毎週日曜日の東芝日曜劇場を楽しみに観ています。
夏のクールは、池井戸潤氏原作の「ノーサイドゲーム」! ラグビーワールドカップに合わせ(⁉︎)実業団ラグビーチームの物語です。
大泉洋が総務部長兼GMの役!
トキワ自動車 本社経営戦略室の「優秀」なエリートであった君嶋隼人が「信念」を組織にぶつけて、組織の思惑から「左遷」されるところから物語が始まります。
本社経営戦略室から「工場の総務部長」とラグビー部監督に「左遷」されるという設定!
世間一般的な感覚なのでしょうね。
本社経営戦略室は出世街道!
現場総務部長は「左遷」....の意識。
日本社会の「大企業ヒエラルキー組織」特有の「井の中 権力闘争劇」を池井戸氏は「サラリーマン人間模様のエゴと欲」の視点から描きだすのを得意とされています。
半沢直樹然りです。
大組織でエリートとされる職務は「経営企画・戦略部」「秘書室」「人事部」「広報部」..「営業部門」「マーケティング部門」「開発部門」や「新規事業企画部門」...
また、管理部門の中でも「経理・財務部」は会計士や税理士の専門分野と見られますし、「知的財産・法務部」は、弁護士や弁理士の法律家の専門分野と見られるので、そこで働く人たちの、組織内ステータスは一目置かれる「専門家」の立場にあります。
一方、「総務部」や「庶務部門」、「営繕・施設管理部門」「情報システム部門」といった組織のインフラを支える部門は、「コストセンター」と見做される事が多く、「価値創造」の貢献には寄与していないかと如く認識されていたりします。
それでもまだ、情報システム部門は、IT専門分野のエンジニアとしてのリスペクトもありますし、Chief Information Officer(CIO)などのC職が設けられる戦略経営部門の一つでもあります。
しかし、「総務部門」はどの組織にも属さない、その他の「総」てを「務」める萬屋部門として、誰でもできる定型仕事や受身仕事ををする部門と認識されており、大手組織の中で「総務部長」は、役員登用の候補になりにくいポジションだったりします。
「ノーサイドゲーム」の設定にある、本社経営戦略のエリートが(「左遷」されて)工場の総務部長になり、いっときの「腐り」を乗り越えて、覚悟を持って現場の空気に馴染んでくると、ラグビー部活動の『意味』と『意義』を理解し、非金銭的「価値創造」してゆくようになります。
本当の意味での地域との交流や社会活動と社会貢献。
本来の意義でのCSR(企業の社会的責任)を「組織の血液」として循環させ始める「優秀」さは、社会人スポーツが果たす意味と、ファンやサポーターの心のワクワク価値、つまり「幸福価値」を創造してゆく『コーポレートブランディング』には繋がってゆきます。
「ノーサイドゲーム」では、トキワ自動車のラグビー部年間予算は14億円!とされています。この14億円を「無駄なコスト」とする、社長の座を狙う出世命の「常務」!
ヒエラルキー社会では、ある意味当たり前の構図かもしれませんが、自分自身の「欲」をエゴイスティックに振りかざす前に、「社会善」を意識し、金銭価値では評価し得ない「社会愛」が持つ社会価値と、そこから生まれる「社会信用」のブランド価値が、どれほどの企業価値を高めてゆけるのかを、「アントレプレナー経営者」は知っています。
然し乍ら、この物語では「サラリーマン社長」を虎視眈々と狙う「欲」とエゴに染まっている常務は、目に見える金銭的手柄に執着する姿が描かれています。
何事もコスト!コスト!コスト!企業の存在意義は金儲けにあり!
ではありません。
金銭資本主義の社会で「金儲け」に繋がる戦略や実践に長けている人が「評価」され、組織内で『権謀術数』を巡らして出世街道を走ってゆく「偉い人たち」がつくり出す組織には「人間愛」の欠如!を感じる事があります。
企業等組織のミッションは「幸福社会創造」にあるはず。
企業スポーツに人生をかけているアスリートたちは、コーポレート・ブランド価値を高め、社会に勇気と希望を与えられる人財です。
「ノーサイドゲーム」制作スタッフの想いや社会メッセージを感じながら、9/15の最終回を楽しみにしています^_^