先月下旬の話ですが、Webニュースや個人さんのブログなどで、ふと目にしたエンタメ報道に、はっとしてしまいました。
発言の主は、韓国からやってきた青年……HIPHOP-R&B(HIPHOPのバッキングにR&Bの旋律をのせるジャンルをこう呼ぶのだそうです…)の歌い手さんでした。
全国縦断のライヴツアーイベント等による過密スケジュールと過労のために、喉が腫れ、炎症を起こし、声帯結節が出来てしまったものの、日本側スタッフから提案された『リップシンク(=いわゆる「くちパク」のことですね)』を拒否(固辞)、ナマ歌を貫き通したのだそうです。
「SE7EN(セブン)」さん、本名チェ・ドンウクさん、二十歳。韓国でのデビューが’03年。日本でのデビューは今年2月。Do As Infinity長尾大さんのプロデュースによる2枚目のマキシシングル「style」を先月18日に出したばかり。その2ndシングル関連イベント開催中に起きた、アクシデントだったようです。
自分の容姿を見たいためだけの目的で、ファンの方がライヴにわざわざ足を運んでくださるものだろうか? (そうではないはずだ) 単に声が聴きたければいつでもCDで聴けるし、ダンスパフォーマンスや容姿が見たければMV(ミュージックビデオ)でいつでも見られる。ライヴ会場はあくまでも、自分が舞台にいるその時々の喜びを、来てくださった観客の方と共有する場所のはず。それは韓国だろうがどこ(の国)だろうが同じこと。リップシンクでは得られない何かが(ライヴでは)確実に存在する。。今までもリップシンクは一度もやっていないし、それをやってしまっては歌手ではなくなる。。
SE7ENさんが、悩んだ末に生歌を通した理由が、以上のようなことだったそうです。
心配なさっているファンの方々に向けては、御自身の韓国公式ホームページに事情をみずから書き込みされ、その後日本の公式ページにも、日本のファンの方へ向けて、日本語(ひらがな)で事情の書き込みを御自身がなさっていたそうです。
その後たまたま、その「SE7ENさん」が出ている音楽番組を見ました。まだあどけなく、屈託のない柔らかい笑顔を見せている、可愛らしい青年の姿と、Webで読んだ頑固な発言が、いまひとつ結びつかず、「この子がねぇ・・」と思いながら見ていたのですが・・。
SE7ENさんは、持ち時間1曲の間に、イタズラっぽい表情、勝ち気そうな表情、険しく苦しそうな表情などなど、めまぐるしくその表情を変えながらも、リップシンクという手段を選択することなく、精いっぱい、踊り、歌いきりました。柔らかくやさしい声質が時々かすれ、本調子でない喉でキーの高い曲に、平生よりとりづらい音程に、やや苦慮しているような感じもしました。
とはいえ、曲のエンディングで緊張が解かれたのでしょうか……ふっくらとした、柔らかい、満面の笑みを浮かべていました。まるで「どうにか歌いきることができたんだ」「これでよかったんだ」とでも言うような…。安堵感を伴った何ともいえない、いい顔をなさっていました。また、御自分の歌の出番でない時には、出番から戻ってきたほかの出演歌手の方々に対して、丁寧に会釈をしていらして(おつかれさまでした…というような意味合いで会釈なさっていたのだろうと思います)、礼儀正しい態度も印象に残りました。
芸事でプロとして活動している方々だって、生身の人間です。身体の好不調の波はある。全国各地をくまなく、100%均等に質の高い公演を見せようと思っても、体調が伴わないという場合は、往々にしてあるだろうと思います……私たちシロウトから見ても。ましてや、勝手のちがう異国で仕事をしている最中にアクシデントに見舞われるというのは、御本人さんにしてみれば、精神的にも苦しい場面だろうと思われます。
また、踊りながら歌う…特にHIPHOP系やR&B系で、バックダンサーさんたちと同様にハードなダンスをこなしながら歌うひとたちの体力の消耗というのは著しいでしょうし、歌の呼吸とダンスのグレードを並立させていくことそのものも、たやすくはなかろうと思います。
異国でのイベントだから、ホームグラウンドでの仕事ではないから、今後のことも考えて、喉を休めるためにリップシンクを使う選択肢も、SE7ENさんにはあったはずです。
日本でプロとして活動されている方々の中にも、シロウトの私から見ても「リップシンクだろうな」と思ってしまう(ごめんなさい)方々はいらっしゃいますしね…。
しかし、プロ歌手としての責務に対する自負と誇りから、あえてリップシンクをやらなかった。
