さて、本日午後、わが居間にて「臨床美術」の模擬講座です。
センセイは、現在この技術、毎週福祉大学の講座にて勉強中のわが愛妻、生徒は遊びに来たおじいちゃん、おばあちゃん(妻の両親)。
「臨床美術」とは、脳活性化を促す独自のカリキュラムで絵画・彫刻・陶芸などを楽しみながら認知症の症状を改善していく方法。
医師、介護ケア、臨床美術と、三本立てが必要、医療での本格応用は今後ケース積み重ねが必要らしい。
「曲線はご自分で思ったように、ウネウネウネと、はい、そうですね、
マルも曲線ですね、大きなまる、小さなまる、いろいろありますね、
ちっちゃなマルもいいですね、そうそう。」
「そしたら、点やってみます。
筆に絵の具をつけたら、そのまま紙に置けば、テン!
おおきな筆ではおおきな点、ちいさな筆ではちいさな点。」
「点がいっぱい描けたようなので、筆を筆洗いに入れて、こんどはスポンジを使ってみましょう。スポンジは、普段はどんなときに使いますか?」
「生け花ね」おばあちゃん。
「あ、あれは、オアシスよ!」 「そ、洗うときね、」
「でも今日は、このスポンジに絵の具をつけます。(じかに?)はいッ。
お好きな色、出しました?いいでしょうか?」
「あなたはね、いい研究材料になってるね、大学のセンセーの。
ま、立派な研究だろうがなあ?」おじいちゃん。で、わき道に!!
「こういう会話がだいじなのよね、年寄りたちも、何もしゃべらない、
じーっとだまーってるでしょ」「そうそう」
「紙にたたくように色をおいて、カサカサなら少し水をつけて。どうでしょうか?はじめとは、色が混じってきましたね、違う色がでてきて不思議ですねぇ!」
「おれは、はっきりした色だな...おばあちゃんは従順だから言われたとおりするけど...」
「では、練習の紙をおいて、いよいよ、石にやってみます」
「さっきと同じように、まず、パレットの上に2色お好きな色を選んで、出しましょう」
「そうしたら、スポンジを使いましょう」
「あら~ たすけが2階から降りてきた、こんにちは~」、また中断。
「たすけは、ばあちゃんのにおい嗅ぎにきた!」むすめ。
「ネコに絵の具ついたら、すぐに洗わないと、カパカパになっちゃう!」
「石のカドとか面に、たっぷり、ぐるーっと塗って。色を重ねるときは乾いてから...」
がああー、がああー、ドライヤーの音。
「模様のばあいも、点と線だけ使って、石に、楽しかった感じとか、...」
「では、ご自分の作品ということで、名前入れましょう、イニシャルだけでも、フルネームでも。
これは、クニヨシさん、どうでしたか?自分でどうだったか、みんなが見て、どちらでも」
「上に跳ぶ、げんきにね ! 」
「今、地上を飛び立つ躍動感ありますね、色がとてもきれいですね」
「カメにも見えるなぁ?」とイヤミなボク。 パチパチパチ。
「これは、れいこさん、色のつかいかた、石が、山の稜線」
「会津の山に似てますなあ、ホウ、帰ったらこれは、床の間においておこう!」
パチパチパチ。
「きょうのは点と線で、自由に描いてもらいました、ハイ。
これは、見たものでなく、思った、感じた音のイメージを描く...
楽しいこととか、春の感じとか、感情とかでも、なるべくプラスの...」
(写真上は、修行中せんせいのもの、下は、おじいちゃんおばあちゃん作品)
ガリガリガリ、「誰かぁー、たすけのトイレやってぇ...」
ガシャーン、「あらあら、こらぁ、ハク...」