。
白い板状の壁。
この白い板である程度気密を取ることができます。

気密とは、空気が漏れない事。

その他のものは漏れるかもしれないけど、空気は漏れないという意味。(意味深)

次に防湿フィルムを張りました。
緑色のビニールシート

このシートで湿気が出入りしない様にします。

防湿とは、空気と湿気が漏れない事。

つまり、気密と防湿は違います。
空気はふさがってさえいればすり抜けることはありません。
しかし、湿気は目に見えない大きさなので、材料の間をすり抜けていきます。

空気を止めることはできても、湿気を止めることができない場合もある。

ネイティブディメンションズは、その湿気を通さない材料に緑色のビニールシートを採用しています。

とにかくこのシートが超重要ディフェンスラインになるので、貫通部もしっかり湿気が出入りしにくいようにテープでふさぎます。


でも、このビニールシートって確かに湿気を通さない優秀な材料ですが、ふにゃふにゃしていてシワがよりやすいですし、熱で膨張してテープも剥がれる可能性があったりして、隙間ができやすいのが欠点なんです。

なので、その上から断熱材で押さえつけます。
ピンクのチェッカーフラッグの板。

そのふにゃふにゃした材料を「板と板で挟み込んでしまう」ので、ふにゃふにゃの欠点がなくなり、長期に渡って湿度を防ぐ役割をしてくれます。

しかも、シートとシートは十分な重ね合わせを取って張っているので、風とか地震で建物が動いてシートがズレたりしても、隙間ができる万が一の可能性もなくしています。

この1週間ほどで見えなくなってしまう所ですが、この先何十年も性能を維持していってもらわないと困る場所なので、対策も二重三重に重ねます。

耐震、気密、防湿、断熱の性能を上げるだけではなく
それが長期的に維持できるように短所を長所で補うような設計をすること、そして工事することが大事。

将軍の描いた戦術を兵士が実行する。(まぁ、現代においては決して肯定できるものではないですけどね)
大工さんに難儀してもらっていますが、大局を見てみんなで頑張っています。

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