2006年4月11日(火)から5月21日(日)まで京都国立近代美術館にて開催中の「フンデルトヴァッサー展」へ行って来ました。
ウィーンにあるゴミ焼却場とか美術館なんかは有名で、彼を知らない人でも、(あ~。何かの雑誌で見たことあるなぁ。)と思うのではないでしょうか。
ゴミ焼却場
美術館
フンデルトヴァッサーは、1928年ウィーンに生まれ、画家・建築家・思想家として2000年、その生涯を閉じました。
彼の特徴は、鮮烈な色彩と曲線。「直線は私たちの文明を没落へと導く」という名言を残しているほど、直線を嫌い、建築さえも曲線で表現しました。
私たちの固定概念では、考えられない豊かな発想と創造性。鮮烈でありながらも調和した色彩が見るものを惹きつけます。
ルーブル美術館展のときは、性別・年齢問わず幅広い層の人たちが観覧に押し寄せました。私の大好きなシャガールも、その展覧会の際にはたくさんの人の隙間から覗かなければなりません。
今回の展覧会は、ひさしぶりにゆったり観覧できました。
訪れていた人たちも個性的な雰囲気のある人が多かったように思います。
鮮烈な色彩と渦巻く線を駆使する画家として、また人と自然との共存を訴え続けたエコロジストとして日本にもなじみの深い、オーストリアを代表する美術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(1928-2000)の業績を回顧する展覧会を開催します。
フンデルトヴァッサーは、アンフォルメル運動など第二次大戦後の美術が華やかに展開し始めた1950年代中頃から、視るものを幻惑する強烈な色彩と「生と死を象徴する」渦巻く流線を用い、画面の中で樹木も建物も人間も全てが同化し、渾然一体になる絵画世界を創造して大きな注目を集めました。
彼の芸術の根底にあったのはヨーロッパ近代の合理主義に対する鮮烈な批判であり、また自然回帰の願望であったと言えます。彼は早くも1958年にオーストリアとドイツ各地で「カビ草宣言・建築に於ける合理主義に対して」と題する講演を行い、また1968年にウィーンでの「アドルフ・ロースからの脱出」の講演によって現代の不毛な建築学からの決別を宣言しました。その後も彼は絵画制作と平行して、合理主義が生み出してきた現代社会の環境破壊の危機を訴え続けました。いま振り返れば彼のこうした活動は、1968年前後から世界各地で先鋭的な建築家やデザイナーたちが提起した近代建築や近代デザインに対する異議申し立てと共鳴関係にあり、1980年代のポストモダン論議の核となった理念を先取りした、きわめて実践的な直接行動であったと理解することができます。
本展は彼の製作活動を包括的に回顧すると同時に彼が生涯を通じて取り組んだ環境保護活動の側面と、人と自然との理想的な関係構築を目指した「建築」に焦点を当てます。彼が理想とした人と自然との共生と調和を雄弁に語る大型の建築模型、絵画、環境保護活動の過程で制作されたポスター、版画、タペストリーなど100点の作品により、美術を通じて自分の理想を実現しようと挑戦を続けてきた、美術家であり思想家であり実践家であったフンデルトヴァッサーを、いま再び考えてみることの意義は少なくありません。
(パンフレットより引用)
館内を順路にしたがって進むと、スクリーンに映し出された彼の映像に出会います。
彼の日常を撮影したもののようですが、その中でこんなことを言っていました。
「屋根の上に草を生やすなんて、常識では考えられないと非難される。だから絵の中に描くことにした。絵なら誰も非難しない」(表現は少し違うと思います)
ものをつくる人が必ず感じるフラストレーションのような気がします。
これほど有名な人でさえ、いくつものフラストレーションと戦ってきたのだと思うとなんとなく安心できました。
「常識」とか「非常識」、「普通」とか「変わっている」とか。そういうことって誰によって決められるのでしょうか。
彼の映像を長い間、眺めていると、私が一番好きな絵本「星の王子さま」の中に散りばめられたたくさんのフレーズと重なりはじめました。
これ、何に見えますか?
星の王子さまを読んだことのある人なら、答えは簡単です。
この物語は、まずここから始まるのです。
そして、私はこれにかなりの衝撃を受けました。
正解はこれ。↓
「ウワバミに飲み込まれたゾウ」です。
(絵が見つからなかったので、ネット販売されているぬいぐるみの画像を使用しています。)
私が星の王子さまに出会ったのは、小学4年生くらいの頃。
当時、十分子どもだった私も、本の中の王子さまのピュアでキラキラした表現にハッとさせられました。
なんとなく、これらと重なるものを感じたのです。
フンデルトヴァッサー展。
直線的で四角い大人の世界に疲れているあなた・・・。
彼の作品に癒されるかも知れません。
FUNDERT WASSERについて調べているとこんなサイトに出会いました。
彼の作品が好きな方、必見です!!!
http://home.s02.itscom.net/hyakusui/favorites/hw/t_index.html