小川町を出発して、ここは槻川の相生橋のたもとだよ。
今日は天気がよくなるということで出てきたけれど、重たげな雲が空を覆っている。そのうち晴れてくることを祈りつつペダルをこぎ始めたよ。
朝まだ静かな街はずれを抜けていく。彼岸花の季節だね。空気がちょっと冷たい。
空は灰色の雲に覆われたままだが、わずかに薄日が差してきたよ。
輪行で出かけてくるのは、昨年の11月に柳沢峠を走った時以来だ。新型コロナウイルスの感染が怖くてずっと引きこもっていたわけだけれど、とうとうじっとしていられなくなってしまったんだ。山の景色、山の空気が懐かしい。
のんびりペダルをこいでいると、一台の車がみみ爺の自転車の右側を並走し始めたんだ。コロナ禍で、何か嫌がらせでもされるのかと思った。気づかぬふりをして走っていると、車はなおもぴたりたりと横につけたまま、こちらのスピードに合わせて並走を続ける。あまりに気になるので振り向くと、窓を開けていきなり、
「素敵ですねえ」
と声をかけてきた。
「いいですねえ、ランドナー」
「ありがとうございます」
車はそれからしばらく並走を続け、やがて、
「気を付けてください」
と走り去っていった。
てっきり嫌がらせかと思ったのだが、逆に「素敵ですねえ」と言われたので、拍子抜けしたのと同時になんだかとても嬉しかった。
矢岸歩道橋だよ。この橋は対岸の県道側からは渡ったことがあるけれど、こちら側からは初めてだ。みみ爺の好きな橋だよ。
県道から見る槻川だ。
県道の大河原橋から眺めた槻川の上流方向だ。山を背にした静かな流れはいいなあ。
保育園の子供たちの散歩だろうか。ほのぼのとした、何となく癒される風景だね。
「道の駅ひがしちちぶ」だ。人が少ないね。平日ということもあるけれど、、コロナの影響もあるんだろうなあ。
槻川の右岸の道を行く。対岸の県道と違って車も通らずとても静かだよ。青空が少し見える。うれしいねえ。
杉に囲まれた道をさらに進む。こんな道を走るのは本当に気持ちがいい。。
あっ!橋がない。
すぐそばの家の庭先で洗濯物を干していた婦人がいたので訊いてみた。
「去年の19号台風で橋げたまですっかり流されてしまったんですよ。この家もすぐそこまで水が来て、この辺はみんな避難したんですよ」
「いつ頃再建されるんでしょうかね」
「役場では、5年先になるか6年先になるかわからないって言ってるんですよ」
以前はこんな橋があったんだよ。
仕方なく来た道を戻り、大門橋を渡って県道を左へ行く。
先に見えて来たのが落合橋だ。
落合橋を渡り、そのまま県道11号を行くよ。この県道は熊谷小川秩父線というそうだ。
落ち合い橋から300メートルほど行ったところにある長谷田橋からの槻川だよ。
さらに進むと、橋場というバス停の近くに皆谷地蔵堂という小さなお堂があった。赤子を抱いた優しい表情のお地蔵様がいたよ。
お地蔵様に旅の安全をお願いして再びペダルを踏む。
道の勾配が少し増してきたころ、こんな看板が現れたんだ。この先各所崖崩れとある。何となく不安になるが先へ進む。
勾配がさらに増してくるよ。
擁壁が緑の苔で覆われているよ。しっとりとした山の空気がたまらない。
槻川の流れが細く早くなってきたね。
寺の屋根が見えるよ。ちょっと寄ってみよう。
県道の縁から、いきなり雰囲気のある石段だ。
簡素で静かな本堂だ。長慶寺という、曹洞宗のお寺だそうだよ。曹洞宗が禅宗の一つであることから、この寺のたたずまいが何となくわかる気がする。
ご本尊は勢至菩薩像というのだろうか。
県道11号をさらに上っていく。長慶寺からさほど遠くない白石橋と流れの様子だ。
さらに先へ進むと工事現場だ。作業員たちは、みみ爺の自転車がのそのそ通り過ぎるまで重機を止めていてくれたよ。ありがとう。
ふたたび、工事中の看板だ。この先大丈夫だろうかね。
だいぶ上ってきたよ。道からの景色がだんだんよくなってくるね。
おや、また工事現場だ。いったい何個所崩れているのだろう。
沢を下ってくる水が小さな滝の連続のようだ。
いい景色だなあ。もう少し晴れていればもっといいんだがね。
いよいよ林道秩父高原線だよ。以前からいつか走ってみたいと思っていた林道なんだ。
通行止めとなっているよ。しかし、自転車なら何とか通れるかもしれない。もし通れなければ戻ってこよう。よし、行くぞ!もちろん自己責任で。
古い落ち葉が路面に貼り付いている。だいぶ長いこと通行止めが続いているようだね。
荒れた感じがするよ。
ああっ!崩れている!
