プリメイラ Honolulu

袰岩奈々のホノルル・カフェぶらぶら日記。
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理不尽さへの耐性

2018-11-22 10:50:15 | 考えたこと
今からは想像つかないだろうが、
小さい頃、喘息で病弱な子だったので、
絵本をいっぱい読んで過ごした。
父親は悲惨な話が出て来る本が混じらないようにと、
本屋さんで立ち読みして検閲し、
父親から見て悲惨すぎないと判断されたもののみ、
選び出されたと、母親から聞いたことがある。

それでも昔から童話としてある話は手元に届き、
人魚姫や幸福の王子、フランダースの犬、
赤い靴、銀河鉄道の夜など、どこか理不尽で、
結末を変えたくなるようなストーリーに出会って来た。
毎日、寝る前に読んでもらっていたのは
「銀河鉄道の夜」で、
理不尽な終わり方の物語のほうが、
どういうわけか繰り返し読んでしまう本の一つだったりした。

この納得できない結末のストーリーを読みながら
身につけていたのは
「ネガティブ・ケイパビリティ」だったのではないかと思う。

ディズニーの人魚姫は泡になって消えはしない。
どこまでも前向きで好奇心旺盛、
愛するひとのために一時的に声は失うが、
最後はハッピーエンド。
悪者は成敗される。気分スッキリ。
こう来なくっちゃ! とみんなの望む展開。

これはこれでいいのかもしれないが、
世の無菌化と並行するように、
世の無不快化が進み、
而してネガティブ・ケイパビリティは低くなる。

悲しみの傍らに居られる力、
答えのすぐ出ない理不尽さを抱えながらも笑える力、
これを何とか身につけたいと思いながら過ごす、日本滞在です。

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