猫面冠者Ⅱ

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さすがに鈍って来たのか…右肩上がりの大学野球部員数:2018年版

2018-07-01 09:06:00 | インポート
今年も全日本大学野球連盟のHPなどの資料を使って、昨年の“右肩上がりの大学野球部員数:2017年版”に続き“2018年版”を作ってみました。

①ー1大学野球各連盟の部員数2007→2018
2007年 2018年 07→18
H19年 H30
連盟名称加盟校数 総部員数 一校平均 加盟校数 総部員数 一校平均 校数増減 部員増減 増減率
北海道学生野球 14 482 34.4 11448 40.7 △ 3 △ 34 92.95%
札幌学生野球 17 779 45.8 181171 65.1 1 392 150.32%
北東北大学野球 15 657 43.8 16934 58.4 1 277 142.16%
仙台六大学野球 6 361 60.2 6642 107.0 0 281 177.84%
南東北大学野球 11 425 38.6 11479 43.5 054 112.71%
千葉県大学野球 19 1,082 56.9 201,822 91.1 1 740 168.39%
関甲新学生野球 17 833 49.0 201476 73.8 3 643 177.19%
東京新大学野球 23 875 38.0 241,376 57.3 1 501 157.26%
東京六大学野球 6 668 111.3 6873 145.5 0 205 130.69%
東都大学野球21 1,29061.4 211,880 89.5 0590 145.74%
首都大学野球141,226 87.6 151,963 130.9 1 737 160.11%
神奈川大学野球12620 51.7 12 1,101 91.8 0481 177.58%
愛知大学野球27 1,35950.3 272,042 75.6 0 683 150.26%
東海地区大学野球191,243 65.4 191,684 88.6 0 441 135.48%
北陸大学野球 13545 41.9 13715 55.0 0170 131.19%
関西学生野球 6528 88.0 6914 152.3 0 386 173.11%
関西六大学野球 6495 82.5 6822 137.0 0 327 166.06%
阪神大学野球 181,227 68.2 171,637 96.3 △ 1 410 133.41%
近畿学生野球 18796 44.2 19 1,065 56.1 1 269 133.79%
京滋大学野球 13625 48.1 13 753 57.9 0 128 120.48%
広島六大学野球 6 314 52.3 6 483 80.5 0 169 153.82%
中国地区大学野球 19 752 39.6 21 1,115 53.1 2 363 148.27%
四国地区大学野球 11 419 38.1 11 563 51.2 0 144 134.37%
九州六大学野球 6 545 90.8 6 752 125.3 0 207 137.98%
福岡六大学野球 6 674 112.3 6 693 115.5 0 19 102.82%
九州地区大学野球 27 1,327 49.1 31 1,804 58.2 4 477 135.95%
合計 370 20,147 54.5 381 29207 76.7 11 9060 144.97%


①ー2大学野球各連盟の部員数2017→2018
2017年 2018年 16→17
H29 H30
連盟名称 加盟校数 総部員数 一校平均 加盟校数 総部員数 一校平均 校数増減 部員増減 増減率
北海道学生野球 12 542 45.2 11 448 40.7 △ 1 △ 94 82.66%
札幌学生野球 18 1,126 62.6 18 1,171 65.1 0 45 104.00%
北東北大学野球 16 898 56.1 16 934 58.4 0 36 104.01%
仙台六大学野球 6 611 101.8 6 642 107.0 0 31 105.07%
南東北大学野球 11 470 42.7 11 479 43.5 0 9 101.91%
千葉県大学野球 20 1,755 87.8 20 1,822 91.1 0 67 103.82%
関甲新学生野球 20 1,406 70.3 20 1,476 73.8 0 70 104.98%
東京新大学野球 24 1,400 58.3 24 1,376 57.3 0 △ 24 98.29%
東京六大学野球 6 883 147.2 6 873 145.5 0 △ 10 98.87%
東都大学野球 21 1,872 89.1 21 1,880 89.5 0 8 100.43%
首都大学野球 15 1,937 129.1 15 1,963 130.9 0 26 101.34%
神奈川大学野球 12 1,058 88.2 12 1,101 91.8 0 43 104.06%
愛知大学野球 27 2,079 77.0 27 2,042 75.6 0 △ 37 98.22%
東海地区大学野球 19 1,701 89.5 19 1,684 88.6 0 △ 17 99.00%
北陸大学野球 13 694 53.4 13 715 55.0 0 21 103.03%
関西学生野球 6 861 143.5 6 914 152.3 0 53 106.16%
関西六大学野球 6 818 136.3 6 822 137.0 0 4 100.49%
阪神大学野球 17 1,727 101.6 17 1,637 96.3 0 △ 90 94.79%
近畿学生野球 19 1,053 55.4 19 1,065 56.1 0 12 101.14%
京滋大学野球 13 720 55.4 13 753 57.9 0 33 104.58%
広島六大学野球 6 459 76.5 6 483 80.5 0 24 105.23%
中国地区大学野球 20 1,019 51.0 21 1,115 53.1 1 96 109.42%
四国地区大学野球 11 546 49.6 11 563 51.2 0 17 103.11%
九州六大学野球 6 755 125.8 6 752 125.3 0 △ 3 99.60%
福岡六大学野球 6 794 132.3 6 693 115.5 0 △ 101 87.28%
九州地区大学野球 31 1,814 58.5 31 1,804 58.2 0 △ 10 99.45%
合計 381 28,998 76.1 381 29,207 76.7 0 209 100.72%


