「おや、あの河原は月夜だろうか」
そっちを見ますと 青白く光る銀河の岸に 銀色の空のすすきが
もうまるでいちめん 風にさらさらさらさら ゆられてうごいて
波を立てているのでした
「月夜でないよ 銀河だから光るんだよ」
ジョバンニは云いながら まるではね上がりたいくらい愉快になって
足をこつこつ鳴らし 窓から顔を出して
高く高く星めぐりの口笛を吹きました
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
河原の礫は みんなすきとおって
たしかに水晶や黄玉や またくしゃくしゃの皺曲をあらわしたのや
また稜から霧のような青白い光を出す鋼玉やらでした
ジョバンニは 走ってその渚に行って 水に手をひたしました
けれどもあやしいその銀河の水は 水素よりももっとすきとおっていたのです
それでもたしかに流れていたことは
二人の手首の 水にひたったとこが 少し水銀いろに浮いたように見え
その手首にぶっつかってできた波は うつくしい燐光をあげて
ちらちらと燃えるように見えたのでもわかりました
あ か い め だ ま の さ そ り
ひ ろ げ た 鷲 の つ ば さ
あ を い め だ ま の 小 い ぬ
ひ か り の へ び の と ぐ ろ
オ リ オ ン は 高 く う た ひ
つ ゆ と し も と を お と す
ア ン ド ロ メ ダ の く も は
さ か な の く ち の か た ち
大 ぐ ま の あ し を き た に
五 つ の ば し た と こ ろ
小 熊 の ひ た い の う へ は
そ ら の め ぐ り の め あ て
月は
美しき女神たちを魅了し
なめらかな肢体が
狂おしく あまやかな吐息を 漏らす頃
その緩やかな廻りは そっと 静かに満ちてゆく
降り注ぐ妖しき光が
うちなる炎(ほむら)をたぎらせて
愛しい名を呼ぶ口唇までも
女唇の如く濡れて 震えていくのが 見えるよう .....
そして 私は ______
熱さを奪われた 仄暗い躯で
甘い吐息も 置き去りにしたまま
獣のように呻き続ける
満ちる廻りの 月の光が
ますますに白く露になる 肌を射抜き
苦痛に歪み キツく噛んだ唇だけが
紅の血潮に 浮かびあがらせ
此処が 生贄の所在(ありか)であることを
報せる
ねぇ ?
身震いするほど 耽美な姿
___ でしょう?
だってあなたは
こんなにも サディスト
私は
それ程に マゾヒズムな sacrifice
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哀しみも 寂しさも
悔しさも 苦しみも
欲しいものも したいことも
痛かったことも 傷ついたことも
黙っていよう 忘れてしまおう
そうすれば
誰の悲しい顔も
見なくていい
私が いなければ
あるはずもなかった ココロたち
云わなければ
無かったことと 同じに成る
生きていくことは
哀しいことをたくさん受け入れること
そして その中から
大切な何かを見つけ出すこと
そんなのは あたりまえのこと
たとえ泪が溢れそうになっても
ほっぺたを奥歯で噛みしめていれば
いつの間にか 時は流れていく
だから .....
執着も未練も ないけれど
私には
まだ
逝きたくない 事情がある
より添う命と
私だけは
決して忘れやしない
小さな命のため
今日は
あの子の 命日。。
命を懸けた あの子が逝って
何故 私がまだ此処にいるのか
いつでも いつまでも わからないけれど
私が こうしていることは
あの子が この世に存在した
確かな事実の 延長だ
そう 言い聞かせながら 生きていこうと
あの日に 決めたから
辿ってきた 獣道さえ
見知らぬ世界のフリをしながら
今日も此処から
ひっそりと歩んでいく
そんな
あまりに冷酷で 熱過ぎる
私の人生
例えば
理由(ワケ)もなく 音の海に漂っていたい ______
そんな 時もあるから
[ Desert Rose ]
足ることを知らぬ
乾ききった 薔薇よ
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