蝉の渓谷。
5月連休の後半、高崎線、上信電鉄、南牧ふるさとバスを乗り継いで、みみ爺は家内と一緒に南牧村を訪ねたんだ。去年の秋、自転車仲間の一人と御荷鉾スーパー林道を走る前日に一泊した民宿へもう一度行ってみたいと思ったのと、美しい渓流の南牧川沿いの道を自分の足で歩いてみたいと考えたからだよ。
下仁田駅から小さなマイクロバス(南牧ふるさとバス)に乗って、「蝉の渓谷」まで来た。
観光パンフレットに紹介されているとおり、見ごたえのあるみごとな渓谷だったよ。
蝉の渓谷をあとに、県道を歩いて下っていく。とにかく今回はなるべく歩くつもりで来たんだ。
山は新緑に覆われている。川はとてもきれいだ。
集落の姿は素朴でとてもいい雰囲気だね。しかし人の姿が見当たらない。
南牧村は日本一高齢化の進む限界集落だ。テレビのニュースか何かでそんなことを報じていたのを思い出しながら眺めると、5月の日ざしをいっぱいにあびている明るい集落の景色がどこか淋しい。
民宿の近くの川沿いの崖の上にあった庚申塔だよ。旅情を感じるね。
民宿・月形園のお風呂は二階にある。大きな窓の外には南牧川のきれいな姿を見下ろすことができるんだ。宿に着いてすぐそのお風呂に入り、夕食までの時間河原へ降りてみたよ。南牧村には、夏場、子供たちの水遊びができるスポットがたくさんあるというパンフレットの案内が納得できる。
宿の夕食は、低料金の民宿とは思えないほどの品数があり、とても豪華だよ。
「今日は特別に多いんですよ」
と、おかみさん。
「おお~っ!」
私たちのほかにオートバイのツーリングで来ていた若い人たちの声だ。
このほかに郷土料理の「おっきりこみうどん」というのがつく。これがまたとてもおいしい。
みみ爺は全部食べ切れなかった。残した料理をオートバイ・ツーリングの若い人たちに食べてもらったんだ。
「いただきま~す!」
気持ちよく引き受けてくれたよ。
料理の味付けはどちらかというと薄味だが上品な味付けでとても美味しい。
こちらの民宿は、おかみさん一人で切り盛りしているということだった。子供たちは東京へ出てしまっているそうだよ。しかし、忙しいときには近くに住むお姉さん夫婦が手伝いに来てくれるという。今日も来てくれている。とてもてきぱきとした気さくなお姉さんだよ。
「南牧村のよさがもっと広まって、お客さんがたくさん来てくれるといいですね」
「たくさん来てくれなくてもいいわよ」
本業を持つお姉さんは笑いながらいう。
部屋は、テレビのある居間とは別に隣に寝室が用意してあった。もちろんシーツや枕カバーは清潔で、布団も温かい。ゆっくり休むことができるよ。
村に現れる動物たちの話が出たとき、
「鹿の鳴き声は、何というかもの悲しく聞こえるんですよ」
と、おかみさん。
秋に来たとき、みみ爺はその声を聞くことができたけれど、今回はぐっすり眠ってしまって聞くことができなっかた。
翌朝、宿の前の河原に立つ二本の銀杏の木を見ると、萌え出たばかりのやわらかな色の新緑に包まれていたよ。秋に見たときは、きれいに黄葉していてとても美しかった。形のいい姿をした銀杏の木なんだ。
今日は南牧川に沿って下仁田の町まで10キロほど歩いていくつもりで宿を出たんだ。昨日に引き続きとてもよく晴れているよ。
県道を歩かなければならない箇所が二つほどあるが、それは数百メートルほどで、あとは県道とは川をはさんで反対側の、ほとんど崖伝いに続く静かな道だよ。県道と違い、車はまったく来ない。どこまでも続く渓谷のような南牧川の美しい景色を右手に眺めながら歩くことができるよ。
みみ爺は、とにかく南牧川沿いを歩きたいと、以前から思っていたんだ。
低いガードレールが一本あるだけの、崖っぷちにずっと続く道なのだ。まるで渓谷といってもいいほどに美しい流れに見とれて足を運んでいると、ついガードレールすれすれを歩いていて怖い思いをする。
岩山も新緑に包まれている。
すばらしい景色だね。
道の駅に寄るために県道側へ橋を渡る。かなり古い橋で渡るのがちょっと怖い。
どこまで行っても渓谷のようなきれいな南牧川だ。
