天気は、平成最後そしてみみ爺69才最後の記念すべき輪行旅にふさわしい上天気だよ。
今日は西武池袋線高麗駅から出発するんだ。時刻はちょうど9時、空気はちょっとひんやりするが、ペダルをこぎ出せばすぐに体は暖かくなるだろう。
高麗駅前には、巨大な真っ赤な将軍標が青空に突き刺さるように聳え立っているよ。
さあ、出発だ。
道はカワセミ街道という。以前、6年ほど前になるが、奥武蔵グリーンラインを鎌北湖の先の林道権現堂線からスターとしたときに、この同じ道を同じ方向へ走ったが、その時はもっと車が多かったように記憶している。しかし今日は少ない。5月連休というのに…。
山はもう冬の姿じゃない。すっかり緑に衣替えが済んでいるよ。もう新緑の季節だね。
去年の5月5日、ちょうど今頃にも、黒山三滝を訪ねた帰りにここを通った。その時は向こうから走ってきたんだが、近くの民家の庭先にいたおばあちゃんに、
「あれは何ですか」
と尋ねたのを覚えている。石灰石を運ぶベルトコンベアーだ。
この道は宿谷のほうへ向かう道だけど静かでいい。本当に今日は走っている車が少ないよ。いつもこんなものなのかなあ。
このあたりはもう宿谷というところだろう。なんとなく長閑で静かな景色だ。すぐに立ち去るのが惜しいような気がして一休みした。
細いわき道へ入って行くと、いきなり山道に変わったんだ。引き返すのも面倒なので、ナビと地図を信じて先へ進むことにしたよ。もちろん自転車は押しだ。
おやおやどんどん山奥へ入っていくよ。心配になって熊よけ鈴をぶら下げた。
ようやく山道を抜けたようだよ。やれやれ。ここはどこだろう。
なるほど、宿谷の地蔵尊の裏手だ。つまり近道を来たというわけだが、近道というのはいつもろくなことがないね。急がば回れというわけか。
このへんは埼玉ゴルフ場だね。ゴルフ場の連絡橋だ。
毛呂山総合公園の前で左へ。鎌北湖へは県道186号を行けば楽かもしれないが、車道を走るのも面白くない。
県道と平行して鎌北湖まで続く遊歩道だよ。馬頭観音の傍で長閑な空気を味わう。いつまでも寝っころがっていたいような場所だ。
緩やかな上りが続く。ここでも一休み。速く走るのがもったいない。
道は次第に山の中へ入っていくよ。熊よけ鈴がいい音色で響く。
小さな流れに沿うように上っていく。すてきな遊歩道だよ。
あれ~っ。なんだあの坂は!
鎌北湖の手前まで来て、遊歩道は急勾配の坂になったんだ。写真で見るとそうでもないようだが、実際はかなりきつい斜度で、押し上げる自転車がずっしりと重く感じられる。気を抜くと、コンクリートで固められた急斜面で靴底がずるっとすべる。途中で自転車をほうり出したくなるようなつらい坂だよ。
やっとの思いで遊歩道のきつい坂を登りきると、目の前には静かな鎌北湖だ。
左が林道権現堂線で、北向地蔵へ行く道だよ。奥武蔵グリーンラインの起点だ。
少し行くと林道鎌北線の起点があった。
鎌北線の林道標示板のまえを通り過ぎるとまもなく、これから走っていく林道諏訪線の起点に着いたよ。このあたりは、ひっそりと静まる山里の鎌北の集落だ。ここからいよいよ急勾配が始まるのかな。最もここまでもけっこう急勾配だったけれど。
おや?舗装が切れてダートに変わるよ。
草取りをしていた地元の女性に尋ねた。
「この砂利道はずっと続くんですか」
「ずっと続くよ」
と、手を止めてニコニコしている。
途中まで頑張ってペダルをこいだが、地図とどうも違う。ナビの指しているルートとも違う。ナビと地図の示す道を探して、せっかく上ってきた道を引き返したが、草木の生い茂った獣道のようなのが一箇所あるだけだった。地図が古いから道が出ていないのかもしれない。実はナビに入れている山地図も古いのだ。
とにかく先へ進んでみようと、下ってきた砂利道をふたたび上り返した。このときはもう、さっきのようにペダルを踏む元気がない。
ガタガタのダートを押し上げていく。
そのとき、運よく上から下って来た山歩きの男性に出会ったんだ。
「どうも古い地図で道が載っていないんです」
