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ピースワンコのシステムエラー

2019-09-03 22:20:58 | 2019 虐待収容ピースワンコ
ジャーナリスト樫原氏、ご自身が勤めていた日本経済新聞社がソーシャルイニシアチブ大賞を授けたこともあって、ピースワンコの度重なる法令違反が気になったとのこと。

樫原氏レポートから、いろいろなことが見えてきます。
殺処分ゼロの問題だけではなく、動物愛護界に不足しているもの、これからの共生社会に必要なこと。

是非、多くの皆さまにお目通し頂けたらと思います。
⚠️文末にてリンク先を ご案内しております。



PWJの代表理事であり、ピースワンコ代表の大西建丞氏。
彼は「殺処分ゼロのシステム」に こだわり過ぎてしまったのではないでしょうか。

愛護センターより殺処分対象の犬を全頭引き出し、ワースト1広島県の過疎化が進む村に収容施設を、運営資金は ふるさと納税から。

斬新なアイディアで、従来の動物愛護団体から生まれない発想です。
確かに、実現することが出来たのは大西氏だけだったろうと思います。
さらに言えば、動物愛護畑ではないPWJだから可能だったことでしょう。

私を動揺させたのは、ユートピアのような殺処分のない世界ではありませんでした。
何億と集まった寄付金に仰天し、こんなにも所有者のない犬を救おうとしてくれる人がいることに焦りを覚えたのです。

以前も現在も、我が国に「動物を救うシステム」は確立されていません。
定期的にティアハイム賞賛が起きるのは、ここに由来しているのでしょう。

それはなぜか?
理由は複合的で一つではありません。
ですが主たるは、救うシステムではなく「減らすプロセス」が最善策とされているからです。
昨今、言われている「出口よりも入口対策」ですね。



具体的に検証していきます。
もしも、ピースワンコが最初から「不妊去勢手術の徹底」をしていたら、過剰収容で狂犬病予防が追いつかない、ネグレクトで犬を死に追いやっている状況は回避できたか?

答えは否。
やはり、4桁頭数保護という動物福祉を蔑ろにした事態に陥っていたと思います。
要はシステム構築で、簡単に解決することではないのです。

広島県は、最近まで定点回収という行政が、飼育放棄を後押しするようなサービスがありました。
それが撤廃になり、野犬が爆発的に増えたという背景があります。
だから、捕獲しても、ピースワンコへ移動しても一向に野良犬は減りません。

保護譲渡活動は、保護と譲渡の数が等しくならない限り終わりになりません。
だから、多くの命を救うために、早く譲渡される個体を選ぶ必要があります。
しかし、ピースワンコは老犬や噛傷犬も全て受け入れています。

まだまだ保護譲渡だけでは、全てを救えないのが現実。

まずはペットへの「不妊去勢手術」を当たり前にすること。
便利な動物医療の提供や行政からの広報、地域での情報交換を通して、人々の意識を変えていくことが必要です。
すごく時間がかかります、長期的な計画になります。



おそらく、昨年春(新潮報道の頃)に、大西氏はシステムの失敗には気がついていたと思います。

どうして、この時に再構築をしなかったのか?
愛護団体からの問いかけを拒絶したのか?

日経ソーシャルイニシアチブ大賞の栄誉など世間一般から評価に傾倒し、殺処分ゼロを作り出すシステムに固執してしまったのかもしれません。

私は樫原氏と同様に真実が知りたい。
どこで舵取りを誤り、どこから航路を変えなくてはならなかったか、教えて欲しい。

犠牲になった命のためにも。
今も救いの手を待つ命のためにも。

~関連記事~
■なぜ巨悪ピースワンコは生まれたか
〈 記事内に樫原氏レポートリンク集 〉
■9/PWJへの犬譲渡、法令違反で2018年から抑制的に管理、広島県開示文書から
〈 上記より抜けているため追記 〉

■12/ふるさと寄付、神石高原町の取り分もPWJに提供 広島県開示文書から
■13/予防接種遅れ「悪質ではない」と神石高原町役場回答 広島県開示文書から
■14/PWJから無人島の芸術支援NPOに貸付金 神石高原町開示文書

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