二子玉川 de ぼちぼち絵日記

二子玉川在住主婦の好きなモノ絵日記。街歩きやスイーツ、エンタメ、昭和レトロ等 コメントお気軽に!☆

「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展  自分のこれぞ1枚は・・・

2017-03-25 15:42:49 | 美術館・ART・博物館


東京・渋谷 Bunkamuraザ・ミュージアムにて、好評開催中の
「ゴールドマンコレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展 ブロガー内覧会に行ってきました。

2015年の「画鬼・暁斎」(三菱一号館美術館)に行きそびれたことを すごく後悔しております、、
ジョサイア・コンドル(「鹿鳴館」「三菱一号館」設計)が暁斎の愛弟子で深い親交があったのですね。
本展は 英国在住、イスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品による、日本初公開作品を含む約180点で、多岐に渡る暁斎作品を一挙公開し、暁斎の全体像をご紹介しています。
ほぼ初めて見る暁斎の原画の数々、、4月16日まで、金曜・土曜は21時まで開催!ぜひお見逃しなく 

ブログ「青い日記帳」主宰 Tak さんと、ジャーナリストのチバヒデトシさん、Bunkamuraザ・ミュージアムの黒田和士学芸員のギャラリートークで、作品に関する魅力を語っていただきましたので みどころをご紹介します。

※写真は許可を得て撮影しております。
序章 出会い

左:ゴールドマン氏を作品蒐集に駆り立てるきっかけとなった1枚の小さな絵「象とたぬき」(NO.001)
一度手放したもののどうしても忘れられず買い戻したというこの作品と、ゴールドマン氏お気に入りの作品が並びます。

第1章 万国飛 世界を飛び回った鴉たち

江戸時代の暁斎は鴉で有名だったということで、鴉だけの展示コーナーです。


暁斎は明治14(1881)年の第二回内国勧業博覧会に「枯木寒鴉図」を出品し、実質の最高賞となる妙技二等賞牌を授与。
鴉は暁斎を一挙に海外に知らしめた作品となり、暁斎は海外に飛んでいく鴉を思い、鴉と万国飛の文字を組み合わせた印を作りました
鴉の絵が多いのは、受賞を機に暁斎に鴉図のリクエストが殺到したのと、書画会などでさらさらと描けるという理由もあったようです。


第2章 躍動するいのち -動物たちの世界ー



「枇杷猿びわにさる,瀧白猿たきにしろざる」

杷を差し出す猿と、蔦にぶら下がる白猿の対幅。
暁斎は幼い頃に浮世絵師・歌川国芳に学んで、その後狩野派に学びますが、伝統的な狩野派の技術を駆使している1枚。


「動物の曲芸」 一方で狩野派の画力を持ちながら遊んでいる作品も。

私はこの「雀の書画会」が可愛くて惹かれました。



第3章
幕末明治 -転換期のざわめきとにぎわい-

「各国人物図」(中央)

江戸から明治にまたがって活躍した暁斎。いろいろな外国人が暁斎の名声を聞いて集まってきたそうです。
幕末の時代が好きなので、当時の資料としても貴重な画で興味深いコーナーでした。


第4章
戯れるー 福と笑いをもたらす守り神

鍾馗と鬼  

福の神や守り神などを描いた吉祥画。
端午の節句や暮れになると、暁斎のもとには疱瘡除けとして鍾馗の注文が殺到、そのなかからの3枚です。


こちらはちょっとユーモラスな鍾馗と鬼の絵。鬼が相撲をとったりボールのように蹴り上げられたり。
お客様用に真面目に描いた作品と、浮世絵師的な遊びが入った作品と、両方見ることができます。


笑う-人間と性 ※春画の展示を含みます (ぜひ会場でご覧ください♪)


第5章 百鬼繚乱-異界への誘い-

「地獄太夫と一休」

伝説の遊女・地獄太夫と一休和尚を主題にした作品。
(右)一休と芸子さんが歌って飲んでいるので地獄太夫があきれて外に行き、戻ってくると芸子さんが骸骨になっているシーン。
骸骨もまるで生きているように踊っているところに、生きている者も死んでいる者もそう違いはない、極楽も地獄も紙一重という死生観が出ています。

「百鬼夜行図屏風」

屏風に描くよう依頼されたのでしょうか、大きな屏風に鬼たちがバランスよく、楽しげに描かれています。
あと鬼たちに、、まつげが描かれているのですね、個性的で可愛いらしい鬼たちでした。

幕末から明治という激動の時代をまたがって生きた暁斎。
パトロンを失ったり、作品が海外に流出したりと、画家にとっても苦難の時代を、さまざまな画題を器用に描き続けた多才さが一番印象に残りました。

「ぜひ自分の好きな1枚」を選んでください、とのことで、悩みましたが、こちら2枚を。

「祈る女と鴉」
祈っている遊女と、暁斎の鴉。 
鴉というとふつうは不吉なイメージですが、巨大な鴉は遊女を見守っているような?気になる一枚でした。


もう一枚は「竜頭観音」(右)
晩年の暁斎は仏教への信仰が深く、毎日のように観音像を書いて仏社におさめていたといいます。コンドルの旧蔵品のひとつ。
(自分が観音様が好きで… 老後は観音巡りをしたいです)


楽しかった~、作品がバラエティに富んでいるので「マイ1枚」も好みが分かれそうですね ぜひ期間中に!

河鍋暁斎(かわなべきょうさい)(1831-1889)は、幕末から明治を生きた天才絵師。幼い頃に浮世絵師の歌川国芳に入門したのち、狩野派に学び19歳の若さで修業を終え、さらに流派に捉われず様々な画法を習得し、仏画から戯画まで幅広い画題を、ときに独特のユーモアを交えながら、圧倒的な画力によって描き上げて海外でも高い評価を得ています。
本展は、世界屈指の暁斎コレクションとして知られるイスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品によって、日本初公開作品を含む約180点で、多岐に渡る暁斎作品を一挙公開し、暁斎の全体像をご紹介しています。


ゴールドマンコレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力
2017/2/23(木)-4/16(日)
※会期中無休

開館時間
10:00-19:00(入館は18:30まで)毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)

会場
渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム
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