Penny Lane Music

福岡市中央区赤坂
ピアノ・ボーカル・ギターなど大人のためのポピュラー音楽教室

アドリブ陶芸

2011-06-08 16:56:16 | 音楽
 連想ついでにもうひとつだけ・・・アンリさんのお話。

 アンリさんはもちろん、ジャズボーカリストでしたが、美大卒という経歴の通り
絵や「やきもの」に精通したひとでした。なかでも、有田の陶器市はお気に入りだったと
確か、リュック背負っていつも行くのよ、とおっしゃってました。
 
 陶器市に出かける楽しみももちろんですが、当時はよく自分で焼いたものの話を
なさっていたと記憶しています。ろくろを回している写真も見せていただいたことが
あります。「汗びっしょりになるのよ」って、そんな話を覚えています。

 アドリブ陶芸というのはアンリさんが出された本のタイトルです。
実際個展もなさっていて・・・ちょっと珍しいポスターをみつけました。

   
 

 私は残念ながら、アンリさんが焼いたものをその頃、実際に見せていただいたわけではありません。
でも本当に縁とは不思議なもので、いつごろだったかなぁ・・・もしかしたらもう
ご病気になられた頃だったかもしれません。田舎の小さなお店でそのお皿に出会いました。
 
 そのお店は、何を売っていると決まっているいうわけではなく、オーナーの趣味というか
アクセサリーもあれば人形もいる、陶磁器も和紙や着物、骨董みたいなもの、なんでも
まさにオーナーの趣味としか言いようのないお店。たった一枚だけアンリさんの白いお皿が
ありました。買うのがもったいないと、みんなにみてほしいと思ってしまいました。
ご丁寧に、勝手にちょっとそのお皿の周りを広くしてよく見えるようになんてしちゃって^_^;

 今思うとどうして買わなかったのか本当に不思議です。でもその白いお皿はなんとなく
さびしそうなデザインで、やっぱり手元になくてよかった気もします。わたしにとって
アンリさんのイメージは、ちょっと男勝りで、さばさばしていて、わたしたち女の子には
とてもやさしかった・・・そんなイメージです。私がおつきあいさせていただいてた頃の
最後の事務所のマネージャーは当時、私と同じくらいの若い女の子でした。
彼女もとてもかわいがってもらっていました。
 
 ある女性プロデューサーが「アンリはね、この世界、女性ひとりで生きていくことの
苦労をよく知ってるの。だから、同じ女の味方なのよ。あなたたちがかわいいの。」
っていってくれたことがあります。本当にそんなひとでした。だから、白いさびしいお皿より
有田の陶器市にリュック背負って出かける姿や汗まみれでろくろをまわす様子が
それこそがアンリさんのイメージとして私の中に残るのがふさわしいと・・・。
 
 でもちょっとだけ、あの白いお皿・・・ほしかったぁな・・・。

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