コース
<上総亀山→林道川俣押込線→林道東山線→林道香木原線→林道渕ケ沢奥米線→林道高山線→林道横尾線→林道大山線→林道山中線→林道鹿原線→上総湊>
五月の連休も終わり、町は日常を取り戻し、駅も電車も通勤通学のサラリーマンや学生たちでごった返していたよ。
千葉駅からの木更津行の電車は始発だったので座ることができたが、木更津で久留里線に乗り換えると、車内は高校生でいっぱいだった。久留里駅で高校生たちが一人残らず降りてしまうと、それまでヒヨドリの大群の中にいるように賑やかだった車内が、水を打ったように静まり返った。残った乗客は前の車両とこちらの車両を合わせても3~4人だ。聞こえるのは、鉄路を走る車輪の単調な音だけになったよ。
終点の上総亀山までは、水を張られた田んぼや、新緑の山々や、よく晴れた青空などをのんびりと車窓から眺めて過ごした。
今朝はちょっと緊張したんだ。4時前からもう目が覚めてしまった。出かけるまでに何度トイレに入ったことか。緊張すると、みみ爺は腸が弛むらしい。
なぜそんなに緊張したのかというと、今日走る予定の林道のいくつかが、全線ダートの道だという以外に、自転車で走ったという詳しい情報があまり出てこないからだ。深い山の中で、途中で動けなくなったらどうするかね。
上総亀山駅は無人駅だ。連休中には観光客がたくさんいたのだろうが、連休明けの今日は誰もいない。明るい初夏の日差しが寂しいくらいだよ。
9時半くらいに出発した。
走り出して間もなく亀山湖だ。川俣大橋からの眺めだよ。
あの水色の橋は国道465号の藤林大橋だね。
川俣大橋を渡りいったん国道へ出て、すぐに林道の入り口だよ。林道に入るときはいつもワクワクする。
上り坂だがたいしたことはない。林道には上り坂があるのは当然だ。
みみ爺は上り坂をいやだと思ったことはない。いわゆる坂バカのように上り坂が特に好きだというわけではないが、嫌いでもない。初めて走る道への興味のほうが大きいので、坂はあまり気にならないだけだよ。
右手には、新緑の木々の隙間に亀山湖の湖面が絶えず明るく光っている。
すぐに黄色い橋が現れた。障子竹橋と書いてある。
右手に見える赤いアーチ橋は、さっき渡ってきた川俣大橋だね。左手は豊田大橋だろう。
押切沢橋からの眺めだよ。
右手の遠く、わずかに見えているのはダムだろうかね。明るい湖面だよ。空も水も青い。
川俣押込線は距離たった1キロと、とても短いけれど、まるで湖畔の遊歩道といった雰囲気で、悪くはない林道だったよ。
林道を抜けた先の月毛橋から眺めた景色だ。
月毛橋の先、亀山カントリークラブ入り口を過ぎるまで、道はこのように広く整備されているよ。
月毛トンネルのすぐ先の鮮やかな赤いアーチ橋がとてもきれいだ。
赤い橋と青空と新緑の山々の色が、見事に調和しているね。橋は小月橋という。
ふと振り返ると、親子のサルが橋のたもとを横断していたよ。
県道24号に出た。亀山湖には実に25もの橋があるらしい。
右手後方に見える赤い二つの鉄橋は、亀山1号橋と2号橋だ。
県道をしばらく上っていく。車にはたまにしか出会わない。最高だ。
ここから房総スカイラインを2キロほど走るよ。ここは有料道路で、自転車は30円だそうだ。しかし料金所はどこにあるのだろうね。
平日で車は少ないが、たまに高速道路なみに猛スピードで通り過ぎていくよ。
はじめのうちは緩やかな上りだったが、しばらくすると8%ほどの勾配になったよ。
林道の入り口は笹トンネルの先だ。トンネルを抜けるときはちょっと緊張したが幸い車は1台も来なかったよ。あ~よかった。
料金所を通ることもなく林道の入り口についたよ。
さあ、ここからはずっと林道を走るよ。楽しみ、楽しみ。
少し上るとトンネルが現れた。いよいよ林道っぽくなってきたね。
林道の、いい雰囲気の中を上って行くよ。
ダートの支線が分岐していたよ。この支線林道はまだ新しいようだ。だが、途中で行き止まりになるらしい。
