こんにちは。堺市西区上野芝にある学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。
大阪での公立高校の受験の仕方は、以前はいくつかの学区に分かれており自分の住んでいる学区内から高校を選ばないといけませんでしたが、現在は学区がなくなり府内全域から自由に受験する高校を選ぶことができます。
しかし、小中学校は選択の余地がなく住んでいる場所で強制的に通う学校が決まってしまいます。地域によって学校もずいぶんと雰囲気なども異なりますので、どうしてもその校区の学校には行きたくないという子どもが出てきます。
私も以前のプログで書きましたように、私の通ってた中学校は悪い意味で有名な学校でして、とにかく行くのが嫌でした。親に別の学校に行かせてくれとお願いしましたが、あっさりと断られ仕方なく通ってましたが、私の人生の中でもあの3年間は暗黒時代で、二度と戻りたくないです。
現在もこの中学校だけでなく、荒れた中学校や評判のよくない中学校はありますので、そういう校区に住んでいる子どもやその保護者は、別の中学校への進学を考えます。公立中学校は、校区が決まっているため他の公立中学校に行くのは困難ですから、自動的に選択肢は私立中学校ということになります。
20〜30年ほど前は、私立中学校といえばいわゆる進学校ばかりで学力が非常に高い子どもが行くところでしたが、現在はそうでもなく比較的楽に合格するできる学校も増えてきました。学力的なハードルが下がっていますので、荒れている公立中学校は嫌だから、私立にしようという選択はしやすい環境になりました。
しかし、ここで本当に気をつけていただきたいことがあります。それは、一昔前の私立だったら安心という時代はとっくに終わっているということです。そこらの公立中学校よりも、もっと荒れている私立中学校もありますし、勉強面でも公立中学校よりもフォローが少ない学校もたくさんあります。
近年では中高一貫の学校も増え、1つの学校でも複数のコースに分かれているところが多いです。少子化を迎え、塾と同じく私立学校も生徒を少しでも多く集めるために子どもたちや保護者の方に好まれる宣伝をします。その多くは、「〇〇大学(高校)に合格者が〇人」という進学実績を掲げています。それ自体は決して悪いことではなく、もちろんそういう実績があるのですから自分が志望する大学(高校)に合格者をたくさんだしている学校に進学したいと思うのは当たり前です。ただ、合格実績に関していうと、そういった宣伝になっているような大学(高校)に合格者をだしているのは、一番上のコースの生徒なんです。一番下のコースに行ってもそのような大学(高校)にはまず合格できません。
「そんなことわかってるよ。でも私立の方が勉強をきちんとみてくれるから」という意見もあるでしょう。もちろん、すべてのコースの生徒さんに対してしっかり指導されている私立の学校はたくさんありますが、そうではない学校があるのも事実です。
たとえば私立中学校の授業に対してどのようなイメージを持っておられるでしょうか? 「授業の進度が速い」「難しいテキストを使用している」「受験に必要のない授業は少なく、合理的なカリキュラム」といったイメージではないでしょうか。結論を言えばそのイメージ通りなのです。ですから、バリバリ勉強していわゆる有名大学を目指す生徒にとっては、公立中学校でちまちま勉強するよりは圧倒的に効率がいいし、環境も整っています。ですがそうではなく、学力的にもだいたい平均ほどの生徒にとってはどうでしょうか。コースによって使用するテキストの難易度や宿題の量の差は当然ありますが、それでもその生徒の学力に合った授業の進み方で、レベルに合ったテキストを使用しているとは言い難いです。また中高一貫のため、公立中学校の子どものように高校受験を必要とされないところも多いため、自動的に勉強する時間は減り、高校に進学する時期には公立組に学力的にも逆転されているケースが目立ちます。
