8月の花のアルバム ①
8月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。8月は近年にない酷暑が続きましたが、植物・野鳥・昆虫など約200品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿させていただきます。
今回も、7月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
つる性落葉低木の一種です。「昔はよく食べていた」と言われることの多い食材です。日本各地の低山地の日向に自生しています。特に東北地方や山形の山中などに多く、商業栽培も盛んです。
熟すと果皮が割れて、黒い種子がたくさん入っていることが分かります。それら種子を覆う白いゼリー状の果肉が可食部です。近年は旬である9月頃、栽培されたものが生鮮食品販売店などで売られることも増えました。
<アケビ アケビ科アケビ属> 8/29 つくば実験植物園
アザミに似たつつましく、ポンポンのようなかわいい花を房状に咲かせる熱帯アメリカ原産の、非耐寒性の多年草です。
高性種と矮性種がありますが、ポット苗でよく出回っているのは矮性種の方です。高性種は切花に用いられます。
和名のカッコウアザミは、葉がシソ科のカッコウ、花がアザミに似ていることからきています。
<アゲラタム(郭公薊) キク科カッコウアザミ属(アゲラタム属)>
8/24 柏の葉公園
北アメリカ南部とヨーロッパ原産のつる性の植物。葉柄と花柄が巻きひげのようになって支柱などに巻きつきながら、2~5mくらいまで伸びます。
キンギョソウに似たベル形の花が特徴です。生育旺盛でつるがよく分枝するのでフェンス仕立てやハンギングにも向きます。
<アサリナ オオバコ科アサリナ属(キリカズラ属)>
8/3 あけぼの山農業公園
埼玉県の安行に古くからある品種で、ヒメアジサイの一種です。
澄んだブルーの美しい花色で6月頃から咲き始め、霜が降りる頃まで少しずつ咲き続けます。
<アンギョウシキザキ(安行四季咲き:アジサイ) アジサイ科アジサイ属>
8/29 つくば実験植物園
エゾキクとも呼ばれ、中国原産の古くからよく知られた草花です。わが国では主に夏の切花、特に仏花として多く利用されます。
花はまく時期をずらすことによって、6~9月までかなり長期間楽しめます。ポンポン咲き、平弁半八重咲き、平弁抱え咲き、中輪、大輪などがあります。
花色も白、桃、紅赤、紫、青色、さらに中心部が白や黄色の鮮やかな蛇の目状となるものなど多くの種類があります。
<アスター(蝦夷菊) キク科エゾギク属>
8/3 あけぼの山農業公園
円形のサボテンで、頂部から根元にかけて「稜(りょう)」と呼ばれるラインが5本(5稜)入り、上から見ると星型になります。
実生から10~15年後には6~8稜まで増稜し、円柱型になって30~60cmほどの高さまで生育します。「鸞鳳玉(らんぽうぎょく)と呼ばれるサボテンの変種で、鸞鳳玉よりも大型になります。
<アストロフィツム・ミリオスティグマ(鸞鳳) サボテン科アストロフィツム属>
8/29 つくば実験植物園
日本では、一般的に「般若:はんにゃ」として流通しています。般若は、小さいうちは丸く成長します。サボテン科なのである程度成長して大きくなると直径よりも高さが伸びていきます。
刺は鋭く刺座(アレオーレ)から放射状に生えています。原種の稜は普通は8本あり、らせん状にカーブしています。成長する(6〜8年)春と夏に株の頂点から甘い香りのする大きな黄色い花を咲かせます。
<アストロフィツム・オルナツム(般若) サボテン科アストロフィツム属>
8/29 つくば実験植物園
メキシコと南アメリカ原産のアオイ科の顕花植物です。通常、さまざまな葉の形をした直立した植物で、色とりどりの花を咲かせます。
本種はすっきりとした白花のカップ咲きの愛らしさと、濃い紫色の葉の模様の風合いが素敵な花です。他の品種はピンク色のキャンディーカップ、薄紫色のクリスタータもあります。