「古い地図はやめた方がいいですよ」
「そうですね」
「この道は獅子ヶ滝のほうへ続いています」
「ありがとうございます」
ダートを上り詰めたところから道は舗装路になった。舗装された道はなんと楽なことか。ありがたい。気持ちがいい。
ここが林道諏訪線の終点だね。獅子ヶ滝だ。
杉の木の奥に、たしかに細く小さな滝の水が落ちている。そこに白装束の人が集まっているが、水行をする人たちだろう。
獅子ヶ滝からすこし下ったところにある八坂神社だ。鳥居の右手にある湧水は飲むことができる。「八坂の清水」、別名「天王様の水」とも呼ばれている。水質は検査により安全が保障されているそうだよ。
毛呂山町の方へ向かって長閑な道を下っていく。空気は暑くもなく冷たくもなく気持ちがいい。日差しが心地いい。
桂木観音の方へ向かう道だよ。空の色を見てほしい。真っ青だ。
滝ノ入地区を流れる桂木川上流には「ゆずの散歩道」という散策路が整備されている。もともとこの地域はゆずの栽培が盛んなところで、その名前がつけれたのだろう。風雅な意匠の吊り橋や石橋があるよ。
三つ四つヘアピンカーブの急勾配を上っていくよ。
ここからさらに200メートルほど上ると桂木観音だ。頑張ろう。
桂木観音の石段の前にある駐車場にはベンチがあり展望台になっているよ。ここからの眺めはなかなかのものだ。元旦には日の出を拝もうと多くの人が集まるそうだよ。
石段に続き、さらに丸太を横に張った階段を上ると梵鐘があったよ。静かに撞くようにと書いてあったので、一つ撞かせていただき合唱した。すんだ余韻が長く響く。
朱色の褪せ具合がいい観音堂だ。すっきりとした端正なたたずまいだよ。
林道桂木線を下っていく。
林道桂木線はここまでだね。ここは天望峠というらしい。
ここからは林道滝ノ入線を下っていくんだ。
県道61号を横切り、里山道を走る。のんびりしていていい雰囲気だよ。
越辺川沿いのこの道もなかなかいい。黒山三滝を訪ねたときは反対方向からここを走ったね。
林道山入線だよ。いい景色だね。
新緑も青空も実にきれいだ。
ここからは林道楠線になるんだね。
やっと「上谷の大クス」に着いたよ。
下のベンチに腰を下ろして、お昼のおにぎりをいただきながら“大クス”を見上げていた。なんだか不思議と落ち着く。いつまでもそこにいられる。いつまでも見上げていられる。そんな特別な巨木だ。
弓立山へ向かう。普門寺前の急坂だ。途中で歩きたくなるくらいのきつい坂だよ。
急坂を上りきったところからの景色だよ。
弓立山の頂上だ。とっつきからここまで、それほどきつい勾配ではなかった。
やはり自転車で上ってきた青年に写してもらったよ。
「数年前に山火事があってこの辺が燃えたんですよ」
歩いて上ってきた別の男性が言った。
「展望台はそれから取り壊されてしまったんです。山頂の標柱も少し焦げているでしょう」
「誰か火を使ったんですかね。それとも自然発火だったんでしょうか。展望台がなくなったのは残念ですね」
「ここからの景色はすばらしいですね。天気がいいから遠くまで見えますね」
ここはヒルクライマーにはけっこう知られた山だそうだよ。標高はそれほど高くないが、頂上からの眺めがとてもいいんだ。
「すぐ下に見えるのが都幾川町ですよ。遠くには筑波山が見えます」
「こんなに遠くまで見えるなんてラッキーですね」
「本当にそうですね」
「大きな白いマンションの見えるあたりは小川町ですよ」
遠い山並みの上にほんの少し見える雪山はもしかしたら谷川岳だろうか。とにかく、はるか遠くまで視界がおよぶほど天気がいい。
今日、このすばらしい景色に出会えて本当によかったと思う。この先どれだけたくさんこのような景色に出会えるかわからない。生きているからこそ出会えるこの景色を、しっかりと胸の奥に刻み付けておこう。
弓立山をあとに坂を下っていく。そして埼玉梨花カントリークラブの間を抜けていく。
杉や檜の中を抜け、竹林の下を行く。
下りてきたところに大きな杉の木のある神社があった。