どうしよう。これじゃあ通行止めになるわけだ。
強行突破するなら、狭い側溝の上を行くしかないが、ちょっと怖いね。
自転車を押して慎重に渡った。途中で足元が崩れないことを祈って。
おお~、怖かったよ。
落ち葉が貼り付いた路面は、さっきよりさらに荒れた感じだ。
あれっ、今度は道がえぐられてなくなっているよ。通れるだろうか。
遥か前方にガードレールのようなものが見える。あそこまで行くことができれば、また道に出られそうだね。途中が崩れていなければの話だが。
とにかく行ってみよう。だめだったら戻るしかない。
自転車を、土が流されて1メートルほど落ち込んだ下へおろし、砂利と草に覆われた道を押して進む。
後でグーグルで調べたら、ここはもともとダートの部分だったようだよ。それが、表面の土が流されてその分落ち込んでしまったんだね。
なんとか行けそうだよ。今度は自転車を上へ持ち上げなければ。
どうにかこうにかクリヤーしたが、この先はどうだろうか。また、もっとひどい崩落現場に出たらどうしよう。
それ以上道をふさがれることもなく、何とか林道は抜けることができたよ。
崩落で通行止めがなければ、この林道はアップダウンもほとんどなくて走りやすく、静かでいい道だなんだが。
とにかくほっとした思いだよ。
このあたりの地名は皆谷という。笠山はじめ高い山々に四方を囲まれている。そのため、日の短い冬などは太陽が高く昇らないとなかなか村に光が差し込まない。皆谷という地名はこのような地形から名付けられたそうだ。
前方の老杉は朝日根八幡神社の杉だ。
行く手に暗い木のトンネルの入り口が見える。何となくわくわくするような雰囲気だよ。
この坂は、自転車を押して上ろうかと思ったほどの急勾配だった。フロント24T、リア32Tの超軽いギアーでもきつい。なぜこんなにきつい坂でも頑張るのか自分でもよくわからない。押して歩けばいいのに。意地になってペダルを踏んでいる。
なんとか急勾配を上り切ったこのあたりから高原牧場の敷地内に入るようだ。勾配が緩くなりほっとする。
ところが、ほっとしたのも束の間、またも目の前に、さらに巨大な崩落現場が現れたんだ。
ああ~、これはダメかな、戻るしかないかなと、半ば諦めかけた。
もう少し近くへ寄ってみよう。
恐る恐る近寄ってみると、崩れ落ちた崖際の草むらに何となく人の歩いたような痕跡が残っている。行けるかもしれない。
自転車を押して、そろりそろりと崖際の草の中へ。
ザザーッ!
と、崩れたらおしまいだ。だれも助けには来てくれないだろう。息を止めて緊張して進んだ。
あ~よかった。
あとで写真を見ると、いつ崩れてもおかしくないようなありさまだった。いまだに、夜、布団の中で何度もこの場面を思い出しては目が冴え返ってしまう。
もうこれ以上崩落個所がないことを祈りながら先へ進む。
おやっ、またか?