感心させられました…真面目なのでしょうね。ちなみに、日本でCDデビューするにあたって、日本語を2年間弱学ばれたそうですが、通訳なしで、台本なしで、コミュニケーションがとれるレベルまで尽力なさっていたようです(…あぁ、神様ジーコに聞かせてやりたいよ…たまには会見で日本語しゃべってくれ~ジーコぉ~=笑)。
リップシンクって、「開けてはいけない箱」のような気がします。
私は芸事のお仕事に就いた経験がないので、プロとしての興行の大変さが分からないんですけれども(ごめんなさい)、個人的にはリップシンクを見る(聴く)のがあまり好きではありません…というか、リップシンクは嫌いです(^_^;)。理由は、まさにSE7ENさんがおっしゃっている内容と一緒。
…ですから、「もしど~しても、リップシンクやらんといけんのんじゃったら、あからさまにやらんでぇねぇ…あんまり分からん程度に、こっそりやってね」…という感じかなぁ。。
逆に、生身の状態で精いっぱい、正直に頑張ってくださるひとには、エールを送りたくなってしまいます…国籍なんて関係なしに…。SE7ENさんまだ二十歳…今後とも、その意志と意地を、プロとしての誇りと責任感と実直さを、ずっと貫いて頂ければなぁと思います。
韓日双方を往復しながら、双方で音源を制作していく都合上、どうしてもライヴなどの日程がハードになってしまうのかもしれませんが……過度に喉の負担がかからないような御配慮があればいいのかもしれませんよね。。
SE7ENさん…小さい頃聴いていたのがマイケル・ジャクソン。そして、よく聴くアーティスト(パフォーマンスの面で影響を受けているでしょうが)=ジャスティン・ティンバーレイク(←インシンクのひとですよね?)とアッシャー。。元フォルダーの三浦大知くんや、韓国の「ピ(RAIN)」さんも、同じようなことを言っていたような…(^_^;)。。ちなみに私がマイケルの「スリラー」を先輩に録って貰って聴いたのが19歳頃のことです…今のSE7ENさんたちの年齢とほぼ一緒(大知くんよりはちょっと上)でした…(^_^;)。
先日サッカーワールドカップアジア最終予選で、ジーコ率いる日本が出場権を獲得したあと、韓国も出場権を獲得しました。私としては、日本と韓国がともに出場できることを、素直に喜んでいます……サンフレッチェに盧廷潤さんがかつて在籍したことも大きいけれど、音楽の面でも双方交流があって親近感が持てたことも、大きいのかなぁと思います。
発言の主は、韓国からやってきた青年……HIPHOP-R&B(HIPHOPのバッキングにR&Bの旋律をのせるジャンルをこう呼ぶのだそうです…)の歌い手さんでした。
全国縦断のライヴツアーイベント等による過密スケジュールと過労のために、喉が腫れ、炎症を起こし、声帯結節が出来てしまったものの、日本側スタッフから提案された『リップシンク(=いわゆる「くちパク」のことですね)』を拒否(固辞)、ナマ歌を貫き通したのだそうです。
「SE7EN(セブン)」さん、本名チェ・ドンウクさん、二十歳。韓国でのデビューが’03年。日本でのデビューは今年2月。Do As Infinity長尾大さんのプロデュースによる2枚目のマキシシングル「style」を先月18日に出したばかり。その2ndシングル関連イベント開催中に起きた、アクシデントだったようです。
自分の容姿を見たいためだけの目的で、ファンの方がライヴにわざわざ足を運んでくださるものだろうか? (そうではないはずだ) 単に声が聴きたければいつでもCDで聴けるし、ダンスパフォーマンスや容姿が見たければMV(ミュージックビデオ)でいつでも見られる。ライヴ会場はあくまでも、自分が舞台にいるその時々の喜びを、来てくださった観客の方と共有する場所のはず。それは韓国だろうがどこ(の国)だろうが同じこと。リップシンクでは得られない何かが(ライヴでは)確実に存在する。。今までもリップシンクは一度もやっていないし、それをやってしまっては歌手ではなくなる。。
SE7ENさんが、悩んだ末に生歌を通した理由が、以上のようなことだったそうです。
心配なさっているファンの方々に向けては、御自身の韓国公式ホームページに事情をみずから書き込みされ、その後日本の公式ページにも、日本のファンの方へ向けて、日本語(ひらがな)で事情の書き込みを御自身がなさっていたそうです。
その後たまたま、その「SE7ENさん」が出ている音楽番組を見ました。まだあどけなく、屈託のない柔らかい笑顔を見せている、可愛らしい青年の姿と、Webで読んだ頑固な発言が、いまひとつ結びつかず、「この子がねぇ・・」と思いながら見ていたのですが・・。
