〔病〕
父は父の、私は私の病と向き合う日になった。
私、三ヶ月も心療内科に行っていなくて、
どうしても行かねばならなかった。
父のもとには、今日6人も人が集まって、
これから先の事、話し合った。
私は久しぶりに会った主治医に、
少し太ったことを指摘された。
‥やっぱりね。
別に、面とむかって「太ったね」言われた訳じゃないよ。
私が一方的に「太りました」と言ったら「そうだね」と言っただけ。
否定しなかった。やっぱりね。
でも、今日は甘いものも食べなかったし、
40分も歩いたよ。
で、待合室で汗だくになってて、
ああ、あと一時間は待つだろうって思ったら、
いきなり、降臨!
なにが?って、なんでしょね。
ボケッとしてんじゃねーよ、と内なる声に立ち上がり、
病院よりまた少し向こうにある本屋までガツガツ歩いて、
株の本を一冊買って、
それを読みながら病院に戻って、
待合室で、猛然と本を読んだ。
亡き義父が降臨したのか?
株をうまくやっていた義父。
なんか今日は頭が冴え渡っていて、
スポンジのように知識が流れ込んでくる。
アンサーズアイが始動していたんだか、
目の前、パーっと拓けてきたかんじ。
とりつかれたかのように読み漁っていると、
いつの間にか妹が立ってた。
バレタ?!
妹の眼、明らかに私が読んでいた本に釘付けになっていた。
ドキドキドキ‥
妹は、時間が合うなら私を拾ってくれようとしたんだけど、
まだ順番先で、先に帰ってもらった。
帰りも歩きかあ‥とうんざりしてたら、
先に予約入れていたひとが大量に消えたようで、
すぐに呼ばれた。
妹を待たせておくんだった。
5分も立たず呼ばれるってなんなの。
先生と少し話して、
父を家に置き去りで、帰りも急がなくちゃならないって文句言ったら、
なんと、病院の車手配してくれた!
乗り合いの車だと思ったら、私ひとりのために車が動いてくれたのだ。
もう申し訳なくてね。
車の中で、じっと眼を閉じて圧力に耐えていたら、
運転手のおじさん、「高校生? お嬢さん」って、
まさか!!
私は40過ぎの子持ちのおばさんよって言うと、
若く見えたって。
そりゃマフラーで顔半分隠して眼まで閉じてたら見間違うかも‥
子供に言ったら「それはナイナイ」って言われたけどね。
そうよね、余程ひどい老眼だよね。
〔介護度3〕
帰ったら、父はもう話し合いを終えていて、
もう介護度3になってるだろうってことだった。
まあ、頑張れるとこまで頑張りましょってことで。
夕飯。
れんこんの天ぷら。
山芋の千切り。
豆腐の味噌汁。
さわらの照り焼き。
私はご飯ぬきで、おかずだけ。
父にご飯を食べさせる。
何だろうな。
もっと頑張ろうって想って。
気持ちが走り出す。
走り出しそう。
変わらないと。
もっともっと、前へ。
父は父の、私は私の病と向き合う日になった。
私、三ヶ月も心療内科に行っていなくて、
どうしても行かねばならなかった。
父のもとには、今日6人も人が集まって、
これから先の事、話し合った。
私は久しぶりに会った主治医に、
少し太ったことを指摘された。
‥やっぱりね。
別に、面とむかって「太ったね」言われた訳じゃないよ。
私が一方的に「太りました」と言ったら「そうだね」と言っただけ。
否定しなかった。やっぱりね。
でも、今日は甘いものも食べなかったし、
40分も歩いたよ。
で、待合室で汗だくになってて、
ああ、あと一時間は待つだろうって思ったら、
いきなり、降臨!
なにが?って、なんでしょね。
ボケッとしてんじゃねーよ、と内なる声に立ち上がり、
病院よりまた少し向こうにある本屋までガツガツ歩いて、
株の本を一冊買って、
それを読みながら病院に戻って、
待合室で、猛然と本を読んだ。
亡き義父が降臨したのか?
株をうまくやっていた義父。
なんか今日は頭が冴え渡っていて、
スポンジのように知識が流れ込んでくる。
アンサーズアイが始動していたんだか、
目の前、パーっと拓けてきたかんじ。
とりつかれたかのように読み漁っていると、
いつの間にか妹が立ってた。
バレタ?!
妹の眼、明らかに私が読んでいた本に釘付けになっていた。
ドキドキドキ‥
妹は、時間が合うなら私を拾ってくれようとしたんだけど、
まだ順番先で、先に帰ってもらった。
帰りも歩きかあ‥とうんざりしてたら、
先に予約入れていたひとが大量に消えたようで、
すぐに呼ばれた。
妹を待たせておくんだった。
5分も立たず呼ばれるってなんなの。
先生と少し話して、
父を家に置き去りで、帰りも急がなくちゃならないって文句言ったら、
なんと、病院の車手配してくれた!
乗り合いの車だと思ったら、私ひとりのために車が動いてくれたのだ。
もう申し訳なくてね。
車の中で、じっと眼を閉じて圧力に耐えていたら、
運転手のおじさん、「高校生? お嬢さん」って、
まさか!!
私は40過ぎの子持ちのおばさんよって言うと、
若く見えたって。
そりゃマフラーで顔半分隠して眼まで閉じてたら見間違うかも‥
子供に言ったら「それはナイナイ」って言われたけどね。
そうよね、余程ひどい老眼だよね。
〔介護度3〕
帰ったら、父はもう話し合いを終えていて、
もう介護度3になってるだろうってことだった。
まあ、頑張れるとこまで頑張りましょってことで。
夕飯。
れんこんの天ぷら。
山芋の千切り。
豆腐の味噌汁。
さわらの照り焼き。
私はご飯ぬきで、おかずだけ。
父にご飯を食べさせる。
何だろうな。
もっと頑張ろうって想って。
気持ちが走り出す。
走り出しそう。
変わらないと。
もっともっと、前へ。