*数字は全日本大学野球連盟HPより
2016→2017の増加率は前年比104.39%でしたが、今年は100.72%と“微増”に留まりました。
そこで、今年は学年別の部員数も見てみることに致しました。

②大学野球連盟学年別部員数
加盟校 総部員数 対前年増減 前年比 1年 前年比 2年 前年比 3年 前年比 4年 前年比
2007 370 20,147 5,774 5,699 4,825 3,849
2008 374 21,506 1,359 106.75% 6,224 107.79% 6,112 107.25% 5,043 104.52% 4,127 107.22%
2009 377 22,382 876 104.07% 6,492 104.31% 6,190 101.28% 5,385 106.78% 4,315 104.56%
2010 380 23,173 791 103.53% 6,744 103.88% 6,308 101.91% 5,493 102.01% 4,628 107.25%
2011 381 23,420 247 101.07% 6,854 101.63% 6,421 101.79% 5,598 101.91% 4,547 98.25%
2012 379 23,934 514 102.19% 6,945 101.33% 6,554 102.07% 5,732 102.39% 4,703 103.43%
2013 378 24,297 363 101.52% 7,186 103.47% 6,416 97.89% 5,941 103.65% 4,754 101.08%
2014 377 24,715 418 101.72% 7,322 101.89% 6,835 106.53% 5,683 95.66% 4,875 102.55%
2015 377 26,326 1,611 106.52% 8,254 112.73% 7,238 105.90% 6,137 107.99% 4,697 96.35%
2016 378 27,779 1,453 105.52% 8,235 99.77% 7,979 110.24% 6,452 105.13% 5,113 108.86%
2017 381 28,998 1,219 104.39% 8,703 105.68% 7,932 99.41% 7,167 111.08% 5,196 101.62%
2018 381 29,207 209 100.72% 8,093 92.99% 8,122 102.40% 7,178 100.15% 5,814 111.89%
2019
2020

資料のある2007年以降で初めて一年生部員数が大きくマイナスに転じております。にも拘らずトータルでは微増となったのは、前年より大きく増えた2015年の一年生部員が四年生になったからと思われます。



③高校三年生部員数と大学一年生・四年生部員数
高三 大一 高三部員の 大学連盟 一校平均 大学連盟 一校平均 大学四年 高三→大四 大一→大四
部員数 部員数 野球継続率 加盟校数 一年生部員 総部員数 部員数 部員数 野球継続率 継続率
2006 50,569
2007 50,894 5,774 11.3% 370 15.61 20,147 54.45
2008 50,942 6,224 11.7% 374 16.64 21,506 57.50
2009 53,263 6,492 12.4% 377 17.22 22,382 59.37
2010 52,370 6,744 13.0% 380 17.75 23,173 60.98 4,628 9.15% 80.15%
2011 51,984 6,854 12.9% 381 17.99 23,420 61.47 4,547 8.93% 73.06%
2012 53,154 6,945 13.4% 379 18.32 23,934 63.15 4,703 9.23% 72.44%
2013 51,767 7,186 13.5% 378 19.01 24,297 64.28 4,754 8.93% 70.49%
2014 53,801 7,322 14.1% 377 19.42 24,715 65.56 4,875 9.31% 71.13%
2015 53,443 8,254 15.3% 377 21.89 26,326 69.83 4,697 9.04% 67.63%
2016 55,204 8,235 15.4% 378 21.79 27,779 73.49 5,113 9.62% 71.15%
2017 53,359 8,703 15.8% 381 22.84 28,998 76.11 5,196 10.04% 70.96%
2018 52,233 8,093 15.2% 381 21.24 29,207 76.66 5,814 10.81% 70.44%
*高校三年生部員数は日本高校野球連盟HPより