一方、上の進学コースの生徒たちであっても、小学校から中学受験勉強をし続けているため、途中で勉強がしんどくなったり、少し休憩したくなる生徒もでてきます。それほど授業がとてつもなく進むのが速かったり、与えられる課題の量が多いのです。それでも全くしんどくならずに、逆に燃えてきて勉強を頑張れる生徒はいいのですがそうではない生徒もでてきます。自動的にそういう生徒は下のコースに移動させられ、あまり期待されない立場になってしまうのです。実力のある者だけが生き残るとても厳しい世界で、自らその道を選んだとはいえ、その選択をしたのはまだ12歳やそこらの子どもなんですよね。狭い狭い世界でたった10年ほどしか生きていない経験の中で選んだわけですから、途中で「これは自分のしたいことではない」「このままこの道に進むのはいやだ」と思ったりするのはとても自然です。
問題は私立中学校の姿勢にあるのではなく、私たち選択する側が慎重に考えなくてはならないことと、学校制度を見直さなければならないことだと思います。私立なら安心だという安易な考えで選んではいけないです。どういった教育方針で、どのような環境で生活し、子どもに合ってるかどうかをしっかり確認して選ぶ必要があります。なぜなら、途中でこの学校は自分に合わないと思ってもなかなか別の学校に変わることは難しからです。私立中学校を辞めて、校区の公立中学校に通い直すというのは、子どもにとってはとても厳しいハードルです。公立中学校にいかずに私立受験をしてる子どもにはプライドもあるでしょうし、周囲の目もあるでしょう。友だちにからかわれたりすることもあるかもしれません。子どもにそのような思いをさせないように事前にいろいろな角度から検討しなければなりません。
また、やはり公立中学校の校区をなくすべきだと思います。中学校を住んでいる場所だけで決めるなんて、デメリットが多すぎます。子どもたちの選択の幅が広がるだけでなく、公立中学校にも今以上に緊張感が出てきて、もっともっと環境をよくしようという努力をするようになり、よりよい学校になっていくのではないでしょうか。各学校に個性がでてきて、子どもたちは自分に合った学校を選びやすくなる。義務教育を続けるのならこれくらいの改革は必要なのではないでしょうか。
ONE-SのHP
大阪での公立高校の受験の仕方は、以前はいくつかの学区に分かれており自分の住んでいる学区内から高校を選ばないといけませんでしたが、現在は学区がなくなり府内全域から自由に受験する高校を選ぶことができます。
しかし、小中学校は選択の余地がなく住んでいる場所で強制的に通う学校が決まってしまいます。地域によって学校もずいぶんと雰囲気なども異なりますので、どうしてもその校区の学校には行きたくないという子どもが出てきます。
私も以前のプログで書きましたように、私の通ってた中学校は悪い意味で有名な学校でして、とにかく行くのが嫌でした。親に別の学校に行かせてくれとお願いしましたが、あっさりと断られ仕方なく通ってましたが、私の人生の中でもあの3年間は暗黒時代で、二度と戻りたくないです。
現在もこの中学校だけでなく、荒れた中学校や評判のよくない中学校はありますので、そういう校区に住んでいる子どもやその保護者は、別の中学校への進学を考えます。公立中学校は、校区が決まっているため他の公立中学校に行くのは困難ですから、自動的に選択肢は私立中学校ということになります。
20〜30年ほど前は、私立中学校といえばいわゆる進学校ばかりで学力が非常に高い子どもが行くところでしたが、現在はそうでもなく比較的楽に合格するできる学校も増えてきました。学力的なハードルが下がっていますので、荒れている公立中学校は嫌だから、私立にしようという選択はしやすい環境になりました。
しかし、ここで本当に気をつけていただきたいことがあります。それは、一昔前の私立だったら安心という時代はとっくに終わっているということです。そこらの公立中学校よりも、もっと荒れている私立中学校もありますし、勉強面でも公立中学校よりもフォローが少ない学校もたくさんあります。
