大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

旅先で出会ったひと

2009-06-01 17:26:56 | 日記
 去年の2月頃、約10年ぶりに会津若松の東山温泉を訪れました。賑やかだった温泉街は、すっかり閑散としていて華やかだった昔の面影はほとんどかいま見ることもできなかったのです。夜、たまたま姫千代さんという方と知り合い、一緒にカラオケを楽しみ、常日頃の研鑽の賜物である芸を披露していただきました。その後姫千代さんとは何度かメールで近況の報告を取り合っていました。それから、しばらくしてちょっとだけ音信不通になっていて、気にはなっていたのですが、今年の春になって東京新聞の紙面を眺めていたら、どこかで見た顔が大きく新聞に掲載され、新橋のニューフェイスとして、姫千代さんが好意的に紹介されていました。あの時の彼女でした。いつのまにか、新橋花街に身を置く、つまり大きく出世したということですね。花の都東京で彼女が芸事に精進することができるようになるなんてほんとにすごいなと感心しました。そうこうしているうちに、春先突然彼女から電話があり、会津から東京にでてくる経緯をかいつまんで話してくださいました。 。。。そうなんだ。
 ちょうど去年の今頃『東をどり』を2回ほど堪能していたので今年も観劇したいなと思っていたところに、彼女が『第85回 東をどり』で芸を披露するという知らせが届きました。もちろんチケット同封で。『東をどり』名物の『お好み 春夏秋冬』という番組のなかで”第四景 銀座懐古”に出演するということでした。
 楽しみにしていた『東をどり』をちょっと曇った小雨の降る日、麗人Xさんを連れ立って、思いっきり楽しんできました。会津の姫千代さんは新橋花街ではまだ半玉で『?』という芸名です。でも将来性がある、と私はふみました。理由は光に包まれている、というと大袈裟だと思われるかもしれませんが、一年数ヶ月ぶりでお会いして、いつのまにか都会的に洗練されていると私は率直に感じたんですよね。良かったね。半玉『?』ちゃん!悪い意味じゃなくて当たり前のことですけど、新橋の花街で生きていると、極自然に磨き上げられ、都会色に染め上げられますよね。花街に身を置く女性達は朝から晩まで日々研鑽し、厳しい芸事の達人として刻苦勉励するわけです。
 舞踏家で武原はんさんという方が

                         着ぶくれてほどよき舞の姿かな
                         冴え返るきびしき芸の道に老ゆ
                           風花に淡き命の舞の友

という俳句をほととぎすの同人として、『武原はん一代句集』(武原はん舞踏研究所)のなかで披露しておりますが関西独特の地唄舞と同様、新橋の芸者衆の芸というのも歴史と伝統のあるお江戸の古き良き時代の『良質の精神』というか『心のかたち』みたいなものを絶やさずに今日まで守り抜いているということは奇跡に近いんじゃないかなとぼんやり思うのです。昨今のちょっとせわしないスピード重視の世の中ですが、芸事はジャンルを問わずに大切な日本人の無形遺産というか文化遺産ですので、大きな使命感と大局的な見地から物心両面にわたってできるところで応援したいなと自分は思っています。(去年舞台でひときわ輝いていたさくらさんが今年は出演していませんでした。だれか所在を教えてくれませんか?)
                    

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1 コメント

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はじめまして ()
2009-08-25 13:24:06
検索でこの記事と出会いました。
新橋でのお名前は「君二郎」さんだそうです。
人脈こそが芸妓の勲章
先生のような立派な方との出会いは、きっと彼女の生き方を大きくしたのでしょう。
これから、新橋というトップの花柳界で頑張ってほしいと思うばかりです
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