しかしこれは大丈夫そうだね。
ああ、いい感じの道だなあ。静かでいいなあ。
稜線に出たようだからもう大丈夫だろう。
崩落個所を手書きで記した地理院地図だよ。
秩父高原牧場の直売所や、「めーめーハウス」は平日で閉まっている。
大きな駐車場の前のベンチでお昼にした。
おにぎりとコーヒーとシジミの味噌汁だ。
牛はたくさんいたけれど、人は中国人観光客が数人いただけで、静かでよかった。ゆっくりおにぎりを食べることができたよ。
でも、天気はいまいちだ。
崩れている個所はもうなかったが、通行止めになっているところはあった。そこを過ぎると二本木峠だ。
林道和知場線はこの二本木峠から和知場集落を抜けて県道294号へ下りていく道だね。
杉木立の間に県道が見えるよ。あれは皆野のほうへ下る361号だね。
こんなふうに木の間から見下ろす風景は好きだなあ。
地図には名前が載っていなかったが、ぐみの木峠というんだね。
このあたりでも熊は出るんだ。まさか熊は出ないだろうと高をくくって、クマよけ鈴は持ってこなかったよ。鈴の代わりに、大きな声で独り言をしゃべってみたりする。
釜伏峠だ。この先はずっと下りだよ。 もう崩落もなさそうだ。一安心だね。
さあ、下って行こう。
あっという間に中間平だ。
展望台へ登ってみたよ。天気がよければ、きっともっと素晴らしい景色なんだろう。
小さな集落があった。
空が分厚い灰色の雲に覆われているうえに、この薄暗い山の中で、突然ナビが電波を受信しなくなった。この道で大丈夫なのか疑心暗鬼のまま下っていく。
明るいところに出て、ナビが正常に作動し始めたのでほっとした。
ここはサンショウウオの里というようだ。サンショウウオを見ることができるのだろうか。
県道294号を少し進む。車は少ない。
折原小学校の前を通っていくと、實聞寺という小さなお寺があった。覗いてみると、本堂の前に「たわし地蔵」というのがあったよ。
お地蔵様を自分の体に見立てて、調子の悪いところや病んでいるところをタワシで洗うことにより、回復祈願ができるという。回復したらそのタワシを奉納するそうだ。
八高線の踏切を越えて、線路沿いの静かな道を小川町まで行くんだよ。
途中、こんな橋があった。
折原と竹沢の中間あたりに一か所小さな山越えがあるが、これは大した坂ではない。
あとはまた、ひたすら線路伝いに行く。
蟹沢沼緑地だ。小さな公園になっている。
ここから小川町は目と鼻の先だよ。
お疲れさん、みみ爺。
今日は本当にハラハラ、ドキドキするところがあったね。でも過ぎてみれば楽しかったよ。
林道秩父高原線は、今は通行止めになっているけれど、崩落個所が修復されて開通したら、静かで走りやすい、素敵ないい林道だと思う。
とにかく楽しかった。やっぱり自転車旅はいい。元気なうちはまだまだ走ろう。
今日は天気がよくなるということで出てきたけれど、重たげな雲が空を覆っている。そのうち晴れてくることを祈りつつペダルをこぎ始めたよ。
朝まだ静かな街はずれを抜けていく。彼岸花の季節だね。空気がちょっと冷たい。
空は灰色の雲に覆われたままだが、わずかに薄日が差してきたよ。
輪行で出かけてくるのは、昨年の11月に柳沢峠を走った時以来だ。新型コロナウイルスの感染が怖くてずっと引きこもっていたわけだけれど、とうとうじっとしていられなくなってしまったんだ。山の景色、山の空気が懐かしい。
のんびりペダルをこいでいると、一台の車がみみ爺の自転車の右側を並走し始めたんだ。コロナ禍で、何か嫌がらせでもされるのかと思った。気づかぬふりをして走っていると、車はなおもぴたりたりと横につけたまま、こちらのスピードに合わせて並走を続ける。あまりに気になるので振り向くと、窓を開けていきなり、
