ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

え~~。落語?。

2010-01-28 17:39:42 | 好きなもの
 先日の会議で提案がありました。
 「奈半利で落語を聴きたいがやけんど。」

 ご縁があって、落語家さんが高知へ来ることになっていることから、こちらでも落語会を開かないかなといった提案が在りました。

 もう何年も前、東京末広亭で聞いて以来の「落語」です。
 おみえになるのは二つ目さんだそうですが、ここで聞けるのですから、何となくいい感じで楽しみです。

 ただ場所ですねえ。
 あまり赤字になっても困るし、場所のイメージもあるしね。
 出来れば、私は工場跡地だとか古民家でやりたいね。
 ホテルでやるのが、一番簡単に出来るのでしょう。ステージはあるしPAも完備しているのです。あとで宴会をやるのにも便利です。ただ、それだと私達の会が開催する意味がないように思えるのです。私たちはイベントを開催するのですが、イベント屋さんではありません。何かをするために手段としてイベントをやっているのです。

 私達の会は原則的に、古い民家等の案内を通して、地域のよさを伝えることを目的として組織されていることから、そうした場所での開催が望ましいことと考えています。

 ギャラを捻出するためだけだと、大きな会場でやればいいし、それだと田野町のホールを借りることがベストとなります。安いチケットにもなりますね。
 自分達が楽しむだけだと、古民家で座布団に座る形で開催すると、贅沢な落語の会になりますが、人数の制限があり、チケットが高くなるのです。

 落語等演芸の世界は、田舎ではあまりご縁のない演目だけに興味もありますが、さてねどうしたものか。
 ただ会議としては、「やる。」事を前提にして、いかにやるのかを考えるのですから、楽しみが増してくるのでしょう。時間の経過とともにね。

 1時間のお話で、1000円の木戸銭といったところか。
 二つ目さんですし、一人です。
 田舎で好きな人も少ないから高くなって当たり前とは思いたくないのです。
 

孝行息子です。

2010-01-28 01:00:00 | 高知県東部人物列伝
 北川信従(きたがわ・のぶより)の日がきました。このカテゴリーで以前紹介した北川武平次の次男です。万延元年(1860年)生まれです。父から厳格に育てられたのです。自らの信じるところを思うままに生きた俊英です。
 本当にこの時代、人材が豊富なのです。

 苦学をして明治12年(1879年)陸軍士官学校を受験するも、数学を全くやらずにいたことで、失敗。司法省法律学校を受験して合格。彼の人生が決まったのです。

 和歌山県始審裁判所詰から検事を各地で歴任するのです。
 彼の逸話があります。
 彼が官史になったころのことです。久方ぶりに郷里の北川に帰ったとき、土産に座布団5枚一組を求め木綿の夏衣を着ていたのです。父母は喜んで鮎やうなぎでもてなし、「我が家にも初めて立派な座布団が出来た。」と喜んだそうな。

 検事として大阪・松山・広島を歴任し、さらに台湾総督府検察官から台湾地方法院検察長と台湾で尽力した後、内地に帰り大審院から長崎地方裁判所検事正を経て、長崎市長に就任。そして栃木県知事・新潟県知事になるのです。さらに退任後、時期を得て高知に帰ってくるのですが、彼を待っていたのは、教育分野でした。

 大正9年に創立した土佐中学の初代理事長として、高知県の将来のために英才教育に取り組むことになるのです。高知における教育の必要性を感じていた彼が当時の高知県の財閥川崎幾三郎と宇田友四郎の両氏を説得、巨額の私財の提供を受け土佐中学を開校するのです。

 かつて、栃木県知事時代に、全国に先駆けて育英資金を発足させたり、一線から退いたあとでも東京で、土佐協会の理事として本県出身の子弟の奨学に尽力していたのです。自分自身が貧しさの中で学問をすることの困難さを実感していたからでしょう。

 彼も明治の男です。一直線の人生だったように思います。
 大正13年永眠するのですが、遺族は遺言によって「風葬」としたそうな。
 墓地を否定したのです。千の風に乗って」といった歌みたいですね。
 墓地は生産性がないのだそうな。それも考え方です。

 貧しい高知県の北川村の郷士の次男だったのです。北川信従といいます。もっと知られていい人物であろうと思います。
 高知県東部地域の人物列伝に入る資格十分です。
 彼の肖像画がいま北川村小学校にあるのだそうで、今度見に行きましょう。

 彼の兄、北川忠惇は政治を志し、自由民権運動に参加するのです。そして高知県議会議員となり、議長にまでなるのです。明治41年病没した際には、田野村葬の礼をもって送られたとされています。誠に盛大な葬儀であったそうな。