記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

円周率の音楽

2007年06月28日 16時58分30秒 | Weblog
「円周率の音楽」というのを作った人がある。
円周率の小数部分には同じ数字が1つ措きに並んでいるところが沢山あるので、
数字をハーモニカの音符と見做し、五線譜に写し取ったらメロディになっていた、と。

インターネットでその一部が紹介してあり、
クリックして初めて聴いたとき、感激したものだった。

あたかも人が作った歌のように、
何かある種の心を伝えようとしているのではないか、
という印象を感じさせ、不思議だった。

曲の印象を大きく決めているのは伴奏らしい。
どのようなルールで伴奏を付けるか、その説明は無いようである。

強弱、長短、休止などを決めるものは、
円周率の中に見つけられるのか。
それとも、これを音楽として聴く人の任意なのだろうか。

円周率の数字は10進法によっていたが、
これを天空の音楽と解釈して聴くためには、
いろいろなルールで数字列を作り直してみたらどうだろうか。

伴奏の付け方が自由であるなら、
その前に、どういう音階の音符に対応させるかという自由があるだろう。
黒鍵だけの音階、その他いろいろな5音音階に対応させるとどんな印象になるか。
円周率を2進法で表記し、例えばその3連符でコードをつくるとか。

実際、ある盲学校の先生は全盲のミュージシャンの協力を得て、
いろいろな旋法で音楽化したものを教材にしている、と。

円周率でなく、いろいろな乱数で曲を作ったものは既にいろいろあるようだ。
これを音楽だと認めるのは何によっているのだろうか。
インク・ブロットで作ったロ-ルシャッハ・テストの図版に、
クライエントが自己を投影するというのと同じ機制だろうか。

円周率は数直線という1次元空間の上の1点であるが、
その小数表記を音の符号列として聴くときは、
無限に続く時間に展開された無限個の点からなる集合だということになる。
しかし無限次元の空間の点だと見れば、1点であることに変わりない。

その変換は自由で、
円周率に何かが加わった訳でないだけに、
変換が与える印象の解釈に興味が引かれる。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