萩日吉神社とあった。慈光寺(北西2.5km)の鎮守さんということだよ。鳥居の後ろにある巨大な杉の木は児持杉といわれ、樹齢は800年と伝えられているそうだ。
都幾川橋を渡り、ときがわ町の県道172号を行く。
都幾川の脇を走る。新緑がまぶしい。
今日最後の峠道だよ。それほどきつい勾配ではないようだ。
ほどなく松郷峠だ。ここから小川町の方へ下っていくよ。
痛々しく削られた山肌が不意に目に飛び込んできた。採石場だ。…山が削られるのはつらいね。
八高線の小さな踏切をこえ、槻川に架かる橋を渡る。
槻川沿いの静かな道を行くよ。だいぶ日が傾いてきたね。
もう一度槻川を渡る。川の表情がまた違う。ここではゆったりと流れ、穏やかに見えるよ。
道の表情も次々に変化していく。それがとても楽しい。自転車に乗るから味わえる楽しさだね。
みたび槻川を渡る。
空気がとても澄んでいるよ。風景すべての輪郭がくっきりとしている。
槻川沿いのこの道はとくにすばらしいね。
なんて静かな風景だろう。今日はよく晴れて本当によかったよ。
槻川の流れのそばまで降りてみる。このあたりからが嵐山渓谷だろうか。
ダートの遊歩道へ入っていくよ。夕方で人はほとんどいない。
沈下橋だ。これが塩沢冠水橋というんだね。いい雰囲気だなあ。
おや、飛び石橋があるよ。行ってみよう。
水辺はひっそりと静まり返っている。流れる水の音がかすかに聞こえるばかりだよ。人の声も、鳥の声も聞こえない。
もう5時だ。あたりが薄暗くなってきたよ。そろそろ駅へ急ごう。東武東上線の武蔵嵐山駅はもうすぐのはずだよ。
今日の青空は最高だったね。おかげで素晴らしい一日を過ごすことができたよ。けっこうアップダウンのあるルートだったけれど、本当に楽しかった。
さあ、帰りの電車が来たよ。お疲れさん、みみ爺。
今日は西武池袋線高麗駅から出発するんだ。時刻はちょうど9時、空気はちょっとひんやりするが、ペダルをこぎ出せばすぐに体は暖かくなるだろう。
高麗駅前には、巨大な真っ赤な将軍標が青空に突き刺さるように聳え立っているよ。
さあ、出発だ。
道はカワセミ街道という。以前、6年ほど前になるが、奥武蔵グリーンラインを鎌北湖の先の林道権現堂線からスターとしたときに、この同じ道を同じ方向へ走ったが、その時はもっと車が多かったように記憶している。しかし今日は少ない。5月連休というのに…。
山はもう冬の姿じゃない。すっかり緑に衣替えが済んでいるよ。もう新緑の季節だね。
去年の5月5日、ちょうど今頃にも、黒山三滝を訪ねた帰りにここを通った。その時は向こうから走ってきたんだが、近くの民家の庭先にいたおばあちゃんに、
「あれは何ですか」
と尋ねたのを覚えている。石灰石を運ぶベルトコンベアーだ。
この道は宿谷のほうへ向かう道だけど静かでいい。本当に今日は走っている車が少ないよ。いつもこんなものなのかなあ。
このあたりはもう宿谷というところだろう。なんとなく長閑で静かな景色だ。すぐに立ち去るのが惜しいような気がして一休みした。
細いわき道へ入って行くと、いきなり山道に変わったんだ。引き返すのも面倒なので、ナビと地図を信じて先へ進むことにしたよ。もちろん自転車は押しだ。
おやおやどんどん山奥へ入っていくよ。心配になって熊よけ鈴をぶら下げた。
ようやく山道を抜けたようだよ。やれやれ。ここはどこだろう。
なるほど、宿谷の地蔵尊の裏手だ。つまり近道を来たというわけだが、近道というのはいつもろくなことがないね。急がば回れというわけか。
このへんは埼玉ゴルフ場だね。ゴルフ場の連絡橋だ。
毛呂山総合公園の前で左へ。鎌北湖へは県道186号を行けば楽かもしれないが、車道を走るのも面白くない。
県道と平行して鎌北湖まで続く遊歩道だよ。馬頭観音の傍で長閑な空気を味わう。いつまでも寝っころがっていたいような場所だ。
緩やかな上りが続く。ここでも一休み。速く走るのがもったいない。
道は次第に山の中へ入っていくよ。熊よけ鈴がいい音色で響く。
小さな流れに沿うように上っていく。すてきな遊歩道だよ。
あれ~っ。なんだあの坂は!