さらにアップダウンを繰り返しながら次第に高度を上げていくよ。新緑がとても気持ちがいい。
このあたりからは、しばらくの間左側の崖からの落石箇所が続く。はやく通り抜けよう。しかし上り勾配だ。スピードは出せないね。
落石箇所がなくなってきたよ。やれやれ。
道が下り勾配になったね。
ここで林道東山線はおしまいだ。全線舗装されていて走りやすい気持ちのいい林道だったね。
ここからは林道香木原線だよ。
トンネルが連続して続く楽しい下り勾配だ。ここを通るのは二度目だがここは下るほうがずっと楽しい。次々にトンネルが現れる。出口の先に次のトンネルが見えたりする。
林道香木原線はここまで。あっというまだ。
ここからは左へ、林道渕ケ沢奥米線を上っていくよ。
新緑が透けるようだ。この時期だけだね。いいなあ。
だいぶ上ってきたよ。日差しはもう夏のようだね。しかしまだそれほど暑くはないよ。気持ちのいい光が周囲に満ちている。
おや、またトンネルだ。
今度は切通しだ。変化があって面白いね。
崖下を急カーブだ。
風が出てきたね。枯れた落ち葉が舞っているよ。
遠くの稜線は嶺岡中央林道の稜線だろうか。
寒くもなく、暑くもなく、明るい日差しがあって最高だよ。
ここからは林道高山線だね。
いよいよダートが始まったよ。
砂利質のダートだが、時には岩肌と砂利が混ざり合ったところもある。強くペダルを踏みこむと後輪がたちまち滑る。
おや、こんなところに馬頭観音があるよ。ちょっと手を合わせていこう。
なかなかいい景色だね。このあたりの標高は300メートルくらいあるからね。
砂利道が続く。だいぶ乾燥しているね。多少埃っぽいが、ぬかるみや水溜まりよりはいい。
おお、素晴らしい!嶺岡中央林道の稜線だ。
ここからは林道横尾線になるんだね。ダートが続くよ。
きっとこの林道は、週末ともなればオフロード仕様のオートバイがたくさん押し寄せてくるんだろうなあ。
道がえぐられているのは雨水が激しく流れた痕だろう。
深く刻まれた溝にタイヤを落とさないように走るのは結構大変だよ。しかも、上り坂では力を抜いてペダルを踏まないと、すぐに後輪が横滑りする。
それにしても、こんなところでパンクでもしたら最悪だね。…パンクだけならまだいいが、怪我でもしたらそれこそ大変、誰も助けてくれないね。
これは自撮り写真。タイミングが合わず、右足がまだペダルに乗っていない。
いくらか走りやすいところもある。このくらいなら気持ちよく走れるんだが…。
こんな具合の上りはつらいよ。砂利がなるべく地面にめり込んでいるところを選んで走るよ。道のわきの草の上を走るときもある。砂利が少ない分走りやすいこともあるんだ。
この辺はかなり荒れた急勾配で、とうとう自転車を押して歩いたよ。しかし足の置き所が悪いとズルッと靴が滑ってしまうんだ。勾配がきついから、雨水も勢いよく流れ、道をこんなふうに削るのだろうね。
大きな岩が露出している個所もある。乗り上げるときつい。
ずっとアップダウンが続いたが、いくらか走りやすくなったよ。しかし深い山の中だ。人にも自転車にもバイクにも全く出会わない。
上り坂のピークを過ぎると、道はどんどん下っていくよ。ブレーキを握りっぱなしで手が疲れる。砂利がとがっている。パンクが怖い。サドルからお尻を浮かして、ホイールが受ける衝撃を膝で吸収するようにして下った。
小さな集落に出た。
何やらお堂のような建物があったよ。ここでお昼にすることにした。
コンビニで買ってきたおにぎりを食べ、コーヒーを沸かして飲んだよ。上総亀山駅付近にはコンビニはないので、電車に乗る前に用意しておいてよかった。
お堂の前の景色だ。山の中の小さな集落は静かでとてものどかだよ。
お堂のあったところから間もなく、林道松節線の分岐点についた。きつかった林道横尾線はここまでで、ここからは林道大山線だ。
林道大山線は距離こそ短いが、前半は大きめの石がごろごろしていて、しかも結構きつい勾配の上りがあり、やはり走りにくいダートだ。