道の駅「オアシス南牧」には連休ということもあって、たくさんの観光客が訪れていた。ほとんど車できている人たちだ。
道の駅を出て、しばらくのあいだ県道を進み、対岸へ渡るために次の橋を渡って歩いていると、不意に後ろから女性の声に呼び止められた。振り返ると、民宿のおかみさんのお姉さんだった。
「そろそろ通るかと思って待っていたんですよ。ちょっと上がってコーヒーでも飲んでいってください」
道を急いでいたけれど、お姉さんの親切を断るわけにはいかない。
こざっぱりしたまだ新しい美容室内のテーブルで、ドリップ式で本格的に入れてくれた美味しいコーヒーをいただいた。
「結局仕事がないから若い人たちはみんな都会へ出て行っちゃう」
南牧村では、移住を希望する若い人たちを呼び込むために、空き家を新築物件のようにリフォームして、驚くほどの低い賃貸料で貸すなど、いろいろと考えているようだ。
「移住してくる若い人もいるんですよ。でも、なかなか周囲と馴染めないでまた出て行ってしまう方もいます」
「どんどん若い人が入ってきてくれるといいですね」
「そうですね」
「いいところだと思うんですけどね」
「何も無いところですよ」
「何も無いところがいいんですよ。何か昔の日本の姿があるようで」
と、家内。
「それはそうですね。原風景といいますか、そういうのはありますね」
と、お姉さん。
「秋にまた来たいと思っています」
「秋はきれいですよ、紅葉が」
お姉さんは手作りのウドの味噌づけを出してくれた。ヨウジで刺していただくととても美味しい。家内はその作り方を熱心に聞いている。
「ウドは道の駅に売っていたんですけど、買ってきませんでした。どこかで見つけてぜひ作ってみます」
家内が言うと、お姉さんは急に立ち上がって、どこかへ電話かけた。
それからしばらくすると、ニコニコと優しそうな笑顔を見せながら男の人が入ってきた。お姉さんのご主人だという。手にはビニール袋を提げている。
「ウドを買ってきましたよ」
お姉さんはご主人に電話をしたのだ。こちらの気持ちを聞くこともなく、すばやく手配してくれたお姉さんの行動はてきぱきとして驚くほど早い。
ご主人が、ウドと一緒に買ってきてくれた、胡桃が上にのった美味しい蒸しパンをいただいていると、お姉さん夫婦はいろいろな話をしてくれた。
「最近この近くで空き家の火事が何件もおきているんですよ」
「付け火でしょうか」
「そうですね」
「ついこの間もすぐそこで」
「怖いですね」
それからも、とりとめもなく話し込んでいるうちに、いつのまにか小一時間近く過ぎてしまった。
帰りの電車のことも気になるし、下仁田駅までまだ6キロほど距離がある。みみ爺と家内はお礼を言って出発することにした。
「駅の方に用事があって出かけるので、一緒に車に乗っていってください」
お姉さんの申し出に戸惑ったが、せっかくそう言ってくれたので、
「それでは青岩公園までお願いします。そこで作っていただいたおにぎりを食べようかと」
ご主人は笑顔で、先ほどの美味しい蒸しパンが入った袋を出して、
「これもどうぞ持っていってください」
と、持たせてくれた。あまりにいろいろと気を遣ってくれるのでみみ爺たちはすっかり恐縮してしまった。
お姉さんの運転する車に乗ると、あっという間に道を下って下仁田の町に近い青岩公園についた。
「いろいろと本当にありがとうございました」
「それでは気をつけて」
暑いほどの日差しが降り注ぐ巨大な青い色の岩の上で宿で握ってもらったおにぎりを食べながら、
「お姉さん、私たちを呼び止めて時間をとらせてしまったので、気を遣って車で送ってくれたのよ」
「そうだね、近くに用事があるなんて言って」
「民宿のおかみさんも、お姉さんも、お姉さんのご主人も、いい人たちね」
「月形園、よかっただろう」
「秋にまた来たいわね」
「秋にまた来よう」
駅に向かう途中、民宿の料理に出てきたこんにゃくを買って帰るため、教えてもらったお店を探した。