鎌北湖の手前まで来て、遊歩道は急勾配の坂になったんだ。写真で見るとそうでもないようだが、実際はかなりきつい斜度で、押し上げる自転車がずっしりと重く感じられる。気を抜くと、コンクリートで固められた急斜面で靴底がずるっとすべる。途中で自転車をほうり出したくなるようなつらい坂だよ。
やっとの思いで遊歩道のきつい坂を登りきると、目の前には静かな鎌北湖だ。
左が林道権現堂線で、北向地蔵へ行く道だよ。奥武蔵グリーンラインの起点だ。
少し行くと林道鎌北線の起点があった。
鎌北線の林道標示板のまえを通り過ぎるとまもなく、これから走っていく林道諏訪線の起点に着いたよ。このあたりは、ひっそりと静まる山里の鎌北の集落だ。ここからいよいよ急勾配が始まるのかな。最もここまでもけっこう急勾配だったけれど。
おや?舗装が切れてダートに変わるよ。
草取りをしていた地元の女性に尋ねた。
「この砂利道はずっと続くんですか」
「ずっと続くよ」
と、手を止めてニコニコしている。
途中まで頑張ってペダルをこいだが、地図とどうも違う。ナビの指しているルートとも違う。ナビと地図の示す道を探して、せっかく上ってきた道を引き返したが、草木の生い茂った獣道のようなのが一箇所あるだけだった。地図が古いから道が出ていないのかもしれない。実はナビに入れている山地図も古いのだ。
とにかく先へ進んでみようと、下ってきた砂利道をふたたび上り返した。このときはもう、さっきのようにペダルを踏む元気がない。
ガタガタのダートを押し上げていく。
そのとき、運よく上から下って来た山歩きの男性に出会ったんだ。
「どうも古い地図で道が載っていないんです」
「古い地図はやめた方がいいですよ」
「そうですね」
「この道は獅子ヶ滝のほうへ続いています」
「ありがとうございます」
ダートを上り詰めたところから道は舗装路になった。舗装された道はなんと楽なことか。ありがたい。気持ちがいい。
ここが林道諏訪線の終点だね。獅子ヶ滝だ。
杉の木の奥に、たしかに細く小さな滝の水が落ちている。そこに白装束の人が集まっているが、水行をする人たちだろう。
獅子ヶ滝からすこし下ったところにある八坂神社だ。鳥居の右手にある湧水は飲むことができる。「八坂の清水」、別名「天王様の水」とも呼ばれている。水質は検査により安全が保障されているそうだよ。
毛呂山町の方へ向かって長閑な道を下っていく。空気は暑くもなく冷たくもなく気持ちがいい。日差しが心地いい。
桂木観音の方へ向かう道だよ。空の色を見てほしい。真っ青だ。
滝ノ入地区を流れる桂木川上流には「ゆずの散歩道」という散策路が整備されている。もともとこの地域はゆずの栽培が盛んなところで、その名前がつけれたのだろう。風雅な意匠の吊り橋や石橋があるよ。
三つ四つヘアピンカーブの急勾配を上っていくよ。
ここからさらに200メートルほど上ると桂木観音だ。頑張ろう。
桂木観音の石段の前にある駐車場にはベンチがあり展望台になっているよ。ここからの眺めはなかなかのものだ。元旦には日の出を拝もうと多くの人が集まるそうだよ。
石段に続き、さらに丸太を横に張った階段を上ると梵鐘があったよ。静かに撞くようにと書いてあったので、一つ撞かせていただき合唱した。すんだ余韻が長く響く。
朱色の褪せ具合がいい観音堂だ。すっきりとした端正なたたずまいだよ。
林道桂木線を下っていく。
林道桂木線はここまでだね。ここは天望峠というらしい。
ここからは林道滝ノ入線を下っていくんだ。
県道61号を横切り、里山道を走る。のんびりしていていい雰囲気だよ。
越辺川沿いのこの道もなかなかいい。黒山三滝を訪ねたときは反対方向からここを走ったね。
林道山入線だよ。いい景色だね。
新緑も青空も実にきれいだ。
ここからは林道楠線になるんだね。
やっと「上谷の大クス」に着いたよ。
下のベンチに腰を下ろして、お昼のおにぎりをいただきながら“大クス”を見上げていた。なんだか不思議と落ち着く。いつまでもそこにいられる。いつまでも見上げていられる。そんな特別な巨木だ。
弓立山へ向かう。普門寺前の急坂だ。途中で歩きたくなるくらいのきつい坂だよ。
急坂を上りきったところからの景色だよ。
弓立山の頂上だ。とっつきからここまで、それほどきつい勾配ではなかった。
