Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

手賀沼の魅力 その6 魔よけ小坊主伝説

2017-11-11 | 
私の住む千葉県柏市には手賀沼があります。
面積約6.5平方Km(東京ディズニーリゾートの約6.5倍)、周囲約38Kmの豊かな自然に恵まれた沼です。
自然豊かな水辺には野鳥が飛来し、変化に富んだ風景や史跡、花木等々を観察できる素晴らしいスポットです。

手賀沼ボート・ヨット乗り場(柏側)


私はこの手賀沼湖畔をサイクリングや散策をすることが大好きです。
片道10~20キロのコースを、変化に富んだ風景を楽しみながら走ると、暑さ寒さもさほど苦になりません。
これまで撮りためた写真を交え、手賀沼の魅力を紹介していきたいと思います。

サイクリングロード


<今回は魔よけ小坊主伝説です>
かつて、我孫子と沼南町(現柏市)を結ぶ渡し舟があったころ、毎日大勢のお客で渡し船は賑わっていた。
特に問題のある渡し船ではないのだが、毎年、お盆の前後になると、この「魔よけ小僧」が出没したという。

当時の渡し舟


舟の船首のところに素っ裸の小僧が座っているというのだ。
「一体どこの小僧だろうか」「なんで裸でいるのだろう?」小僧の突然の出現にみんなが大騒ぎになる。
ある人が決心して、哀しげにうつむいて座る小僧に話しかけても何も答えないと言う。

当時の渡し舟


これはどうしたものかとお客達が困惑していると、船を漕いでいた船頭さんがこういうのだそうだ。
「あれは魔よけ小僧と呼ばれる者である。昔からいるもので、縁起の良いものである。」
「ほっておけば特に悪いことはしない。」
「むしろ、小僧が出る事はこの船の航海が順調にいく印である。だまってすてておけ。」
そして、舟が対岸に近づくと小僧はふいに消えてしまうのだ。

中秋丸乗り場跡地に設置してある中秋丸説明パネル


魏志倭人伝によると、中国への船には必ず「持衰」という人物を乗せたという記述があります。
その役割は、航海中「持衰」は、船の安全をひたすら祈願したらしいのです。
つまり、その船専用の占い師みたいなものであり、この役割は過酷です。
航海がうまくいくと、「持衰」はたくさんの金銀をもらえ大金持ちになれるのです。
しかし、失敗すると殺されるというのです。

現在の船着き場付近(我孫子側:手賀沼公園)


船の安全を生死をかけて祈る「持衰」と「魔よけ小僧」の性質は似てないでしょうか。
航海が失敗し、漂流先で「魔よけ」として殺された「持衰」が「魔よけ小僧」という妖怪となった。
という伝説が残っています。

その後、昭和39年7月に手賀大橋が開通し、渡し舟は廃止されました。


多分当時は多くの若者が貧乏から抜け出るために、その過酷な仕事についたのでしょう。
そしてその多くが遭難するか、責任を転嫁され命を落としていったのです。
このうつむきながら航海の安全を祈る妖怪「魔よけ小僧」を思う時、せつなくなります。

現在の手賀大橋


魔よけ小僧伝説、いかがでしたか。
あまりにも哀しい話でせつなくなりますね。

それでは次回の手賀沼の魅力まで失礼します。