「下仁田で一番美味しいこんにゃくを作っているお店なんですよ。でも、そのお店は今月いっぱいで閉めてしまうんです。残念ですけれど」
と、おかみさんもお姉さんも口をそろえて言った。
下仁田の町をうろうろしてようやくその店を見つけた。大きな店だった。
「残念ですね。こちらのお店が一番美味しいこんにゃくを作っていると聞いて来たんですよ」
みせにいた店員風の若い女性はちょっと返事に困った様子だったよ。
無事に帰りの電車に乗った。
「秋にまた来ましょう」
家内はさっきと同じことを繰り返す。みみ爺も同じ考えだ。
とにかく南牧川が美しい。次に来るときは、今回ひょんなことで実現できなかった道の駅から下仁田までを必ず歩こうと思った。
南牧村の民宿から下仁田の町までの南牧川沿いの道、県道側ではない山側の崖に沿った道を歩く。それだけでもすばらしいハイキングだとみみ爺は思う。
南牧村にはすばらしい山や滝がたくさんある。山登りや滝巡りももちろんいいが、美しい南牧川に沿ってのんびとり歩くのも、距離も手距ごろだし、これはこれでかなりいいハイキングコースだよ。
南牧村には何もないなんてとんでもない。山も滝もたくさんある。美しい南牧川があり、おまけに温かい人情もたくさんある。南牧村はすばらしい。
頑張れ南牧村!頑張れ月形園!
5月連休の後半、高崎線、上信電鉄、南牧ふるさとバスを乗り継いで、みみ爺は家内と一緒に南牧村を訪ねたんだ。去年の秋、自転車仲間の一人と御荷鉾スーパー林道を走る前日に一泊した民宿へもう一度行ってみたいと思ったのと、美しい渓流の南牧川沿いの道を自分の足で歩いてみたいと考えたからだよ。
下仁田駅から小さなマイクロバス(南牧ふるさとバス)に乗って、「蝉の渓谷」まで来た。
観光パンフレットに紹介されているとおり、見ごたえのあるみごとな渓谷だったよ。
蝉の渓谷をあとに、県道を歩いて下っていく。とにかく今回はなるべく歩くつもりで来たんだ。
山は新緑に覆われている。川はとてもきれいだ。
集落の姿は素朴でとてもいい雰囲気だね。しかし人の姿が見当たらない。
南牧村は日本一高齢化の進む限界集落だ。テレビのニュースか何かでそんなことを報じていたのを思い出しながら眺めると、5月の日ざしをいっぱいにあびている明るい集落の景色がどこか淋しい。
民宿の近くの川沿いの崖の上にあった庚申塔だよ。旅情を感じるね。
民宿・月形園のお風呂は二階にある。大きな窓の外には南牧川のきれいな姿を見下ろすことができるんだ。宿に着いてすぐそのお風呂に入り、夕食までの時間河原へ降りてみたよ。南牧村には、夏場、子供たちの水遊びができるスポットがたくさんあるというパンフレットの案内が納得できる。
宿の夕食は、低料金の民宿とは思えないほどの品数があり、とても豪華だよ。
「今日は特別に多いんですよ」
と、おかみさん。
「おお~っ!」
私たちのほかにオートバイのツーリングで来ていた若い人たちの声だ。
このほかに郷土料理の「おっきりこみうどん」というのがつく。これがまたとてもおいしい。
みみ爺は全部食べ切れなかった。残した料理をオートバイ・ツーリングの若い人たちに食べてもらったんだ。
「いただきま~す!」
気持ちよく引き受けてくれたよ。
料理の味付けはどちらかというと薄味だが上品な味付けでとても美味しい。
こちらの民宿は、おかみさん一人で切り盛りしているということだった。子供たちは東京へ出てしまっているそうだよ。しかし、忙しいときには近くに住むお姉さん夫婦が手伝いに来てくれるという。今日も来てくれている。とてもてきぱきとした気さくなお姉さんだよ。
「南牧村のよさがもっと広まって、お客さんがたくさん来てくれるといいですね」
「たくさん来てくれなくてもいいわよ」
本業を持つお姉さんは笑いながらいう。
部屋は、テレビのある居間とは別に隣に寝室が用意してあった。もちろんシーツや枕カバーは清潔で、布団も温かい。ゆっくり休むことができるよ。
村に現れる動物たちの話が出たとき、
「鹿の鳴き声は、何というかもの悲しく聞こえるんですよ」
と、おかみさん。
