算額(その1389)
番外九 武州 慈恩寺
埼玉県立図書館:埼玉県史料集 第二集『埼玉の算額』,昭和44年,誠美堂印刷所,埼玉県与野市.
キーワード:球5個,外球,3 次元,ソディ・ゴセットの n+1 球定理
#Julia, #SymPy, #算額, #和算
外球の中に小球を 4 個容れる。外球の直径が 1 寸のとき,小球の直径はいかほどか。
1. ソディ・ゴセットの n+1 球定理による解答
算額(その1374)で用いた方法である。
外球の半径を R,小球の半径を r とおき,以下の方程式をとき r を求める。
using SymPy
@syms r::positive, R::positive
eq = 3(4(1/r^2) + 1/R^2) - (4/r - 1/R)^2;
solve(eq, r)[1] |> println
R*(-2 + sqrt(6))
小球の半径 r は,外球の半径 R の (√6 - 2) 倍である。
外球の直径が 1 寸のとき,小球の直径は √6 - 2 = 0.4494897427831779 寸である。
答えは「4分4厘有奇」と正確とは言い難いが,術は「6 の平方根から 2 を引いて外球の直径を掛ける」とあるので正確である。誤差の主原因は √6 に不正確な近似値 2.44 を使用しためであろうか。2.44 - 2 =0.44
s6 = 2.44
s6 - 2
0.43999999999999995
2. 基礎的なところから計算する解答
半径が r の 4 つの小球の中心は,一辺が a = 2r の正四面体の頂点である。
小球が内接する外球の半径 R は、各球の中心から正四面体の重心までの距離に加え、各球の半径を加えることで求められる。
1. 一辺の長さが a の四面体において,重心から各頂点までの距離 d は
d = sqrt(3/8)*a
2. 内接する球の半径 R は
R = d + r
= sqrt(3/8)*a + r
= sqrt(3/8)*2r + r
= (sqrt(3/8)*2 + 1)*r
= (1 + √6/2)*r
3. また,小球の半径 r は
r = R/(sqrt(3/8)*2 + 1)
= (√6 - 2)*R
外球の半径が R = 0.5 のとき,小球の半径は r = √6 - 2 = 0.22474487139158905
直径はその 2 倍の 2*0.22474487139158905 = 0.4494897427831781 である。
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