昨日シフォンたちの予防接種に行った時に、先生が紹介してくださったアメリカンショートヘアーの男の子「宙ちゃん」。まだ1歳になったばかりですが、ねこたやマロンも悩まされた「おしっこが詰まる病気」になって手術を受け、飼い主さんとの出会いを待っている状態とのことでした。先生が「とにかくとってもいい子なんです」とおっしゃっていることがほんの数分の出会いだけでも我々夫婦にもよくわかりました。
人懐っこくてお膝が大好き。静かで穏やかな性格のこの子の飼い主を本気で探しておられる先生の様子を見て、以前から猫と暮らすことをのぞんでいる妹の旦那さんのことが真っ先に頭に浮かびましたが、家の中で文鳥を放し飼いにしている妹夫婦のおウチでは難しいことがすぐわかりました。
そこで私の頭の中にピーンとひらめいたのが私の実家の母の存在。脳の病気以降身体が不自由になってしまった父を毎日側について介護している母の気持ちのよりどころとして一匹の猫ちゃんの存在はとても大きいのではないかと…。実際に結婚前の私と一緒にいたねこたのことを母はとっても可愛がってくれていたし、若き日には犬や小猿も飼っていたことがあるという母にとって、動物との暮らしは特別なことではありません。
さっそく母に「猫と暮らしてみない?」という話をしてみると、すぐにとても乗り気である反応が返ってきたので、とりあえず先生にお話しして本日宙ちゃんに会いにいくことになりました。
離れて暮らしている私が言える立場ではないけど、側に弟夫婦と妹夫婦がいてくれていつも様々な身近なサポートをしてくれてはいますが、母が言葉も不自由な父と介護優先の毎日を2人っきりで過ごしている時間が長いことも事実。そんな2人っきりの多少重い空気が漂う生活に、必ず心地良い新風を吹き込んでくれる存在にこの宙ちゃんがなってくれると私は確信し、今回熱烈に薦める立場になりました。
父の介護のことももちろん大変ですが、3人の子供たちを送り出した母にとって、最近物忘れがひどくなったことを自分でも気にしている…という点においても、ここにきてもうひとり自分のことを頼ってくれる純真無垢な小さな話し相手の登場は、いろんな意味で良い方向に向くのでは?…と思います。何より父と母だけの家に猫がいることで、今まで以上に妹夫婦や孫達が実家を訪れる機会が増えるだろうし、もちろん私だってもっと京都に足を運ぶ機会を増やすことになり、そういう相乗効果も期待出来ます。
本日実際に宙ちゃんに会ってみて、その人懐っこくて純粋なまなざしを見て、母が何度も涙ぐむシーンを妻は見逃していませんでした。今でもシフォン達に会いに来てくれた時に、ねこたクンの思い出を話したり、実家の電話の側に今でもねこたクンの写真を貼っている母にとっては、私が想像していた以上にこの「ちいさな友達」への思いが強かったのかもしれません。宙ちゃんが母の膝に寄り添って甘えるところを見ていたら、私もなんだか心が温かくなりました。
実は明日、父がリハビリを終えてめでたく病院から帰ってきますが、一足早く今夜から母は宙ちゃんと一緒に暮らしてみる決心をしました。これは偶然ではなく必然かもしれませんが、宙ちゃんを迎えた本日は父と母の45回目の結婚記念日。また私が初めてねこたと出会ったのも20年前の10月でした。
ということで今日の写真は、京都の実家に向かう前に我が家に立ち寄った宙ちゃん。もちろんシフォンたちとは隔離された二階の子供部屋です。ちなみに新しい名前の候補は「ピトン」が有力です。