<アノダ・シルバーカップ アオイ科アノダ属>
8/3 あけぼの山農業公園
南アフリカ原産でヒガンバナ科の耐寒性常緑多年草(球根植物)です。 夏の夕方に、花茎を伸ばし先端に散形花序を出し、白い ユリ(白百合)のような漏斗状の花を多数咲かせます。
日本には明治時代の初期に渡来。当時はインドハマユウと同一とされましたが、最近になり別種と判明しました。園芸での流通名はクリナム・ポーウェリー、あるいはクリナム・ポウェリー。
花の名は、アフリカ原産で葉がハマユウに似ていることから付けられ、ハマユウは白い花が木綿を垂らしたように見えることから名づけられました。
<アフリカハマユウ(印度浜木綿) ヒガンバナ科ヒメノカリス属>
8/24 柏の葉公園
ブラジル原産の常緑蔓性半耐寒性の熱帯性低木です。 英名ではアラマンダと言います。丈夫な性質で、温度さえあれば一年中開花するので、熱帯地域では広く栽培され親しまれています。
花は枝先につき、黄色く、径5~7cmで先が5裂する漏斗形です。花色には黄色や桃色があります。花径は同属のヒメカズラ(5cm)より大きな花を咲かせます。
<アリアケカズラ(有明葛)キョウチクトウ科アリアケカズラ属(アラマンダ属)>
8/29 つくば実験植物園
チリを中心にブラジル、ペルー、アルゼンチンなど南米に60~100の野生種が分布します。
茎の先端に花がついており、特徴的で個性的な色合いを見せています。花は花弁が6枚。外側と内側3枚ずつ形が違います。
原産地とその花姿から「ペルーのユリ」「インカ帝国のユリ」などの異名があります。
<アルストロメリア(百合水仙) ユリズイセン科ユリズイセン属>
8/3 あけぼの山農業公園
熱帯アメリカ~西インド諸島原産のトロピカルな雰囲気を醸し出す観葉植物です。
熱帯アメリカに600種類以上があると言われ、色々な仏炎苞や葉の形をしたものがあります。
赤やピンク色のハート型お皿のような仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴的です。
これは花ではなく、ここから細い尾のように出てきた黄色い突起が花になります。
ギリシャ語の「anthos(花)」と「oura(尾)」から花の名前がつけられているそうです。
<アンスリウム サトイモ科アンスリウム属>
8/29 つくば実験植物園
福島県の檜枝岐村周辺で発見され、生息地域の少なさから絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い)とされています。
4月中旬~5月中旬に花序が枝先の葉腋につき、径2ミリ程度の花をつけます。果実に4稜があり、その形状から和名が付けられました。
<アンドンマユミ(行灯真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
8/29 つくば実験植物園
サンタンカ(イソクラ)の園芸品種で花弁が細めで、花色は赤く鮮やかです。
サンタンカ属は熱帯各地に約400種が分布しています。花は直径2~3㎝の花が多数集まって半球状に咲きます。
花色は紅、淡紅、橙、黄や白など豊富です。開花時期が長いことから、現地では景観樹、花壇や生垣などに利用されています。
サンタンカが日本にやってきたのは江戸時代中期で、当初は三段花(さんだんか)と呼ばれていました。
<イソクラ 'サマーフレッシュ’ アカネ科サンタンカ属>
8/29 つくば実験植物園
西アジア原産。「不老長寿の果物」と呼ばれるほど豊富な栄養素を含むフルーツです。果樹として世界中で広く栽培されています。
西アジア、アラビア南部でアダムとイブの話の中で出てくる"禁断の果実"とは本種のことで、古来からあったことを窺わせます。
本種は隠頭花序(いんとうかじょ)と呼ばれる花を付ける木で、果実のように見える部分は、花軸が肥大化したもので、切った時に粒粒のように見える花です。
<イチジク(無花果) クワ科イチジク属>
8/4 近所のお宅
シソ科の多年草でハーブの1種。英名由来のキャットニップという名でも呼ばれます。また、日本に帰化したものが長野県筑摩郡で発見されたことから、チクマハッカとも呼ばれます。