林道が県道88号にぶつかったところだよ。大山線は短い林道だったね。
県道を少し行くと、またすぐに林道の入り口だ。いよいよ最後のダート林道、山中線だ。
はじめのうちは、ちらほら民家の姿が見られ、道も舗装されていて走りやすかった。
路面は基本的には砂利質のダートだが、勾配がきつくなるところではコンクリートの舗装が施されているようだった。おかげで急勾配の上りでも走りやすかったよ。
林道豊岡線の分岐点だ。林道田取線につながる林道だね。
ここからは結構急な上りが続くよ。
下りもずっとダートだ。ぬかるんでいないのでたすかる。
林道山中線はここまでだ。これできついダートの林道もすべて終わりだよ。ホッとすると同時にちょっと寂しくもある。でも楽しかったね。
志駒川に沿った県道182号、通称もみじロードを下っていく。車が全く走っていない。
地蔵堂の滝だ。橋の下とある。ここは以前にも立ち寄ったことがあったね。
さあ、ここから今日最後の林道だよ。この林道は全舗装されているという。眺めのいいところがあるらしいのでちょっと期待している。なにせダート道を走っているときは、まったく景色に目をやる余裕がなかったからね。ずっと路面をにらみつけて走っていたよ。
前半は8~9%の上り勾配だよ。景色を楽しみながらゆっくりとペダルを踏む。上り坂は苦しいが嫌ではない。
上るにつれ、時折展望のきくところが現れる。なるほど。
下りになったと思うと、あっという間に林道は終点だ。
林道を抜けた先の、鹿原の集落だよ。
集落を抜けると、あとはずっと下りだ。
トンネルだよ。もとは素掘りだったのだろうが、内部の壁面はコンクリートで固めてあるようだ。
トンネルの出口から外を見るのは何となく好きだ。
なおも道は下っていく。林道鹿原線よりもむしろこちらの道のほうが、雰囲気が林道っぽくて楽しい。
林道鹿原線は「しっぱら」と読むようだが、この橋は「しかはらはし」と書いてあるね。川の名前は不入斗(いりやまず)川というらしいね。
水を張られた田んぼは、もうすっかり田植えも済んでいて青空を映して光っているよ。
今日は一日ほんとにいい天気だったね。
館山自動車道だろうか。上総湊駅はもうすぐだね。
湊川だ。
駅へ行く前に、まだ立ち寄ったことのない岩谷観音堂へ行ってみることにしたよ。
小さなお堂の背後の岩の壁面に、いくつもの横穴が穿たれている。岩谷観音堂の正式名称は大悲山岩谷堂清巌寺というそうだ。
とても神秘的で不思議な空間だ。
洞窟は第1窟から第14窟まであり、阿弥陀如来像や仁王像などたくさんの仏像が刻まれていて、一巡すると全国の霊場を巡礼したのと同じご利益があるというよ。
横穴と横穴は狭く急な階段でつながれているよ。ちょっと楽しい。子供のころあこがれた謎の砦のようだ。
ここにはなぜか椅子とテーブルが置いてあり、テーブルの上にはランタンが一つ。
不思議な岩谷観音堂を今日の旅の最後に、みみ爺は上総湊の駅へ向かった。
ダートの林道はきつかったが、サルの親子に出会ったり、大きな蛇に驚かされたり、鹿の親子が目の前を横切ったりと、いろいろあって楽しい一日だったよ。
今日も無事でよかったね。お疲れさん、みみ爺。
<上総亀山→林道川俣押込線→林道東山線→林道香木原線→林道渕ケ沢奥米線→林道高山線→林道横尾線→林道大山線→林道山中線→林道鹿原線→上総湊>
五月の連休も終わり、町は日常を取り戻し、駅も電車も通勤通学のサラリーマンや学生たちでごった返していたよ。
千葉駅からの木更津行の電車は始発だったので座ることができたが、木更津で久留里線に乗り換えると、車内は高校生でいっぱいだった。久留里駅で高校生たちが一人残らず降りてしまうと、それまでヒヨドリの大群の中にいるように賑やかだった車内が、水を打ったように静まり返った。残った乗客は前の車両とこちらの車両を合わせても3~4人だ。聞こえるのは、鉄路を走る車輪の単調な音だけになったよ。