近年では中高一貫の学校も増え、1つの学校でも複数のコースに分かれているところが多いです。少子化を迎え、塾と同じく私立学校も生徒を少しでも多く集めるために子どもたちや保護者の方に好まれる宣伝をします。その多くは、「〇〇大学(高校)に合格者が〇人」という進学実績を掲げています。それ自体は決して悪いことではなく、もちろんそういう実績があるのですから自分が志望する大学(高校)に合格者をたくさんだしている学校に進学したいと思うのは当たり前です。ただ、合格実績に関していうと、そういった宣伝になっているような大学(高校)に合格者をだしているのは、一番上のコースの生徒なんです。一番下のコースに行ってもそのような大学(高校)にはまず合格できません。
「そんなことわかってるよ。でも私立の方が勉強をきちんとみてくれるから」という意見もあるでしょう。もちろん、すべてのコースの生徒さんに対してしっかり指導されている私立の学校はたくさんありますが、そうではない学校があるのも事実です。
たとえば私立中学校の授業に対してどのようなイメージを持っておられるでしょうか? 「授業の進度が速い」「難しいテキストを使用している」「受験に必要のない授業は少なく、合理的なカリキュラム」といったイメージではないでしょうか。結論を言えばそのイメージ通りなのです。ですから、バリバリ勉強していわゆる有名大学を目指す生徒にとっては、公立中学校でちまちま勉強するよりは圧倒的に効率がいいし、環境も整っています。ですがそうではなく、学力的にもだいたい平均ほどの生徒にとってはどうでしょうか。コースによって使用するテキストの難易度や宿題の量の差は当然ありますが、それでもその生徒の学力に合った授業の進み方で、レベルに合ったテキストを使用しているとは言い難いです。また中高一貫のため、公立中学校の子どものように高校受験を必要とされないところも多いため、自動的に勉強する時間は減り、高校に進学する時期には公立組に学力的にも逆転されているケースが目立ちます。
一方、上の進学コースの生徒たちであっても、小学校から中学受験勉強をし続けているため、途中で勉強がしんどくなったり、少し休憩したくなる生徒もでてきます。それほど授業がとてつもなく進むのが速かったり、与えられる課題の量が多いのです。それでも全くしんどくならずに、逆に燃えてきて勉強を頑張れる生徒はいいのですがそうではない生徒もでてきます。自動的にそういう生徒は下のコースに移動させられ、あまり期待されない立場になってしまうのです。実力のある者だけが生き残るとても厳しい世界で、自らその道を選んだとはいえ、その選択をしたのはまだ12歳やそこらの子どもなんですよね。狭い狭い世界でたった10年ほどしか生きていない経験の中で選んだわけですから、途中で「これは自分のしたいことではない」「このままこの道に進むのはいやだ」と思ったりするのはとても自然です。
問題は私立中学校の姿勢にあるのではなく、私たち選択する側が慎重に考えなくてはならないことと、学校制度を見直さなければならないことだと思います。私立なら安心だという安易な考えで選んではいけないです。どういった教育方針で、どのような環境で生活し、子どもに合ってるかどうかをしっかり確認して選ぶ必要があります。なぜなら、途中でこの学校は自分に合わないと思ってもなかなか別の学校に変わることは難しからです。私立中学校を辞めて、校区の公立中学校に通い直すというのは、子どもにとってはとても厳しいハードルです。公立中学校にいかずに私立受験をしてる子どもにはプライドもあるでしょうし、周囲の目もあるでしょう。友だちにからかわれたりすることもあるかもしれません。子どもにそのような思いをさせないように事前にいろいろな角度から検討しなければなりません。
また、やはり公立中学校の校区をなくすべきだと思います。中学校を住んでいる場所だけで決めるなんて、デメリットが多すぎます。子どもたちの選択の幅が広がるだけでなく、公立中学校にも今以上に緊張感が出てきて、もっともっと環境をよくしようという努力をするようになり、よりよい学校になっていくのではないでしょうか。各学校に個性がでてきて、子どもたちは自分に合った学校を選びやすくなる。義務教育を続けるのならこれくらいの改革は必要なのではないでしょうか。
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