見た目はミントにそっくりで、名前の通り猫が大好きな香りを放ちます。丈夫で繁殖力が旺盛な育てやすいハーブです。
全体が産毛のような柔らかな毛で覆われていて、春〜初夏になると先端に円錐状の花を付けます。
<イヌハッカ(犬薄荷) シソ科イヌハッカ属>
8/29 つくば実験植物園
関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するクワ科イチジク属の落葉低木。
4~5月頃になるとイチジクのように外からは見えない花が球形の「花嚢(かのう」の中に咲き、花が終わって熟すと果実になり、いずれも直径は2センチ弱です。
味はイチジクに似ており、実の形状もビワというよりイチジクに近く、別名をコイチジクと言います。
<イヌビワ(犬枇杷) クワ科イチジク属>
8/29 つくば実験植物園
2023年坂野ローズガーデン作出の四季咲バラです。5月から育てていますが、8月まで40輪以上とたくさんの花を咲かせてくれています。
咲き始めは黄色で外弁にうっすらピンクがかり、咲き進むと透明感のある黄色に、花の終わりには退色して蛍光色のピンクとなって、一株で色々な花が楽しめます。
中輪のボタンアイのロゼット咲き。淡いながらもティーの香りがあります。葉は照葉。早咲きの四季咲き性ですが暑さにやや弱く、夏場に生育が弱まります。
<うさぎのロップ(バラ) バラ科バラ属>
8/11 自宅
ヤシ科の常緑樹で標高4m程度になります。ヤシの葉でありながら切れ込みが無く、名前の通り団扇のような形状を見せます。
大きな団扇(うちわ)状の葉で、欧米ではよく観葉植物として利用されます。日本では生産が少ない希少なヤシです。
<ウチワヤシ(団扇椰子) ヤシ科ウチワヤシ属>
8/29 つくば実験植物園
北海道から九州まで全国の山地に自生しており、フキ、ミョウガ、ミツバなどと並んで日本原産野菜のひとつです。
食用とするのは土から顔を出したばかりの新芽の部分や、ある程度育ったものの茎や若芽の部分です。本来野菜というよりも、山菜になります。
花は、7月~9月頃、小さな花が球形に集まって伸びやかに咲きます。ひとつひとつの粒が蕾で、そこからはじけるように白い花が開きます。花や蕾の部分を天ぷらにすると、ぷつぷつした食感でとても美味しいです。
平安時代から身分の高い宮人の間で食されていたという記録が残っていますが、本格的な栽培が始められたのは江戸時代後期、現在の武蔵野市周辺だったといわれています。
<ウド(独活) ウコギ科タラノキ属>
8/29 つくば実験植物園
8月の花のアルバム ① 20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ②」に続きます。
毎年見る場所があり、咲いているのを見ると
嬉しくて撮ってしまいます。
アルストロメリア
ほんと花期が長い花、近所のお庭に咲いているのですが、何ヶ月も咲いている気がしています。
こちらは、あっさり通り過ぎて行ったんですが、
台風、大丈夫でしたか?
ニュースを見ているとかなりの雨が降った地域がありましたよね
コメントありがとうございます。
アゲラタム、よく目立つけど可愛らしい花ですね。私は花と言えば何でも撮っ
てしまう方ですが、この花だけは何度でも撮ってしまうほど、好きな花です。
アルストロメリア、この花もよく長い間よく見かける花ですね。アゲラタムと
は違い、いつでもどこでも見る事ができるので、つい撮り忘れることがありま
す。(^^ゞ
台風13号、勢力の割に猛烈な雨を降らせて、千葉県南部や茨城県を中心に大き
な爪痕を残しましたね。私の住む千葉県北西部は警戒レベル3相当が出ていま
したが、被害はなかったようです。わが家は高台なので、水よりも風の方が怖い
ですね。
最初に結果を・・・
今回名前がチャンと言えたのは10種類と、50点でしたので落第です。
知らない花が多かったのと、日ごろ見かけない花は名前を忘れてる・・・
あ、そうそう、うさぎのロップは分かりました!
