個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

「内申点下げるぞー」  「はあ?」

2018-06-05 10:37:11 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

みなさんは、学生時代に先生から言われて腹が立ったり、傷ついたりしたことはありますか?

私は執念深いので(笑)、たくさん覚えています。強烈だったのは中学生の時に「お前はテストの点数はいいかもしれんけど、性格がちょっとな」と言われたことがあります。「あんたは俺の何を知ってるねん!」とめっちゃ腹が立ちましたが何か言い返すことができるほど強くなかったですし、先生がそう思っていたのはなんとなくわかっていましたし、その原因も自分ではわかっていました。

中学校はここでも何度か書いているように、ヤンキーがたくさんいました。私はそれももちろん嫌でしたが、もっと嫌だったのは先生の態度なんです。ヤンキーには先生もペコペコして、何を言われてもヘラヘラしているくせに、私のような普通の何も言い返せないような生徒に対しては、とても高圧的で、ときには暴力をふるってきたときもありました(もちろん全員ではなく一部の先生ですが)。ヤンキーがいくら騒いでも注意しないくせに、朝礼の時に私が後ろを向いて友だちと話しているだけで、突然みぞおちにグーパンチしてきた先生もいました。不意を突かれた私は呼吸ができなくなり、その場にうずくまってしまいました。それを見たヤンキーの数人がその先生に詰め寄り「おい!何をしたってんねん!」と怒ってくれたんですが、そう言われた先生は急に態度を変え「松下、いけるか?ごめんな」と言ってきました。

「いけるわけあるかー!」「そもそも、その態度の変わり様はなんやねん!なんでお前みたいなもんが教師やっとるねん!」殴られたことよりも、先生の態度の急変ぶりに怒りが最高潮に達しました。その頃から、私は教師という人たちを尊敬できなくなり、逆にどこか見下していた部分があったと思います。そんな私の気持ちに先生たちも気づいていたのでしょう、三者懇談などでもあまりいい言葉をかけてくれなくなりました。よく言われたのは「松下君は先生によって態度を変えるんです」。

「ああ、そうだよ。おもいっきり先生によって態度を変えてたよ。でもそれは、そっちが先だからな。先生たちが生徒によって異なる接し方をするんだから、こっちもそうさせてもらって当然やろ!」

とまあこんな感じで、先生との間に信頼関係のようなものは少しもなく、こうなってしまっては修復は難しいですね。この状態のまま中学校を卒業し、高校に入学しましたので高校でも同じように先生に対してはネガティブなイメージしか持てなく、「先生=敵」に近いものがありました。

今となっては、当時の先生たちの指導の仕方や発言も理解できるところはありますし、やはりあの異様な中学校では先生方もいっぱいいっぱいの状態で大変だったでしょう。ですが、だからといって言っていいことと悪いこと、そして教育の本質を逸脱してしまってはいけないと思います。

最近でもある中学校で、生徒が授業中に騒がしかったり、寝ていたり、あるいは遅刻したりすると、すぐに「内申点下げるぞー」という先生がいます。もちろん先生は注意したり怒ったりしていいのですが、この言い方はどうでしょうか。内申点というものを盾にして生徒をコントロールしようとしているわけですよね。教育の方法として正しいのか、あるいは他に方法はないのか。

そもそもこの方法では生徒たちのコントロールはできません。なぜなら、内申点を特に意識しているのは府内でもトップクラスの公立高校を受験しようとしている生徒、いわゆる優等生です。彼らは1点でも高い内申点を必要としているので、そのやり方の良し悪しは置いといて、ある程度先生の言うことをきくようになるでしょう。ですが、そうではない生徒も数多くいますし、特に私立高校専願で受験する生徒は内申点はさほど必要ではありませんし、スポーツ推薦などで進学する生徒も同様にほぼ必要ありません。そんな生徒に対して「言うこときかなかったら内申点下げるぞー」という脅しは通用せず「はあ?別にかまへんよ」と言われるだけで何も改善されません。

そうなると内申点が必要な生徒たちは「周りはさわいでいるのに、なんで自分だけが」という気持ちになるでしょうし、内申点が必要のない生徒たちからは「あの先生、なんか根性汚いよな」と思われてしまい、信頼関係を築くどころか、逆に私の学生時代と同様に敵対してしまいます。生徒たちをコントロールもできないし、生徒たちからも信頼されないという悪手ですね。

つまりは、先生に必要なことは自分に都合いいことを優先するのではなく、どれだけ子どものことを真剣に考えてあげているのか、どれほど子どもたちと向き合えているのかが教育には最も必要なことではないかと私は思います。それは大変なことでしょう。1クラス40人ほどの生徒がいるわけですから。自分のやりやすいように型にはめていくのが楽でしょう。でもそれは教育ではありません。人数が多すぎて不可能なら、根本的に学校制度を見直せばいいんです。子供が成長していく中で、小学校の6年間、中学校の3年間のこの義務教育の9年間がどれほど大切か、それをもっと自覚しなければなりません。

私が1つだけ中学校の先生に教えてもらったことがあるとしたら、「生徒とは真正面から向き合わないと教育なんでできない」ということかもしれません。20年前に塾を始めたとき、しゃべりや教え方は下手かもしれないし、優秀な先生にはなれないかもしれない。でも、自分のところに来てくれた生徒たちから逃げずちゃんと向き合い、塾に来てくれている間の成績のことだけではなく、卒業してからの人生や将来のことなども一生懸命考え、必要なときにはきちんと怒り、そんな先生になろうと思いました。まだまだ理想からは程遠く、日々勉強していかなければなりませんが、少しでも生徒たち、そして保護者の方たちとの信頼関係が築けるようにと思っております。

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