いよいよ9月!
まだまだ残暑厳しい季節ですが、夏休み気分からBack to the Business となりますね。
私も今日は、京都・大阪日帰り出張です。
新幹線の中でメモ書きしました。
今朝は、『信頼』について考えてみたいと思います。
「心理的安全性」に満ち溢れた組織には、そこで仕事をしている方々の間で、『信頼』関係が存在します。
『信頼』とは、字のごとく、お互いを「信」じて「頼」る意識の問題ですが、もう少し詳しく因数分解してみると『信頼』の意味と、信頼「場」つくりの要素が見えてきます。
諸学説はありますが、一般的な理論に依ると『信頼』には、『認知的信頼』と『感情的信頼』に分類されるようです。
要は、仕事上で繋がっている関係性(打算的)をベースとした「Business Ttust」と、人間同士の心や意識といった心情で繋がっている関係性(情緒的)をベースとした「Emotional Trust」とも言えます。
政治・経済活動を円滑に執り行うには、互恵的な「認知的信頼」に基づく関係が基本となり(時として「感情的信頼」も混じりますが....) 、人間同士の社会活動では、「感情的信頼」を基本として「認知的信頼」を築いてゆくのが一般的です。
少し視点を変えて、組織社会で暮らす「人間の心理」から、「信頼」を考えてみましょう。
人間心理の特性の一つに「ホモフィリー」と「ヘテロフィリー」という概念があります。
ホモフィリーとは、FBやTwitter などのソーシャル・ネットワークの基盤をなす考え方でもあります。
要は、「人は、同じような属性を持った人とつながりやすい」という考え方。
「類は友を呼ぶ」とか「似た者同士」という格言にもあるように、同じ価値観や興味の対象が同じものを持つ人たちは、気が合いやすく、友達繋がりになりやすいものです。皆さんも経験があるのではないではないでしょうか。
人はそもそも心理的に同じ属性の相手に親近感を持ちやすいですし、属性が似ていれば同じことに興味を持つ可能性も高くなります。
一方、「ヘテロフィリー」とは、「ホモフィリー」が、相手と何かしら「共通した価値観」でつながっている関係であるのに対し「利害」でつながっている関係です。
組織を構成する社員、公務員、プロフェッショナル知識人(医師、弁護士、大学教授、コンサルタント等) 同士は、ある意味「ヘテロフィリー」の関係がベースにあり、その上で「ホモフィリー」の関係性を築いてゆく事が一般的です。
仕事で、自分(自社)に利益を与えてくれそうな相手やパートナーが現れれば、それまで親しく取引していた先には上手く理由をつけて、取引先を鞍替えする事はよくある事です。
仕事は、コマーシャルベースで動きますから、こうした「打算」はつきものです。
謂わば、『認知的信頼関係』といえるもの。
然し乍ら、組織内での人間関係に於いて、ヘテロフィー(認知的信頼)だけでの関係性が強く出すぎると、社員同士のコミュニケーション頻度にも影響が出、果ては、社員同士がいがみ合う最悪の事態になりかねません。
組織で働く人たちは、最初は「友達同士」で組織に入ってきたわけではありませんが、働く時間を経て「同僚」意識を待つようなり、ホモフィリー繋がり、つまり『感情的信頼』が構築できてゆけば、組織の「心理的安全性」やコミュニケーション力が高まってゆくことが期待出来ます。
『信頼』の場をプロデュースしてゆくのに必要な知識の一つです。
『認知的信頼』と『感情的信頼』をウエルバランスさせてゆく手法については、またの機会にお話しします^_^