SE7ENさんは、持ち時間1曲の間に、イタズラっぽい表情、勝ち気そうな表情、険しく苦しそうな表情などなど、めまぐるしくその表情を変えながらも、リップシンクという手段を選択することなく、精いっぱい、踊り、歌いきりました。柔らかくやさしい声質が時々かすれ、本調子でない喉でキーの高い曲に、平生よりとりづらい音程に、やや苦慮しているような感じもしました。
とはいえ、曲のエンディングで緊張が解かれたのでしょうか……ふっくらとした、柔らかい、満面の笑みを浮かべていました。まるで「どうにか歌いきることができたんだ」「これでよかったんだ」とでも言うような…。安堵感を伴った何ともいえない、いい顔をなさっていました。また、御自分の歌の出番でない時には、出番から戻ってきたほかの出演歌手の方々に対して、丁寧に会釈をしていらして(おつかれさまでした…というような意味合いで会釈なさっていたのだろうと思います)、礼儀正しい態度も印象に残りました。
芸事でプロとして活動している方々だって、生身の人間です。身体の好不調の波はある。全国各地をくまなく、100%均等に質の高い公演を見せようと思っても、体調が伴わないという場合は、往々にしてあるだろうと思います……私たちシロウトから見ても。ましてや、勝手のちがう異国で仕事をしている最中にアクシデントに見舞われるというのは、御本人さんにしてみれば、精神的にも苦しい場面だろうと思われます。
また、踊りながら歌う…特にHIPHOP系やR&B系で、バックダンサーさんたちと同様にハードなダンスをこなしながら歌うひとたちの体力の消耗というのは著しいでしょうし、歌の呼吸とダンスのグレードを並立させていくことそのものも、たやすくはなかろうと思います。
異国でのイベントだから、ホームグラウンドでの仕事ではないから、今後のことも考えて、喉を休めるためにリップシンクを使う選択肢も、SE7ENさんにはあったはずです。
日本でプロとして活動されている方々の中にも、シロウトの私から見ても「リップシンクだろうな」と思ってしまう(ごめんなさい)方々はいらっしゃいますしね…。
しかし、プロ歌手としての責務に対する自負と誇りから、あえてリップシンクをやらなかった。
感心させられました…真面目なのでしょうね。ちなみに、日本でCDデビューするにあたって、日本語を2年間弱学ばれたそうですが、通訳なしで、台本なしで、コミュニケーションがとれるレベルまで尽力なさっていたようです(…あぁ、神様ジーコに聞かせてやりたいよ…たまには会見で日本語しゃべってくれ~ジーコぉ~=笑)。
リップシンクって、「開けてはいけない箱」のような気がします。
私は芸事のお仕事に就いた経験がないので、プロとしての興行の大変さが分からないんですけれども(ごめんなさい)、個人的にはリップシンクを見る(聴く)のがあまり好きではありません…というか、リップシンクは嫌いです(^_^;)。理由は、まさにSE7ENさんがおっしゃっている内容と一緒。
…ですから、「もしど~しても、リップシンクやらんといけんのんじゃったら、あからさまにやらんでぇねぇ…あんまり分からん程度に、こっそりやってね」…という感じかなぁ。。
逆に、生身の状態で精いっぱい、正直に頑張ってくださるひとには、エールを送りたくなってしまいます…国籍なんて関係なしに…。SE7ENさんまだ二十歳…今後とも、その意志と意地を、プロとしての誇りと責任感と実直さを、ずっと貫いて頂ければなぁと思います。
韓日双方を往復しながら、双方で音源を制作していく都合上、どうしてもライヴなどの日程がハードになってしまうのかもしれませんが……過度に喉の負担がかからないような御配慮があればいいのかもしれませんよね。。
SE7ENさん…小さい頃聴いていたのがマイケル・ジャクソン。そして、よく聴くアーティスト(パフォーマンスの面で影響を受けているでしょうが)=ジャスティン・ティンバーレイク(←インシンクのひとですよね?)とアッシャー。。元フォルダーの三浦大知くんや、韓国の「ピ(RAIN)」さんも、同じようなことを言っていたような…(^_^;)。。ちなみに私がマイケルの「スリラー」を先輩に録って貰って聴いたのが19歳頃のことです…今のSE7ENさんたちの年齢とほぼ一緒(大知くんよりはちょっと上)でした…(^_^;)。
先日サッカーワールドカップアジア最終予選で、ジーコ率いる日本が出場権を獲得したあと、韓国も出場権を獲得しました。私としては、日本と韓国がともに出場できることを、素直に喜んでいます……サンフレッチェに盧廷潤さんがかつて在籍したことも大きいけれど、音楽の面でも双方交流があって親近感が持てたことも、大きいのかなぁと思います。