今日も地球は周ってる

管理人の趣味や日々のことを徒然に。宇宙戦艦ヤマト好きーが現在進行形。時々、六神合体ゴッドマーズ。ALの右オタも兼務

BROTHER

2010-04-25 14:49:42 | ヤマトSS
サイトに掲載していなかったのですが、こっそり書き貯めておいたSSを掲載します。
先日来、古代兄弟萌えが留まるところを知らず状態ですので、その勢いでww
勢いでUPしますので、タイトルは仮です。そのうち変わるかもしれません。

雪の目で見た古代兄弟の再会です。

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「兄さん!!」
「進じゃないかっ!!」

隣にいた古代くんが部屋の中へ駆け込む。
え?スターシアさんが仰っていた地球の人って、古代くんのお兄さん?
私はちょっと混乱してしまった。

部屋の中でベッドに横たわっていた人は大きく手を広げ、そして、古代くんを抱きしめた。

「生きていたんだね、兄さん、兄さん!!」

お兄さんに抱きついたまま、古代くんは声を上げて泣いている。

こんな古代くん、初めて見るわ。
だって、ヤマトの中では戦闘班長として、艦長代理としていつも自分を律していたもの。
泣いている古代くんを見るのは初めて。
タイタンでゆきかぜを見つけた時、あの時は肩を落としていたけど、でも、泣いてはいなかった。
多分、泣くことができなかった…。
その辛かった思い、寂しさを募らせていた気持ちを、今、お兄さんにぶつけているのね。

古代くんはお兄さんの腕の中でしゃくりあげている。
いつもは大きく見える古代くんの背中が、今は何だか小さくて頼りなげに見えてしまう。
今だけ、古代くんはヤマトの古代じゃないのね。
お兄さんの小さな弟なのね。

お兄さんの大きな手が、抱きしめたままの古代くんの髪を何度も撫でている。
とても優しく、ゆっくりと。
どれほどお兄さんが古代くんのことを愛おしく、大切に思っているか、私にまで伝わってくるほど。

良かったわね、古代君。死んでいたと思っていたお兄さんとこうやって会えたんですもの。
こんなに古代くんが嬉しそうで。本当に良かった…。

古代くんの髪を撫でていたお兄さんの手が止まり、古代くんの頬に手を添えて古代くんの顔を自分の方に向けた。
お兄さんの手が古代くんの頬を…涙を拭った。

「進…偉かったな。よく、ここまで来たな…」

震えるお兄さんの声は、独りで遠くまで来た小さな弟を誉めているようだった。
古代くんはお兄さんの言葉に何度も頷く。
何か言おうとしているけど、言葉が出てこないみたいで、古代くんは頷くばかりだった。

このまま2人をそっとしておいてあげよう、そう思った時、スターシアさんが突然身を翻して部屋の前から立ち去った。
何か思いつめた表情をしている?
私もスターシアさんに引かれるように、兄弟の前から離れた。


スターシアさんと私は、別の部屋で2人きりで話しをした。
守さんに対するスターシアさんの切ない想いが私の胸を締め付けた。
なんて静かで、なんて激しい。なんて気高い。


言葉が途切れた時、部屋の入り口に人の気配がした。

「雪、待たせてすまない。ヤマトに帰ろう。
 ゆきかぜの生存者を沖田艦長に報告しなきゃいけない。」

泣き腫らした顔はそっぽを向いて、それでも口調だけはいつも通りの古代くんが立っていた。
お兄さんに抱きついて泣いていたのを私に見られちゃったから恥ずかしいんだ、きっと。
ふふふ。本当にちっちゃな男の子みたいね。

私は古代くんに駆け寄ってハンカチを手渡した。
だって、まだ涙の痕だらけなんですもの。
え?っていう顔をする古代くん。
自分がどんな顔をしているのか全然判ってないのね。

「おめめが真っ赤なウサギさん、そのままヤマトに帰ったらワニさん達に苛められちゃいますよ♪」
「え?あ?うそ!? 俺、目、赤い?」

ほら、気付いてなかったんだ。
私は大きく首を縦に振る。
ホントは目が赤いだけじゃなくて、顔もちょっと腫れてるんだけど。

「このままヤマトに帰って、第一艦橋の連中に見られたら何を言われるか判んねーな。
 雪、もう少し時間をおいてから帰ろう。」

と、溜息をついた古代くん、涙の痕を拭ったハンカチを私に返すと、背筋を伸ばしてスターシアさんに近づいた。

「スターシアさん、兄さんを…いえ、私達地球人の仲間を救助して戴いて本当にありがとうございました。
 ヤマト艦長代理として心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」