秋に来たとき、みみ爺はその声を聞くことができたけれど、今回はぐっすり眠ってしまって聞くことができなっかた。
翌朝、宿の前の河原に立つ二本の銀杏の木を見ると、萌え出たばかりのやわらかな色の新緑に包まれていたよ。秋に見たときは、きれいに黄葉していてとても美しかった。形のいい姿をした銀杏の木なんだ。
今日は南牧川に沿って下仁田の町まで10キロほど歩いていくつもりで宿を出たんだ。昨日に引き続きとてもよく晴れているよ。
県道を歩かなければならない箇所が二つほどあるが、それは数百メートルほどで、あとは県道とは川をはさんで反対側の、ほとんど崖伝いに続く静かな道だよ。県道と違い、車はまったく来ない。どこまでも続く渓谷のような南牧川の美しい景色を右手に眺めながら歩くことができるよ。
みみ爺は、とにかく南牧川沿いを歩きたいと、以前から思っていたんだ。
低いガードレールが一本あるだけの、崖っぷちにずっと続く道なのだ。まるで渓谷といってもいいほどに美しい流れに見とれて足を運んでいると、ついガードレールすれすれを歩いていて怖い思いをする。
岩山も新緑に包まれている。
すばらしい景色だね。
道の駅に寄るために県道側へ橋を渡る。かなり古い橋で渡るのがちょっと怖い。
どこまで行っても渓谷のようなきれいな南牧川だ。
道の駅「オアシス南牧」には連休ということもあって、たくさんの観光客が訪れていた。ほとんど車できている人たちだ。
道の駅を出て、しばらくのあいだ県道を進み、対岸へ渡るために次の橋を渡って歩いていると、不意に後ろから女性の声に呼び止められた。振り返ると、民宿のおかみさんのお姉さんだった。
「そろそろ通るかと思って待っていたんですよ。ちょっと上がってコーヒーでも飲んでいってください」
道を急いでいたけれど、お姉さんの親切を断るわけにはいかない。
こざっぱりしたまだ新しい美容室内のテーブルで、ドリップ式で本格的に入れてくれた美味しいコーヒーをいただいた。
「結局仕事がないから若い人たちはみんな都会へ出て行っちゃう」
南牧村では、移住を希望する若い人たちを呼び込むために、空き家を新築物件のようにリフォームして、驚くほどの低い賃貸料で貸すなど、いろいろと考えているようだ。
「移住してくる若い人もいるんですよ。でも、なかなか周囲と馴染めないでまた出て行ってしまう方もいます」
「どんどん若い人が入ってきてくれるといいですね」
「そうですね」
「いいところだと思うんですけどね」
「何も無いところですよ」
「何も無いところがいいんですよ。何か昔の日本の姿があるようで」
と、家内。
「それはそうですね。原風景といいますか、そういうのはありますね」
と、お姉さん。
「秋にまた来たいと思っています」
「秋はきれいですよ、紅葉が」
お姉さんは手作りのウドの味噌づけを出してくれた。ヨウジで刺していただくととても美味しい。家内はその作り方を熱心に聞いている。
「ウドは道の駅に売っていたんですけど、買ってきませんでした。どこかで見つけてぜひ作ってみます」
家内が言うと、お姉さんは急に立ち上がって、どこかへ電話かけた。
それからしばらくすると、ニコニコと優しそうな笑顔を見せながら男の人が入ってきた。お姉さんのご主人だという。手にはビニール袋を提げている。
「ウドを買ってきましたよ」
お姉さんはご主人に電話をしたのだ。こちらの気持ちを聞くこともなく、すばやく手配してくれたお姉さんの行動はてきぱきとして驚くほど早い。
ご主人が、ウドと一緒に買ってきてくれた、胡桃が上にのった美味しい蒸しパンをいただいていると、お姉さん夫婦はいろいろな話をしてくれた。
「最近この近くで空き家の火事が何件もおきているんですよ」
「付け火でしょうか」
「そうですね」
「ついこの間もすぐそこで」
「怖いですね」
それからも、とりとめもなく話し込んでいるうちに、いつのまにか小一時間近く過ぎてしまった。
帰りの電車のことも気になるし、下仁田駅までまだ6キロほど距離がある。みみ爺と家内はお礼を言って出発することにした。
「駅の方に用事があって出かけるので、一緒に車に乗っていってください」