やはり自転車で上ってきた青年に写してもらったよ。
「数年前に山火事があってこの辺が燃えたんですよ」
歩いて上ってきた別の男性が言った。
「展望台はそれから取り壊されてしまったんです。山頂の標柱も少し焦げているでしょう」
「誰か火を使ったんですかね。それとも自然発火だったんでしょうか。展望台がなくなったのは残念ですね」
「ここからの景色はすばらしいですね。天気がいいから遠くまで見えますね」
ここはヒルクライマーにはけっこう知られた山だそうだよ。標高はそれほど高くないが、頂上からの眺めがとてもいいんだ。
「すぐ下に見えるのが都幾川町ですよ。遠くには筑波山が見えます」
「こんなに遠くまで見えるなんてラッキーですね」
「本当にそうですね」
「大きな白いマンションの見えるあたりは小川町ですよ」
遠い山並みの上にほんの少し見える雪山はもしかしたら谷川岳だろうか。とにかく、はるか遠くまで視界がおよぶほど天気がいい。
今日、このすばらしい景色に出会えて本当によかったと思う。この先どれだけたくさんこのような景色に出会えるかわからない。生きているからこそ出会えるこの景色を、しっかりと胸の奥に刻み付けておこう。
弓立山をあとに坂を下っていく。そして埼玉梨花カントリークラブの間を抜けていく。
杉や檜の中を抜け、竹林の下を行く。
下りてきたところに大きな杉の木のある神社があった。
萩日吉神社とあった。慈光寺(北西2.5km)の鎮守さんということだよ。鳥居の後ろにある巨大な杉の木は児持杉といわれ、樹齢は800年と伝えられているそうだ。
都幾川橋を渡り、ときがわ町の県道172号を行く。
都幾川の脇を走る。新緑がまぶしい。
今日最後の峠道だよ。それほどきつい勾配ではないようだ。
ほどなく松郷峠だ。ここから小川町の方へ下っていくよ。
痛々しく削られた山肌が不意に目に飛び込んできた。採石場だ。…山が削られるのはつらいね。
八高線の小さな踏切をこえ、槻川に架かる橋を渡る。
槻川沿いの静かな道を行くよ。だいぶ日が傾いてきたね。
もう一度槻川を渡る。川の表情がまた違う。ここではゆったりと流れ、穏やかに見えるよ。
道の表情も次々に変化していく。それがとても楽しい。自転車に乗るから味わえる楽しさだね。
みたび槻川を渡る。
空気がとても澄んでいるよ。風景すべての輪郭がくっきりとしている。
槻川沿いのこの道はとくにすばらしいね。
なんて静かな風景だろう。今日はよく晴れて本当によかったよ。
槻川の流れのそばまで降りてみる。このあたりからが嵐山渓谷だろうか。
ダートの遊歩道へ入っていくよ。夕方で人はほとんどいない。
沈下橋だ。これが塩沢冠水橋というんだね。いい雰囲気だなあ。
おや、飛び石橋があるよ。行ってみよう。
水辺はひっそりと静まり返っている。流れる水の音がかすかに聞こえるばかりだよ。人の声も、鳥の声も聞こえない。
もう5時だ。あたりが薄暗くなってきたよ。そろそろ駅へ急ごう。東武東上線の武蔵嵐山駅はもうすぐのはずだよ。
今日の青空は最高だったね。おかげで素晴らしい一日を過ごすことができたよ。けっこうアップダウンのあるルートだったけれど、本当に楽しかった。
さあ、帰りの電車が来たよ。お疲れさん、みみ爺。
薫風の中の林道サイクリング、気も心も晴れ晴れしますね。
こんかい、お弁当の写真がアップされていませんね。
まさか、食わずに走られましたか。
Bさんは林道サイクリングといいますが、林道をわざわざ選んで走ったわけではないんです。行く先々で林道が現れたというのが本当のところです。
お弁当の件ですが、「上谷の大クス」の下でコンビニで買ったおにぎりをいただきました。ただ、写真に収めるほどでもなかったのです。目の前の“大クス”に比べたら。
山並みの写真、雪山が幾つかありますが、男体山の左にまず日光白根山、その更に左が武尊山、一番左側が谷川岳でしょうか。
IWAさんも一緒に走ることができたらよかったですね。またいつかご一緒しましょう。
それはそうと、4日、5日と高崎線、上信電鉄、南牧ふれあいバスを乗り継いで南牧村へ家内を連れて行ってきました。もちろん泊まった宿は、IWAさんと一緒に宿泊した民宿月形園です。ふたたび、すばらしい景色や、いくつもの温かい人情に触れて、私も家内も深く感動して帰ってきました。