終点の上総亀山までは、水を張られた田んぼや、新緑の山々や、よく晴れた青空などをのんびりと車窓から眺めて過ごした。
今朝はちょっと緊張したんだ。4時前からもう目が覚めてしまった。出かけるまでに何度トイレに入ったことか。緊張すると、みみ爺は腸が弛むらしい。
なぜそんなに緊張したのかというと、今日走る予定の林道のいくつかが、全線ダートの道だという以外に、自転車で走ったという詳しい情報があまり出てこないからだ。深い山の中で、途中で動けなくなったらどうするかね。
上総亀山駅は無人駅だ。連休中には観光客がたくさんいたのだろうが、連休明けの今日は誰もいない。明るい初夏の日差しが寂しいくらいだよ。
9時半くらいに出発した。
走り出して間もなく亀山湖だ。川俣大橋からの眺めだよ。
あの水色の橋は国道465号の藤林大橋だね。
川俣大橋を渡りいったん国道へ出て、すぐに林道の入り口だよ。林道に入るときはいつもワクワクする。
上り坂だがたいしたことはない。林道には上り坂があるのは当然だ。
みみ爺は上り坂をいやだと思ったことはない。いわゆる坂バカのように上り坂が特に好きだというわけではないが、嫌いでもない。初めて走る道への興味のほうが大きいので、坂はあまり気にならないだけだよ。
右手には、新緑の木々の隙間に亀山湖の湖面が絶えず明るく光っている。
すぐに黄色い橋が現れた。障子竹橋と書いてある。
右手に見える赤いアーチ橋は、さっき渡ってきた川俣大橋だね。左手は豊田大橋だろう。
押切沢橋からの眺めだよ。
右手の遠く、わずかに見えているのはダムだろうかね。明るい湖面だよ。空も水も青い。
川俣押込線は距離たった1キロと、とても短いけれど、まるで湖畔の遊歩道といった雰囲気で、悪くはない林道だったよ。
林道を抜けた先の月毛橋から眺めた景色だ。
月毛橋の先、亀山カントリークラブ入り口を過ぎるまで、道はこのように広く整備されているよ。
月毛トンネルのすぐ先の鮮やかな赤いアーチ橋がとてもきれいだ。
赤い橋と青空と新緑の山々の色が、見事に調和しているね。橋は小月橋という。
ふと振り返ると、親子のサルが橋のたもとを横断していたよ。
県道24号に出た。亀山湖には実に25もの橋があるらしい。
右手後方に見える赤い二つの鉄橋は、亀山1号橋と2号橋だ。
県道をしばらく上っていく。車にはたまにしか出会わない。最高だ。
ここから房総スカイラインを2キロほど走るよ。ここは有料道路で、自転車は30円だそうだ。しかし料金所はどこにあるのだろうね。
平日で車は少ないが、たまに高速道路なみに猛スピードで通り過ぎていくよ。
はじめのうちは緩やかな上りだったが、しばらくすると8%ほどの勾配になったよ。
林道の入り口は笹トンネルの先だ。トンネルを抜けるときはちょっと緊張したが幸い車は1台も来なかったよ。あ~よかった。
料金所を通ることもなく林道の入り口についたよ。
さあ、ここからはずっと林道を走るよ。楽しみ、楽しみ。
少し上るとトンネルが現れた。いよいよ林道っぽくなってきたね。
林道の、いい雰囲気の中を上って行くよ。
ダートの支線が分岐していたよ。この支線林道はまだ新しいようだ。だが、途中で行き止まりになるらしい。
さらにアップダウンを繰り返しながら次第に高度を上げていくよ。新緑がとても気持ちがいい。
このあたりからは、しばらくの間左側の崖からの落石箇所が続く。はやく通り抜けよう。しかし上り勾配だ。スピードは出せないね。
落石箇所がなくなってきたよ。やれやれ。
道が下り勾配になったね。
ここで林道東山線はおしまいだ。全線舗装されていて走りやすい気持ちのいい林道だったね。
ここからは林道香木原線だよ。
トンネルが連続して続く楽しい下り勾配だ。ここを通るのは二度目だがここは下るほうがずっと楽しい。次々にトンネルが現れる。出口の先に次のトンネルが見えたりする。
林道香木原線はここまで。あっというまだ。
