葛飾区青戸 松林歯科院長のこぼれッ話

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再会

2007年08月29日 | 松林歯科医院での 出来事
Kさんは、車イスに乗って、いらっしゃいました。
 Kさんは、葛飾区青戸の松林歯科医院が、25年前に開業した 当初からの患者様で
近くで、小さな靴屋さんを、営んでいらっしゃいました。

いつも松林歯科医院には、元気で イセイのいい声で 「オイ!やってるか」といいながら
 少し足が お悪いので、杖をついていらっしゃり、私たちに元気を くださっていました。

10年程前から 来院されなくなり 靴屋さんも閉店されてしまい、どうなされて、いるんだろうと
 心配していた所、10年ぶりに、突然、ヘルパーさんから電話で、Kさんの治療を、お願い

しますとの事、Kさんは、完全に車イス生活で、認知症であるとの事でした。
 当日、Kさんは、一回り小さくなられ、車イスにチョンと、乗られて、いつもの元気な声は

なく、静かにいらっしゃいました。入れ歯を修理するとのことで、古い入れ歯は、私が
 最後に入れたもので、人工歯は 平らに、スリへるまでに なっていたが まだ使って

いたのだと、思うと うれしくなりました。割れた入れ歯を 修理中
Kさんは、「今日の先生は、いつもの先生じゃねぇなぁ」と、つぶやかれ 私は、「Kさんは

仕事は 何をなさっていたんですか?」と、たずねると、「俺は漁師を していたんだ」
 という答えが、返ってきました。でもKさんの やさしい目は、以前のままでした。

修理も終わり ヘルパーさんに車イスを、押されて お帰りになるKさんの 後ろ姿に
 ”あの時、元気を ありがとうございました。”と、頭を 下げ続ける事しか 
 私には できませんでした.....
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