お姉さんの申し出に戸惑ったが、せっかくそう言ってくれたので、
「それでは青岩公園までお願いします。そこで作っていただいたおにぎりを食べようかと」
ご主人は笑顔で、先ほどの美味しい蒸しパンが入った袋を出して、
「これもどうぞ持っていってください」
と、持たせてくれた。あまりにいろいろと気を遣ってくれるのでみみ爺たちはすっかり恐縮してしまった。
お姉さんの運転する車に乗ると、あっという間に道を下って下仁田の町に近い青岩公園についた。
「いろいろと本当にありがとうございました」
「それでは気をつけて」
暑いほどの日差しが降り注ぐ巨大な青い色の岩の上で宿で握ってもらったおにぎりを食べながら、
「お姉さん、私たちを呼び止めて時間をとらせてしまったので、気を遣って車で送ってくれたのよ」
「そうだね、近くに用事があるなんて言って」
「民宿のおかみさんも、お姉さんも、お姉さんのご主人も、いい人たちね」
「月形園、よかっただろう」
「秋にまた来たいわね」
「秋にまた来よう」
駅に向かう途中、民宿の料理に出てきたこんにゃくを買って帰るため、教えてもらったお店を探した。
「下仁田で一番美味しいこんにゃくを作っているお店なんですよ。でも、そのお店は今月いっぱいで閉めてしまうんです。残念ですけれど」
と、おかみさんもお姉さんも口をそろえて言った。
下仁田の町をうろうろしてようやくその店を見つけた。大きな店だった。
「残念ですね。こちらのお店が一番美味しいこんにゃくを作っていると聞いて来たんですよ」
みせにいた店員風の若い女性はちょっと返事に困った様子だったよ。
無事に帰りの電車に乗った。
「秋にまた来ましょう」
家内はさっきと同じことを繰り返す。みみ爺も同じ考えだ。
とにかく南牧川が美しい。次に来るときは、今回ひょんなことで実現できなかった道の駅から下仁田までを必ず歩こうと思った。
南牧村の民宿から下仁田の町までの南牧川沿いの道、県道側ではない山側の崖に沿った道を歩く。それだけでもすばらしいハイキングだとみみ爺は思う。
南牧村にはすばらしい山や滝がたくさんある。山登りや滝巡りももちろんいいが、美しい南牧川に沿ってのんびとり歩くのも、距離も手距ごろだし、これはこれでかなりいいハイキングコースだよ。
南牧村には何もないなんてとんでもない。山も滝もたくさんある。美しい南牧川があり、おまけに温かい人情もたくさんある。南牧村はすばらしい。
頑張れ南牧村!頑張れ月形園!
帰りに寄ったお姉さんの美容室で聞いた話では、おかみさんは以前にいろいろ病気もしていたみたいであまり身体が丈夫ではなさそうです。それでもあの民宿を一人で切り盛りしているんです。お客さんがいないときなど、一人で怖くはないでしょかね。お姉さんから話を聞いて、わたしの家内は涙ぐんでいました。月形園さんを、いつまでも応援したいですね。
西上州の新緑と素敵な民宿の方々、良い旅を経験されたようで羨ましいです。
何も無いなんてとんでもない、本当の豊かさって何だろうとしみじみと感じました。
「ムスコ」さんというくらいですから、きっとみみ爺よりはるかに若い方なんでしょうね。
私はもう年なので、人の多い有名な観光地などより、こんな素朴なところを訪ねる旅がいいんです。
若い方には山登りがいいかもしれませんね。南牧村にはいい山がたくさんありますよ。ただし、岩山が多く、滑落事故などかなりあるようです。登山に出かけるなら、十分気をつけてください。
masaさんは埼玉県に住んでいるそうですが、いいところにすんでいますね。奥武蔵、秩父、奥秩父と、いいところがたくさんあってうらやましい限りです。
みみ爺もときどき自転車を担いで、電車に乗って出かけますが、それでも広い埼玉の町や村や山々のほんの一部しか訪ねることができません。本当の豊かさを探しに、これからもmasaさんの住む埼玉へ出かけようと思います。
それはそれは景色もさる事ながらなんと心に残るよい旅をしたものでしょう。
これこそ旅の醍醐味であり、山里の人情ですね。
すばらしい奥様奉公でした。