「素敵ですねえ」
と声をかけてきた。
「いいですねえ、ランドナー」
「ありがとうございます」
車はそれからしばらく並走を続け、やがて、
「気を付けてください」
と走り去っていった。
てっきり嫌がらせかと思ったのだが、逆に「素敵ですねえ」と言われたので、拍子抜けしたのと同時になんだかとても嬉しかった。
矢岸歩道橋だよ。この橋は対岸の県道側からは渡ったことがあるけれど、こちら側からは初めてだ。みみ爺の好きな橋だよ。
県道から見る槻川だ。
県道の大河原橋から眺めた槻川の上流方向だ。山を背にした静かな流れはいいなあ。
保育園の子供たちの散歩だろうか。ほのぼのとした、何となく癒される風景だね。
「道の駅ひがしちちぶ」だ。人が少ないね。平日ということもあるけれど、、コロナの影響もあるんだろうなあ。
槻川の右岸の道を行く。対岸の県道と違って車も通らずとても静かだよ。青空が少し見える。うれしいねえ。
杉に囲まれた道をさらに進む。こんな道を走るのは本当に気持ちがいい。。
あっ!橋がない。
すぐそばの家の庭先で洗濯物を干していた婦人がいたので訊いてみた。
「去年の19号台風で橋げたまですっかり流されてしまったんですよ。この家もすぐそこまで水が来て、この辺はみんな避難したんですよ」
「いつ頃再建されるんでしょうかね」
「役場では、5年先になるか6年先になるかわからないって言ってるんですよ」
以前はこんな橋があったんだよ。
仕方なく来た道を戻り、大門橋を渡って県道を左へ行く。
先に見えて来たのが落合橋だ。
落合橋を渡り、そのまま県道11号を行くよ。この県道は熊谷小川秩父線というそうだ。
落ち合い橋から300メートルほど行ったところにある長谷田橋からの槻川だよ。
さらに進むと、橋場というバス停の近くに皆谷地蔵堂という小さなお堂があった。赤子を抱いた優しい表情のお地蔵様がいたよ。
お地蔵様に旅の安全をお願いして再びペダルを踏む。
道の勾配が少し増してきたころ、こんな看板が現れたんだ。この先各所崖崩れとある。何となく不安になるが先へ進む。
勾配がさらに増してくるよ。
擁壁が緑の苔で覆われているよ。しっとりとした山の空気がたまらない。
槻川の流れが細く早くなってきたね。
寺の屋根が見えるよ。ちょっと寄ってみよう。
県道の縁から、いきなり雰囲気のある石段だ。
簡素で静かな本堂だ。長慶寺という、曹洞宗のお寺だそうだよ。曹洞宗が禅宗の一つであることから、この寺のたたずまいが何となくわかる気がする。
ご本尊は勢至菩薩像というのだろうか。
県道11号をさらに上っていく。長慶寺からさほど遠くない白石橋と流れの様子だ。
さらに先へ進むと工事現場だ。作業員たちは、みみ爺の自転車がのそのそ通り過ぎるまで重機を止めていてくれたよ。ありがとう。
ふたたび、工事中の看板だ。この先大丈夫だろうかね。
だいぶ上ってきたよ。道からの景色がだんだんよくなってくるね。
おや、また工事現場だ。いったい何個所崩れているのだろう。
沢を下ってくる水が小さな滝の連続のようだ。
いい景色だなあ。もう少し晴れていればもっといいんだがね。
いよいよ林道秩父高原線だよ。以前からいつか走ってみたいと思っていた林道なんだ。
通行止めとなっているよ。しかし、自転車なら何とか通れるかもしれない。もし通れなければ戻ってこよう。よし、行くぞ!もちろん自己責任で。
古い落ち葉が路面に貼り付いている。だいぶ長いこと通行止めが続いているようだね。
荒れた感じがするよ。
ああっ!崩れている!