ここからは左へ、林道渕ケ沢奥米線を上っていくよ。
新緑が透けるようだ。この時期だけだね。いいなあ。
だいぶ上ってきたよ。日差しはもう夏のようだね。しかしまだそれほど暑くはないよ。気持ちのいい光が周囲に満ちている。
おや、またトンネルだ。
今度は切通しだ。変化があって面白いね。
崖下を急カーブだ。
風が出てきたね。枯れた落ち葉が舞っているよ。
遠くの稜線は嶺岡中央林道の稜線だろうか。
寒くもなく、暑くもなく、明るい日差しがあって最高だよ。
ここからは林道高山線だね。
いよいよダートが始まったよ。
砂利質のダートだが、時には岩肌と砂利が混ざり合ったところもある。強くペダルを踏みこむと後輪がたちまち滑る。
おや、こんなところに馬頭観音があるよ。ちょっと手を合わせていこう。
なかなかいい景色だね。このあたりの標高は300メートルくらいあるからね。
砂利道が続く。だいぶ乾燥しているね。多少埃っぽいが、ぬかるみや水溜まりよりはいい。
おお、素晴らしい!嶺岡中央林道の稜線だ。
ここからは林道横尾線になるんだね。ダートが続くよ。
きっとこの林道は、週末ともなればオフロード仕様のオートバイがたくさん押し寄せてくるんだろうなあ。
道がえぐられているのは雨水が激しく流れた痕だろう。
深く刻まれた溝にタイヤを落とさないように走るのは結構大変だよ。しかも、上り坂では力を抜いてペダルを踏まないと、すぐに後輪が横滑りする。
それにしても、こんなところでパンクでもしたら最悪だね。…パンクだけならまだいいが、怪我でもしたらそれこそ大変、誰も助けてくれないね。
これは自撮り写真。タイミングが合わず、右足がまだペダルに乗っていない。
いくらか走りやすいところもある。このくらいなら気持ちよく走れるんだが…。
こんな具合の上りはつらいよ。砂利がなるべく地面にめり込んでいるところを選んで走るよ。道のわきの草の上を走るときもある。砂利が少ない分走りやすいこともあるんだ。
この辺はかなり荒れた急勾配で、とうとう自転車を押して歩いたよ。しかし足の置き所が悪いとズルッと靴が滑ってしまうんだ。勾配がきついから、雨水も勢いよく流れ、道をこんなふうに削るのだろうね。
大きな岩が露出している個所もある。乗り上げるときつい。
ずっとアップダウンが続いたが、いくらか走りやすくなったよ。しかし深い山の中だ。人にも自転車にもバイクにも全く出会わない。
上り坂のピークを過ぎると、道はどんどん下っていくよ。ブレーキを握りっぱなしで手が疲れる。砂利がとがっている。パンクが怖い。サドルからお尻を浮かして、ホイールが受ける衝撃を膝で吸収するようにして下った。
小さな集落に出た。
何やらお堂のような建物があったよ。ここでお昼にすることにした。
コンビニで買ってきたおにぎりを食べ、コーヒーを沸かして飲んだよ。上総亀山駅付近にはコンビニはないので、電車に乗る前に用意しておいてよかった。
お堂の前の景色だ。山の中の小さな集落は静かでとてものどかだよ。
お堂のあったところから間もなく、林道松節線の分岐点についた。きつかった林道横尾線はここまでで、ここからは林道大山線だ。
林道大山線は距離こそ短いが、前半は大きめの石がごろごろしていて、しかも結構きつい勾配の上りがあり、やはり走りにくいダートだ。
林道が県道88号にぶつかったところだよ。大山線は短い林道だったね。
県道を少し行くと、またすぐに林道の入り口だ。いよいよ最後のダート林道、山中線だ。
はじめのうちは、ちらほら民家の姿が見られ、道も舗装されていて走りやすかった。
路面は基本的には砂利質のダートだが、勾配がきつくなるところではコンクリートの舗装が施されているようだった。おかげで急勾配の上りでも走りやすかったよ。
林道豊岡線の分岐点だ。林道田取線につながる林道だね。
ここからは結構急な上りが続くよ。
下りもずっとダートだ。ぬかるんでいないのでたすかる。