高野連のHPには今年の資料が出ておりませんが、6月29日に朝日新聞等で報道されたので今年の継続率で高三部員数を推計してみると

年度高校1年高校2年高校3年合計高1→高3継続率
201461,265 55,246 53,801 170,31287.70%
201558,681 56,774 53,443 168,89889.70%
201657,406 55,025 55,204 167,63590.10%
201754,295 53,919 53,359 161,57390.90%
201850,413 50,538 52,233 153,18490.99%
201949,403
202045,871


となりますので、来年以降も大学側の“野球部員進学率”を上げて行かない限り、いよいよ右肩も下がり始めるのではないでしょうか…。

④男子大学生数と野球部員数
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
男子大学生数 1,439,844 1,483,662 1,474,151 1,481,409 1,475,066 1,459,265 1,448,256 1,434,244
大学野球部員数 20,147 21,506 22,382 23,173 23,420 23,934 24,297 24,715
野球部員率 1.40% 1.45% 1.52% 1.56% 1.59% 1.64% 1.68% 1.72%

2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34
男子大学生数 1,428,690 1,425,605 1,426,649
大学野球部員数 26,326 27,779 28,998
野球部員率 1.84% 1.95% 2.03%


*男子大学生数は文部科学省HPの統計要覧より

⑤2018年・第67回全日本大学野球選手権出場校の学生数・部員数
学生数 部員数 野球部員率
苫小牧駒澤大 北海道学生野球連盟 155 42 27.10%
東海大北海道キャンパス 札幌学生野球連盟 1,456 107 7.35%
富士大 北東北大学野球連盟 684 204 29.82%
東北福祉大 仙台六大学野球連盟 9,499 132 1.39%
東日本国際大 南東北大学野球連盟 618 117 18.93%
国際武道大 千葉県大学野球連盟 1,730 263 15.20%
白鴎大 関甲新学生野球連盟 4,919 78 1.59%
創価大 東京新大学野球連盟 7,447 86 1.15%
慶應義塾大 東京六大学野球連盟 28,712 162 0.56%
東洋大 東都大学野球連盟 30,510 122 0.40%
東海大 首都大学野球連盟 19,142 116 0.61%
神奈川大 神奈川大学野球連盟 17,935 110 0.61%
中京大 愛知大学野球連盟 12,333 129 1.05%
日本大国際関係学部 東海地区大学野球連盟 3,052 159 5.21%
福井工業大 北陸大学野球連盟 2,301 199 8.65%
立命館大 関西学生野球連盟 32,600 139 0.43%
大阪商業大 関西六大学野球連盟 4,483 135 3.01%
天理大 阪神大学野球連盟 3,103 139 4.48%
奈良学園大 近畿学生野球連盟 803 60 7.47%
京都学園大 京滋大学野球連盟 3,565 150 4.21%
広島大 広島六大学野球連盟 10,810 59 0.55%
徳山大 中国地区大学野球連盟 1,053 105 9.97%
四国学院大 四国地区大学野球連盟 1,187 117 9.86%
福岡大 九州六大学野球連盟 19,221 106 0.55%
九州産業大 福岡六大学野球連盟 10,447 179 1.71%
日本文理大 九州地区大学野球連盟 北部 2,281 245 10.74%
宮崎産業経営大 九州地区大学野球連盟 南部 959 89 9.28%
230,961 3,549 1.54%