古代くんがスターシアさんに深々と頭を下げた。
私も慌てて古代くんに倣って頭を下げる。
古代くんは本当に長い時間頭を下げていた。
地球人としての感謝の気持ちは勿論、守さんの弟としての気持ちも込められていたに違いない。
スターシアさんは小さく微笑むと、古代くんの肩にそっと手を置いた。


それから私達は、気持ちの良いテラスで休ませてもらった。
スターシアさんは何か用事があるとかですぐに席を外したので、古代くんとしばらく2人きりで。
守さんのこと、古代くんの子供の頃のこと、古代くんは私にポツリポツリと話をしてくれた。
その話からも古代くんがどれほど守さんを慕っているか、守さんがどれほど古代くんを可愛がっていたかが窺える。
兄弟と言っても10歳も年齢が違うと、親子のようだとも思った。
そんな兄弟の姿が、一人っ子の私にはちょっと羨ましくもあったけど。

ようやく古代くん(の顔)が落ち着いたところで、私達はヤマトに戻った。
沖田艦長も涙を流さんばかりに喜んでいらっしゃった。
守さんが撤退する沖田艦長の盾になっていなかったら、沖田艦長の艦も沈んでいたかもしれなかったらしい。
万が一そんなことになっていたら、地球は今頃……。

古代くんの手を握り締めた沖田艦長の手は、いつまでも古代くんの手を包み込んでいた。

明日、守さんがヤマトへ…沖田艦長に挨拶にいらっしゃる。
きっとヤマト中がお祭り騒ぎになるのでしょうね。
なにせ、泣き虫(笑)艦長代理とそのお兄さんの奇跡的な再会だったんですもの。



2日後、ヤマトは地球に向けてイスカンダルを発つ。
コスモクリーナーと、私達の希望を載せて。

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古代兄弟の再会を目にしたのが雪とスターシャだけですので、客観的に見るにはどちらかの目を借りるしかなくて…
で、雪の目を借りてみました。

このシーン、とても好きです。
TV版もPS版も大好きです。
守兄さんが大きく両手を開いたところに飛び込む古代くん。
その姿に、見ているこちらも胸が熱くなったものです。
ヤマトの戦闘班長・艦長代理としての古代くんと、弟の古代くんのギャップがまた良いのですけども。

うん。弟な主人公というのは美味しいですね( ̄▽ ̄)


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2 コメント

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弟な主人公萌え (kiko)
2011-11-12 22:32:19
こんばんは。はじめまして。
「ヤマト」を検索してネットサーフィンをしておりましたら、こちらのブログにたどり着きました。

守・進兄弟いいですね~。
まあツッコんでみれば、古代兄弟は2人そろって未来のヨメの前で何やっとるんじゃ!ということになりますが、進くんにしてみれば、もう素で甘えられる相手でしょうし、守さんにしてみれば、真田さんとかの手にも落ちず無垢のままの弟が腕に飛び込んで来てくれて喜びいっぱいでしょうし。(私もつける薬がない人種

戦闘班長・艦長代理としての古代進と、守の弟としての古代進のギャップを知る雪の立場は美味しすぎます。この人のこんなかわいい側面を知っているのは私だけ、ってとこですよね。

そしてこの兄弟をこのままくっつけておいたらキケンな世界に行ってしまいそうなので、スターシアさんと共謀して、一人ずつ引き受けたということでしょう。
…なんて、脳内捏造してしまいました。

4月23日付けの兄弟体格比較もごちそうさまです。
楽しい話題をありがとうございました。2010年の記事に今さらどうかと思ったのですが、あえてこちらにコメントさせていただきました。
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ようこそ (koo)
2011-11-13 23:08:56
kikoさん
はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
そして、コメントありがとうございます!

古代兄弟。
ええ、なんて美味しいのでしょう(笑)
鬼の艦長代理も、守兄さんの前ではただの甘えん坊な弟。
「新たなる旅立ち」の時も、ブラコン電波がびしばし出ていましたね。

>この兄弟をこのままくっつけておいたらキケンな世界に行ってしまいそうなので
うふふ。ここから先は脳内で…(苦笑)

気の向くままに好き勝手にヤマトや古代くんのことを呟いているブログでございますが、お暇な時にでも、またお立ち寄り下さい。
いつでもお待ちしております(^^)
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