茨木 のり子
(1926ー2006)
1999年
筑摩書房刊
「倚りかからず」
私は2007年、ちくま文庫発刊の「倚りかからず」
をいつも書棚の出しやすいところに置いていました。
久しぶりに読み返し、今の方が、詩がしっくりと体に染み込んできて、驚いているのです。
ああ、こんなに率直な詩集だったのねと。
昔読んだときは、革命の戦士のような勇ましさを感じましたが、
不思議な感銘が、今、私を圧倒しています。
ユーモアとウイットと愛に満ちています。
朗読会に入り、詩や様々な文章に触れてきたからでしょうか?
かつてより、感動できる力が芽生えたのでしょうか?
茨木のり子さんの詩がわかる年になったのでしょうか?
ずっと間違っていました。
人によりかかる甘えを戒めるた詩だと思って居ました。
甘えると体も心も人任せで弱る気がするのです。
私なら、「倚りかからず」生きるのにと・・・・・
でも、今読み返したら、もっともっと深い詩ではありました。
☆
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
☆
「マザーテレサの瞳」
「笑う能力」
「行方不明の時間」 など、素晴らしい詩が一斉に私にキラキラ落ちてきました
(1926ー2006)
1999年
筑摩書房刊
「倚りかからず」
私は2007年、ちくま文庫発刊の「倚りかからず」
をいつも書棚の出しやすいところに置いていました。
久しぶりに読み返し、今の方が、詩がしっくりと体に染み込んできて、驚いているのです。
ああ、こんなに率直な詩集だったのねと。
昔読んだときは、革命の戦士のような勇ましさを感じましたが、
不思議な感銘が、今、私を圧倒しています。
ユーモアとウイットと愛に満ちています。
朗読会に入り、詩や様々な文章に触れてきたからでしょうか?
かつてより、感動できる力が芽生えたのでしょうか?
茨木のり子さんの詩がわかる年になったのでしょうか?
ずっと間違っていました。
人によりかかる甘えを戒めるた詩だと思って居ました。
甘えると体も心も人任せで弱る気がするのです。
私なら、「倚りかからず」生きるのにと・・・・・
でも、今読み返したら、もっともっと深い詩ではありました。
☆
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
☆
「マザーテレサの瞳」
「笑う能力」
「行方不明の時間」 など、素晴らしい詩が一斉に私にキラキラ落ちてきました