*部員数降順と部員率降順

学生数 部員数 野球部員率 学生数 部員数 野球部員率
国際武道大 1,730 263 15.20% 富士大 684 204 29.82%
日本文理大 2,281 245 10.74% 苫小牧駒澤大 155 42 27.10%
富士大 684 204 29.82% 東日本国際大 618 117 18.93%
福井工業大 2,301 199 8.65% 国際武道大 1,730 263 15.20%
九州産業大 10,447 179 1.71% 日本文理大 2,281 245 10.74%
慶應義塾大 28,712 162 0.56% 徳山大 1,053 105 9.97%
日本大国際関係学部 3,052 159 5.21% 四国学院大 1,187 117 9.86%
京都学園大 3,565 150 4.21% 宮崎産業経営大 959 89 9.28%
立命館大 32,600 139 0.43% 福井工業大 2,301 199 8.65%
天理大 3,103 139 4.48% 奈良学園大 803 60 7.47%
大阪商業大 4,483 135 3.01% 東海大北海道キャンパス 1,456 107 7.35%
東北福祉大 9,499 132 1.39% 日本大国際関係学部 3,052 159 5.21%
中京大12,333 129 1.05% 天理大 3,103 139 4.48%
東洋大30,510 122 0.40% 京都学園大 3,565 150 4.21%
東日本国際大618 117 18.93% 大阪商業大 4,483 135 3.01%
四国学院大 1,187 117 9.86% 九州産業大 10,447 179 1.71%
東海大 19,142 116 0.61% 白鴎大 4,919 781.59%
神奈川大 17,935 110 0.61% 東北福祉大 9,499 132 1.39%
東海大北海道キャンパス1,456 107 7.35% 創価大7,447 86 1.15%
福岡大19,221 106 0.55% 中京大 12,333 129 1.05%
徳山大1,053 105 9.97% 神奈川大 17,935 110 0.61%
宮崎産業経営大 959 899.28% 東海大19,142 116 0.61%
創価大7,447 86 1.15% 慶應義塾大 28,712 162 0.56%
白鴎大4,919 78 1.59% 福岡大 19,221 106 0.55%
奈良学園大 803 60 7.47% 広島大 10,810 59 0.55%
広島大10,810 59 0.55% 立命館大 32,600 139 0.43%
苫小牧駒澤大 155 42 27.10% 東洋大30,510 122 0.40%
230,961 3549 1.54% 230,961 3549 1.54%

*数字は各校野球部HPなど、学生数は各大学HPの情報公開欄より。東海大は湘南キャンパス、東海大北海道は北海道キャンパスの当該学部で集計。


…平成に入って以降、AO入試等にみられる大学入試における選抜方法の多様化は、競技成績で大学に入学できる機会を増加させ、それ以降、高校生アスリートにとっては、インターハイ、甲子園、選抜大会が大学入試センター試験や大学入試にとってかわるようになった。スポーツで有名大学への進学実績をあげるという新手も、私学経営者にとっては一挙両得のきわめて魅力的なものとなっている。そして、このような変化は学校運動部や生徒そのものの変容を一層促すようになった。
(友添秀則「学校運動部の課題とは何か」=『現代スポーツ評論』28号)

関東のある体育系の大学野球部の関連ホームページで部員数を数えてみるたところ、マネージャーを除き、1~4年でなんと263人もの部員がいる…(中略)…学生総数は1900人で、野球部員の占める割合は約14%。つまり7人に1人は野球部に所属しているという計算になる。
263人もの部員が一度に練習することは明らかに不可能だし、監督やコーチは全員の名前を覚えることさえ困難だろう。全くグラウンドに出てこない幽霊部員もいるに違いない。試合に出られるのは9人なのに、これだけの部員を集める目的は何か。全国からスポーツの優秀な高校生を推薦で入学させ、学費を集めているだけではないのか、という気にさせられる数字である。
(滝口隆司「大学スポーツを「特殊化」させるな」=『現代スポーツ評論』36号)

では、最後に文科省の『平成29年度国公私立大学入学者選抜実施状況』から私立大学のAO・推薦・一般入試での各入学者数を見てみましょう。
入学者数構成比
AO入試52,020 10.71%
推薦入試197,378 40.66%
小計249,398 51.37%
一般入試 236,090 48.63%
総計485,488

いまや、野球選手に限らず日本の私立大学生は半分以上がAO若しくは推薦入学なのですが、果たして“野球部員進学率”はまだまだ上がっていくのでしょうか……。



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