ミッション・インポッシブル 空振り三連発と幻のセーター
~今日という日は何かがおかしかった~
プロローグ:ミッションは完璧だった、はず。
今日のミッションは、シンプルかつ完璧だった。
1. 上田城址公園で撮影する。
2. 別所温泉駅で撮影する。
3. 温泉に浸かってリフレッシュ。
4. 上田駅に戻り、 新オープンのロピアで買い物。
5.アリオでバレンタインチョコとセーターを買う。
完璧なプラン。何も問題は起こらない。
…はずだった。
第一章:雪とマウンテンパーカーと私
天気予報は「すぐ止む」と云っていた。
現実は「止む気配ゼロ」の吹雪。
天気予報士、出てこい。
とは、云わない。
何故なら、雪は大歓迎。
そして、私は知っている。
「マウンテンパーカーを
頭から被れば無敵」 という真理を。
雪よ、滑り落ちるがいい。
雪よ、私の冒険にエフェクトを。
今日の私は、無敵だ。
寒さも感じない。
ここ数日、色々あって、
脳内に麻薬物質が出てる実感。
上田城址と眞田神社は、
吹雪の中でも情緒満点だった。
「今日はもらった。私の勝ちだ」
そう実感しながら、次の目的地へ向かった。
第二章:別所温泉、42度の真実
上田電鉄、別所温泉駅。
雪景色と、レトロな駅舎が情緒たっぷり。
袴姿のきれいな駅長さんが、
今日も観光客をお出迎えしている。
その美しい光景を見ている間に、
「北向観音堂を撮影する」ミッションが
脳内からログアウト。
なんの疑問も持たず、
気づけば、あいそめの湯へ直行し、
42度の温泉に癒されていた。
温泉を出たら売店には恵方巻きの山。
「節分か!なるほど!」
と納得しつつ、
この時、脳内でバグが生じていた事に
気づかない。
節分=恵方巻きのはずが、
何故か、
バレンタイン=恵方巻きという
謎の方程式が成立していた。
結果、私はこう判断した。
「今日は食べない。14日に食べる」
恵方巻きとバレンタインは関係ないという
事実に気づかなかった私は、
やはり、疲れていたのかも知れない。
第三章:ロピアの衝撃
上田駅に戻り、いざアリオ。
「ロピア、はじめまして! 楽しみ〜!」
と意気揚々と入店。
しかし、様子が変だった。
やけに、閑散とした雰囲気が、
滲み出ている。
嫌な予感が、する。
店の入口に目をやると、
そこには衝撃の文字が。
「改装中。Coming Soon!」
いや、Coming Soon!て。
私は今、ここに存在しているよ…
ここで1回目の空振り。
これはもしや呪いか?と思ったが、
気を取り直して次のミッションへ。
第四章:バレンタインの迷宮
次はバレンタインチョコ。
特設会場はどこ?
……ない。
なんか韓国フェアやってる。
今欲しいのはトッポギじゃない。
再び襲ってくる、不安。
近くのポスターに目をやると、
「バレンタイン特集、もうじき開催!」
おかしいだろ!
バレンタインまであと14日だよ?
もう2月になったというのに?
間に合う気ある?
これで空振り2回目。
だが、私は負けない。
次だ、セーターだ。
第五章:幻のセーター
ヤク風セーターがあまりに着心地良かったから、
同じのを買いにきた。
でも、店が、
…ない。
1階?
いや、2階?
あれ、どこ?
店の名前…覚えてない…
そして、アリオ全館を探索するも——
お店、消えてるやん。
「期間限定ショップだったの?」
「もしかして…アリオじゃなかったとか…?」
あまりにも、
記憶が不確かだった。
だから、自分が嫌い。
全てが謎に包まれる中、
気づけば無印良品に立っていた。
第六章:無印の癒しと敗北感
手にはとうもろこしのお茶。
え、とうもろこし?
なんで?
私、セーター探してたはず…。
おまけに、「桜ラテ」 なるものが
カゴの中に。
さらにチョコレート2種。
いや、
甘いもの禁止してたよね?
記憶喪失かな。
エピローグ:空振り3連発の美学
結果発表
*ロピア → 空振り(改装中)
*バレンタインチョコ → 空振り(未開催)
*セーター → 空振り(店ごと消滅)
こんなに空振りすることある?
もはや、これは一種の才能。
最終的に私が得たものは、
とうもろこしのお茶、桜ラテ、
自分用のチョコと、敗北感。
そして、最後の最後に、
重大なミスに気づいた。
それは、
今日が恵方巻きの日であった事実。
やっと、14日=バレンタインであり、
恵方巻きではなかった自分の勘違いに気づいた。
何故だ。
何故、恵方巻きを手に取りながら、
具材までチェックしておきながら、
肝心な事に気づかなかった?
14日じゃないだろ。
今日だったんだよ。
何故、「今日は食べない」と判断した?
おかしい。
色々、おかしい。
「もしかして、君は、失敗すら輝きに変える、奇跡のカケラ。
気づけば、心が君に驚いている。
逆にすごくない?