いつもながらちゃんと解説もしてくださるので、保存版にしておきたいです。
ありがとうございました!
イヌハッカは載せたことがあると思うのに、忘れていまアサリナも忘れていました。
サボテン類は難しい名前が多くて、覚えられません。
花が咲くと綺麗ですよね。
コメントありがとうございます。
夏枯れの8月は、”困った時のつくば実験植物園”で帳尻を合わせました。予
想通り、花の数が少なかったので、熱帯植物や絶滅危惧種など、日頃見る事の
ない植物がたくさん入りました。
ですから、2回目以降も名前を当てようと考えずに、さらっと流し見をしてい
ただければと思います。中には、あけぼの山農業公園や柏の葉公園で見つけた
園芸品種も多少はあります。
うさぎのロップ、覚えていただいて嬉しいです。私もとても気に入っているバ
ラです。坂野ローズガーデンに成り代わって御礼申し上げます。(^.^)
コメントありがとうございます。
なつみかんさんのコメントにも書きましたが、8月はつくば実験植物園で見つ
けた熱帯植物や絶滅危惧種などが多く登場します。この植物の専門家しか知ら
ない花が多いので、参考程度に見てください。(^.^)
サボテンや多肉植物の花はとても美しいですね。私はこれらの花を見るのが大
好きです。ただ、咲く時期が2~3年に1回など、不規則なので、いつも見る事
が出来ないのが残念です。わが家にも5~6種類程度のサボテンがありますが、
花を咲いたのを一度も見たことがありません。(-_-;)
いよいよ8月の花ですね!
ninbuさんの花のお写真、何時も綺麗にお撮りになって、何よりも分かり易い、
解説も含め、本当に図鑑の様です。
やはり8月の花、熱帯原産のモノも多いですね。
アフリカハマユウ(この花は実家の庭に有ります)、サンタンカ、アンスリウム等々、
やはり暑い時期元気な花が多いですね。
因みにアストロフィツム・ミリオスティグマ、アノダ・シルバーカップ、
それにアンドンマユミ等々は初めて見る花です。
珍しい花を拝見させて頂き、また1つ勉強させて頂きました。
また次回も楽しみにしております(^O^)/
コメントありがとうございます。
毎月の花のアルバムも始めてから1年3カ月になります。私にとっては自分で
知らない花も含めて調べた記録ですから、”私専用の花の図鑑”と言えるかも
しれません。(^.^)
8月は夏枯れと言われるように、1年を通じて花の少ない時期でもありますね。
こんな時に、助かるのが温室植物園です。四季を通じて色々な植物を見る事が
できます。
アストロフィツム・ミリオスティグマ、アノダ・シルバーカップ、アンドンマ
ユミ等々は私も今回初めて見た花です。つくば実験植物園にはいつ行っても珍
しい植物があり、1日滞在しても飽きがきません。ヒゲオヤジさんも機会があ
ればぜひお出かけ下さい。
今回はアサリナやシキザキアンギョウ アストロフィツム ウチワヤシなど珍しいお花が多かったです。
イチジクはこちらでも結構実がついていますよ。
甘露煮が美味しいね。
ninbuさんちのバラ 色変わりすんですね。
コメントありがとうございます。
8月は夏枯れで花が少なく、さらに酷暑で公園や植物園に出かける機会が減り、
困っていました。そんな時に頼りになるのがつくば実験植物園です。(^.^)
国内外の絶滅危惧種や珍しい植物を四季を通じて見る事ができます。今回も熱
帯植物など、日頃目にすることのない植物が多くなりました。
イチジクの甘露煮は食べたことがありません。でも、イチジクは生で食べたこ
としかありません。うさぎのロップ、花付が良く色も変化するので、とても楽
しめるバラです。(^.^)