光秀の定理(垣根涼介 2013 角川書店)
NHKの黒田官兵衛が本能寺の変にさしかかる頃、何の番組だったかで、もし本能寺の変が無く信長が天下を統一していたら、朝鮮出兵は無かっただろう、代わりに大陸の海岸に沿って南下していただろう、という話題が有りました。
そんな時、偶々書店でこの本を見かけ手にしたら帯に「ベイズの定理」の応用例として賞賛していました。
倭寇に加わってタイへ渡ったことのある坊主(愚息)が京の辻で明銭を賭けていたのがそれ。
衆人の見ている中で4つの椀の1つに石ころを入れる。
賭ける者は背を向けていて、それを見ず、どの椀に入っているか指差す。
坊主は石の入っていない椀2つを開けて見せ、残りの2つの椀のどっちかに入っているのは確かなので、望むなら選択を変えても良いと言う。
勝負を繰り返していると何時の間にか坊主の儲けが多くなる。
辻切りをするつもりで出てきた兵法者(新九郎)は、その謎が解けなくて馬鹿呼ばわりされながら愚息の用心棒になる。
そんな一夜、二人は明智十兵衛光秀と知り合う。
新九郎はやがて「笹の葉流」を開眼し、百姓の子息などを相手に剣術を教え、主に使えることなく愚息と気ままに生きる。
その辺は吉川英治の「宮本武蔵」に似ているかもしれない。
文章は読み易いが、ときどき見かけない語が出てくる。
見当はつくが電子辞書で調べながら読むと、それが結構面白い。
長光寺城を攻める道が4本あり、2本には伏兵が居ると分かり、残りの2本の1つにも伏兵が有ると推測され、愚息に教えを乞い、1本を選ぶ。
愚息は7割5分の確率で、そこには伏兵が居ないと言う。
どうしてと訝り読み進み、結局よく分からないが、椀の賭けの謎は信長が愚息と勝負して、最後に見事に解く。
それが誰にも分かりやすい最も平明な解法。
小説とは無関係だが、もし光秀が天下を取ったら海外出兵は有っただろうか、鎖国は有っただろうか。
考えないでもなかった。
NHKの黒田官兵衛が本能寺の変にさしかかる頃、何の番組だったかで、もし本能寺の変が無く信長が天下を統一していたら、朝鮮出兵は無かっただろう、代わりに大陸の海岸に沿って南下していただろう、という話題が有りました。
そんな時、偶々書店でこの本を見かけ手にしたら帯に「ベイズの定理」の応用例として賞賛していました。
倭寇に加わってタイへ渡ったことのある坊主(愚息)が京の辻で明銭を賭けていたのがそれ。
衆人の見ている中で4つの椀の1つに石ころを入れる。
賭ける者は背を向けていて、それを見ず、どの椀に入っているか指差す。
坊主は石の入っていない椀2つを開けて見せ、残りの2つの椀のどっちかに入っているのは確かなので、望むなら選択を変えても良いと言う。
勝負を繰り返していると何時の間にか坊主の儲けが多くなる。
辻切りをするつもりで出てきた兵法者(新九郎)は、その謎が解けなくて馬鹿呼ばわりされながら愚息の用心棒になる。
そんな一夜、二人は明智十兵衛光秀と知り合う。
新九郎はやがて「笹の葉流」を開眼し、百姓の子息などを相手に剣術を教え、主に使えることなく愚息と気ままに生きる。
その辺は吉川英治の「宮本武蔵」に似ているかもしれない。
文章は読み易いが、ときどき見かけない語が出てくる。
見当はつくが電子辞書で調べながら読むと、それが結構面白い。
長光寺城を攻める道が4本あり、2本には伏兵が居ると分かり、残りの2本の1つにも伏兵が有ると推測され、愚息に教えを乞い、1本を選ぶ。
愚息は7割5分の確率で、そこには伏兵が居ないと言う。
どうしてと訝り読み進み、結局よく分からないが、椀の賭けの謎は信長が愚息と勝負して、最後に見事に解く。
それが誰にも分かりやすい最も平明な解法。
小説とは無関係だが、もし光秀が天下を取ったら海外出兵は有っただろうか、鎖国は有っただろうか。
考えないでもなかった。