林道山中線はここまでだ。これできついダートの林道もすべて終わりだよ。ホッとすると同時にちょっと寂しくもある。でも楽しかったね。
志駒川に沿った県道182号、通称もみじロードを下っていく。車が全く走っていない。
地蔵堂の滝だ。橋の下とある。ここは以前にも立ち寄ったことがあったね。
さあ、ここから今日最後の林道だよ。この林道は全舗装されているという。眺めのいいところがあるらしいのでちょっと期待している。なにせダート道を走っているときは、まったく景色に目をやる余裕がなかったからね。ずっと路面をにらみつけて走っていたよ。
前半は8~9%の上り勾配だよ。景色を楽しみながらゆっくりとペダルを踏む。上り坂は苦しいが嫌ではない。
上るにつれ、時折展望のきくところが現れる。なるほど。
下りになったと思うと、あっという間に林道は終点だ。
林道を抜けた先の、鹿原の集落だよ。
集落を抜けると、あとはずっと下りだ。
トンネルだよ。もとは素掘りだったのだろうが、内部の壁面はコンクリートで固めてあるようだ。
トンネルの出口から外を見るのは何となく好きだ。
なおも道は下っていく。林道鹿原線よりもむしろこちらの道のほうが、雰囲気が林道っぽくて楽しい。
林道鹿原線は「しっぱら」と読むようだが、この橋は「しかはらはし」と書いてあるね。川の名前は不入斗(いりやまず)川というらしいね。
水を張られた田んぼは、もうすっかり田植えも済んでいて青空を映して光っているよ。
今日は一日ほんとにいい天気だったね。
館山自動車道だろうか。上総湊駅はもうすぐだね。
湊川だ。
駅へ行く前に、まだ立ち寄ったことのない岩谷観音堂へ行ってみることにしたよ。
小さなお堂の背後の岩の壁面に、いくつもの横穴が穿たれている。岩谷観音堂の正式名称は大悲山岩谷堂清巌寺というそうだ。
とても神秘的で不思議な空間だ。
洞窟は第1窟から第14窟まであり、阿弥陀如来像や仁王像などたくさんの仏像が刻まれていて、一巡すると全国の霊場を巡礼したのと同じご利益があるというよ。
横穴と横穴は狭く急な階段でつながれているよ。ちょっと楽しい。子供のころあこがれた謎の砦のようだ。
ここにはなぜか椅子とテーブルが置いてあり、テーブルの上にはランタンが一つ。
不思議な岩谷観音堂を今日の旅の最後に、みみ爺は上総湊の駅へ向かった。
ダートの林道はきつかったが、サルの親子に出会ったり、大きな蛇に驚かされたり、鹿の親子が目の前を横切ったりと、いろいろあって楽しい一日だったよ。
今日も無事でよかったね。お疲れさん、みみ爺。
いま走らずしていつ走るって問うてしまいそうな今日この頃です。
相変わらずの林道家ですね。
『きつい』とおっしゃるのは、確かにアップダウンも1,000m程ですけれども、それよりも、横尾林道と山中林道の押し歩きの区間なのでしょうね。
山中は以前に志駒側から、全線押し歩きましたので大体は知ってますが、横尾は知らないのですが、あのイワさんが暇を持て余した挙句に走ってと言うか歩いて、その酷さを聞いてましたので、今はあまり触手が向きません。
距離も、君鴨から、金束までとすっごく長いですものね。
あの、道を壊して走るオフロードマニアにはとても興味をそそる林道なのでしょうが。
しかし、お天気にも恵まれ良い山旅でした。
しかし、そろそろ千葉の林道やトンネルも品切れ気味な気がします。
困りました。
■ブログ中の「みみ爺は上り坂をいやだと思ったことはない。いわゆる坂バカのように上り坂が特に好きだというわけではないが、嫌いでもない。初めて走る道への興味のほうが大きいので、坂はあまり気にならないだけだよ。」というのは名言ですね。上り坂をみかけたら思い出します。しんどさも少なくなると思います。
■機会があったらこのルートもトレースしたいと思います。今度みみさん企画に参加させて頂けるとうれしいです。よろしくお願いします。
素掘りのトンネルや古いトンネルが沢山あって、ちょっとドキドキ
景色も良く、いい所だな~と思いました