Storia‐異人列伝

歴史に名を残す人物と時間・空間を超えて―すばらしき人たちの物語

「新明解」第四版

2005-11-06 18:23:33 | 音楽・芸術・文学
  
贅沢にも、比内地鶏を使ったあったかいそば、材料も味も最高。
そばうち仲間のかたの弟さんが秋田の山で放し飼い、それはそうと、、、
午後の帰りに、ふらっと寄った「CD/本、買います店」で、なんとも幸運。欲しかった「新明解」第四版があるではないか!この版まででないと...
あさ遅刻、行くのをチト迷ったが、何でもやってみるといいことが続くなあ。

「新明解国語辞典・初版の心意気」という題で、京都女大あたりのHPにて、http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/~konami/kotoba/sinmei.html
[新たなるものを目指して]昭和47年1月24日、初版第一刷の序文を読んだ。まあ辞書無しでは読めないね! そして山田先生の決意!

それで、わが「第四版第23刷 1995年1月10日」の序文です。
「新明解国語辞典/三省堂 ISBN4-385-13098-1」より全文引用しました。
この版までは編集主幹の山田先生の面目躍如で、まことに楽しめる辞書であります。
しかし、面白おかしく、ではないことを、知りました。
先生も、1996年にお亡くなりになっています。

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「辞書に求められるもの」  (第四版 序 )

 この辞書は、関係者一同の試行錯誤の結果 成ったものである。

 朝起きて朝食の膳に新聞を見る、夜の帳の下りる頃は夕刊を手にする。その度毎にわれわれは現代社会の進む方向と思潮を各自のアンテナで捉えようと試みる。媒体は言葉である。
 本を読む、手紙を書く。事務を執る、連絡を受ける、命令を伝える。旧友と久し振りに会う、会話を楽しむ。テレビを見る。社会生活において欠くべからざるものは言葉である。
 生活は言語によって支えられ、われわれの思考と内省は言語によって深まる。

 同一言語における意思伝達が支障なく行われるのは、各自の灰白色の脳細胞内に 根幹を同じくする単語帳が存在するからであろう。その単語帳たるや、語釈は有ったり無かったりであるが、多かれ少なかれ用例を伴う。書入れの精粗は、使用言語への内省の深浅を そのまま反映する。個人差は頗る大きい。
 この単語帳こそ、いわゆる語感 の背景となるべきものであり、又同時に、なり得るものでなければならぬが、自他の 語感 の衝突するとき、普通 われわれは、その裁定を任意の辞書に委ねる。[これは、委ねようとする、という意の一語法である]

 しかしながら、辞書後進国の悲しさ、どの辞書を見ても満足を覚えることは、めったに無い。そこに載せる用例はあまりにも貧弱であり、当然の結果として語義の分析は十分でない。鋭さなど求むべくもない。語釈は十種一様であり、千篇一律である。付録の多さと本文の組み体裁に僅に自己主張をするのみ。
 既に団栗の背比べであって見れば、わが国においては、辞書の比較は無意義(ナンセンス)に近く、蒐集は多く好事の域を出ない。複数使用の如きも、新聞における二~三紙併読に類する意義(メリット)を積極的には持ち得ない。

 上述の意味における個別単語帳を有する利用者が市販の辞書に期待して それを引く最大の目的は、当該の語が どういう場合に使われるか、という用法の確認で無ければならぬ。
+(プラス)の意味に用いるのか、-(マイナス)の意味に用いるのかは、最大の関心事である。また、用法が二義以上に分かれる場合、いずれが主用であるか、本義と転義とは どのようにかかわるか。それが知りたいからこそ、わざわざ辞書を引くのである。

 ところで、普遍妥当を志す辞書の記述も、編者の単語帳を経(たていと)とし、寓目例を緯(よこいと)として構築する限り、時に万全を保し難いことが有る。その短を矯める捷径は、常用例への飽くなき注視と 異なる言語体験を持つ他者の批判への傾聴とでなければならぬ。幸い「新明解国語辞典」は発刊以来絶えず数多くの有益な意見により触発され発奮を繰り返し、脱皮を重ねてきた。第三版において 語結合の型 を示したのは、その顕著な例である。この度 第四版に当たっては 最も脆弱であった 副詞 項目に大幅の補充を試みた。

 副詞は由来 他の品詞と異なる職能を持ち、専ら文を直接 構成する成分として文脈理会の上に重要な役割を果す。作例などでは到底その用法を覆い尽くせない。生の用例に語らせる必要がある。部分を省略すると、肝腎の用法がどこかに飛んでしまう。勢い、引用は長目にならざるを得なかった。大いに努めた積りではあるが、猶、釈迦の掌上で力む孫悟空ではなかったか、という想いが切である。

 今次の改定に際しては、国語学関係者のみによる編纂の視野狭きを念い、百尺竿頭 一歩を進め、自然科学の専攻者中 関心の最も社会万般に向きたるを一人 選び起用し、能う限り多くの項目に就いて 発想の転換 を心掛けた。その試みは未だ 点と線 の段階に止まるが、不日 大きな効を発揮するであろう。
    1989年10月                       主幹

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 さて、この辞書から、ちょっと、さわりを!

⇒ れんあい【恋愛】 
 特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態 

⇒ よりどころ【拠(り)所】
(一)根拠。
(二)そのものを支えており、それが無くなれば そのもの自身の成立が危うくなるもの。
「生活の―・心の―〔=生きて行く上に必要な、心の支え。具体的には、生きがいを与えるものとしての宗教・愛人・家庭・研究や、自分を高めるための将来の目標などを指す〕」


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新明解国語辞典

三省堂

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