いやたぶん、すごいんだ」
~今日という日は何かがおかしかった~
プロローグ:ミッションは完璧だった、はず。
今日のミッションは、シンプルかつ完璧だった。
1. 上田城址公園で撮影する。
2. 別所温泉駅で撮影する。
3. 温泉に浸かってリフレッシュ。
4. 上田駅に戻り、 新オープンのロピアで買い物。
5.アリオでバレンタインチョコとセーターを買う。
完璧なプラン。何も問題は起こらない。
…はずだった。
第一章:雪とマウンテンパーカーと私
天気予報は「すぐ止む」と云っていた。
現実は「止む気配ゼロ」の吹雪。
天気予報士、出てこい。
とは、云わない。
何故なら、雪は大歓迎。
そして、私は知っている。
「マウンテンパーカーを
頭から被れば無敵」 という真理を。
雪よ、滑り落ちるがいい。
雪よ、私の冒険にエフェクトを。
今日の私は、無敵だ。
寒さも感じない。
ここ数日、色々あって、
脳内に麻薬物質が出てる実感。
上田城址と眞田神社は、
吹雪の中でも情緒満点だった。
「今日はもらった。私の勝ちだ」
そう実感しながら、次の目的地へ向かった。
第二章:別所温泉、42度の真実
上田電鉄、別所温泉駅。
雪景色と、レトロな駅舎が情緒たっぷり。
袴姿のきれいな駅長さんが、
今日も観光客をお出迎えしている。
その美しい光景を見ている間に、
「北向観音堂を撮影する」ミッションが
脳内からログアウト。
なんの疑問も持たず、
気づけば、あいそめの湯へ直行し、
42度の温泉に癒されていた。
温泉を出たら売店には恵方巻きの山。
「節分か!なるほど!」
と納得しつつ、
この時、脳内でバグが生じていた事に
気づかない。
節分=恵方巻きのはずが、
何故か、
バレンタイン=恵方巻きという
謎の方程式が成立していた。
結果、私はこう判断した。
「今日は食べない。14日に食べる」
恵方巻きとバレンタインは関係ないという
事実に気づかなかった私は、
やはり、疲れていたのかも知れない。
第三章:ロピアの衝撃
上田駅に戻り、いざアリオ。
「ロピア、はじめまして! 楽しみ〜!」
と意気揚々と入店。
しかし、様子が変だった。
やけに、閑散とした雰囲気が、
滲み出ている。
嫌な予感が、する。
店の入口に目をやると、
そこには衝撃の文字が。
「改装中。Coming Soon!」
いや、Coming Soon!て。
私は今、ここに存在しているよ…
ここで1回目の空振り。
これはもしや呪いか?と思ったが、
気を取り直して次のミッションへ。
第四章:バレンタインの迷宮
次はバレンタインチョコ。
特設会場はどこ?
……ない。
なんか韓国フェアやってる。
今欲しいのはトッポギじゃない。
再び襲ってくる、不安。
近くのポスターに目をやると、
「バレンタイン特集、もうじき開催!」
おかしいだろ!
バレンタインまであと14日だよ?
もう2月になったというのに?
間に合う気ある?
これで空振り2回目。
だが、私は負けない。
次だ、セーターだ。
第五章:幻のセーター
ヤク風セーターがあまりに着心地良かったから、
同じのを買いにきた。
でも、店が、
…ない。
1階?
いや、2階?
あれ、どこ?
店の名前…覚えてない…
そして、アリオ全館を探索するも——
お店、消えてるやん。
「期間限定ショップだったの?」
「もしかして…アリオじゃなかったとか…?」
あまりにも、
記憶が不確かだった。
だから、自分が嫌い。
全てが謎に包まれる中、
気づけば無印良品に立っていた。
第六章:無印の癒しと敗北感
手にはとうもろこしのお茶。
え、とうもろこし?
なんで?
私、セーター探してたはず…。
おまけに、「桜ラテ」 なるものが
カゴの中に。
さらにチョコレート2種。
いや、
甘いもの禁止してたよね?
記憶喪失かな。
エピローグ:空振り3連発の美学
結果発表
*ロピア → 空振り(改装中)
*バレンタインチョコ → 空振り(未開催)
*セーター → 空振り(店ごと消滅)
こんなに空振りすることある?
もはや、これは一種の才能。
最終的に私が得たものは、
とうもろこしのお茶、桜ラテ、
自分用のチョコと、敗北感。
そして、最後の最後に、
重大なミスに気づいた。
それは、
今日が恵方巻きの日であった事実。
やっと、14日=バレンタインであり、
恵方巻きではなかった自分の勘違いに気づいた。
何故だ。
何故、恵方巻きを手に取りながら、
具材までチェックしておきながら、
肝心な事に気づかなかった?
14日じゃないだろ。
今日だったんだよ。
何故、「今日は食べない」と判断した?
おかしい。
色々、おかしい。
「もしかして、君は、失敗すら輝きに変える、奇跡のカケラ。
気づけば、心が君に驚いている。
逆にすごくない?
いやたぶん、すごいんだ」