どうしよう。これじゃあ通行止めになるわけだ。
強行突破するなら、狭い側溝の上を行くしかないが、ちょっと怖いね。
自転車を押して慎重に渡った。途中で足元が崩れないことを祈って。
おお~、怖かったよ。
落ち葉が貼り付いた路面は、さっきよりさらに荒れた感じだ。
あれっ、今度は道がえぐられてなくなっているよ。通れるだろうか。
遥か前方にガードレールのようなものが見える。あそこまで行くことができれば、また道に出られそうだね。途中が崩れていなければの話だが。
とにかく行ってみよう。だめだったら戻るしかない。
自転車を、土が流されて1メートルほど落ち込んだ下へおろし、砂利と草に覆われた道を押して進む。
後でグーグルで調べたら、ここはもともとダートの部分だったようだよ。それが、表面の土が流されてその分落ち込んでしまったんだね。
なんとか行けそうだよ。今度は自転車を上へ持ち上げなければ。
どうにかこうにかクリヤーしたが、この先はどうだろうか。また、もっとひどい崩落現場に出たらどうしよう。
それ以上道をふさがれることもなく、何とか林道は抜けることができたよ。
崩落で通行止めがなければ、この林道はアップダウンもほとんどなくて走りやすく、静かでいい道だなんだが。
とにかくほっとした思いだよ。
このあたりの地名は皆谷という。笠山はじめ高い山々に四方を囲まれている。そのため、日の短い冬などは太陽が高く昇らないとなかなか村に光が差し込まない。皆谷という地名はこのような地形から名付けられたそうだ。
前方の老杉は朝日根八幡神社の杉だ。
行く手に暗い木のトンネルの入り口が見える。何となくわくわくするような雰囲気だよ。
この坂は、自転車を押して上ろうかと思ったほどの急勾配だった。フロント24T、リア32Tの超軽いギアーでもきつい。なぜこんなにきつい坂でも頑張るのか自分でもよくわからない。押して歩けばいいのに。意地になってペダルを踏んでいる。
なんとか急勾配を上り切ったこのあたりから高原牧場の敷地内に入るようだ。勾配が緩くなりほっとする。
ところが、ほっとしたのも束の間、またも目の前に、さらに巨大な崩落現場が現れたんだ。
ああ~、これはダメかな、戻るしかないかなと、半ば諦めかけた。
もう少し近くへ寄ってみよう。
恐る恐る近寄ってみると、崩れ落ちた崖際の草むらに何となく人の歩いたような痕跡が残っている。行けるかもしれない。
自転車を押して、そろりそろりと崖際の草の中へ。
ザザーッ!
と、崩れたらおしまいだ。だれも助けには来てくれないだろう。息を止めて緊張して進んだ。
あ~よかった。
あとで写真を見ると、いつ崩れてもおかしくないようなありさまだった。いまだに、夜、布団の中で何度もこの場面を思い出しては目が冴え返ってしまう。
もうこれ以上崩落個所がないことを祈りながら先へ進む。
おやっ、またか?
しかしこれは大丈夫そうだね。
ああ、いい感じの道だなあ。静かでいいなあ。
稜線に出たようだからもう大丈夫だろう。
崩落個所を手書きで記した地理院地図だよ。
秩父高原牧場の直売所や、「めーめーハウス」は平日で閉まっている。
大きな駐車場の前のベンチでお昼にした。
おにぎりとコーヒーとシジミの味噌汁だ。
牛はたくさんいたけれど、人は中国人観光客が数人いただけで、静かでよかった。ゆっくりおにぎりを食べることができたよ。
でも、天気はいまいちだ。
崩れている個所はもうなかったが、通行止めになっているところはあった。そこを過ぎると二本木峠だ。
林道和知場線はこの二本木峠から和知場集落を抜けて県道294号へ下りていく道だね。
杉木立の間に県道が見えるよ。あれは皆野のほうへ下る361号だね。
こんなふうに木の間から見下ろす風景は好きだなあ。
地図には名前が載っていなかったが、ぐみの木峠というんだね。
このあたりでも熊は出るんだ。まさか熊は出ないだろうと高をくくって、クマよけ鈴は持ってこなかったよ。鈴の代わりに、大きな声で独り言をしゃべってみたりする。
釜伏峠だ。この先はずっと下りだよ。 もう崩落もなさそうだ。一安心だね。
さあ、下って行こう。
あっという間に中間平だ。
展望台へ登ってみたよ。天気がよければ、きっともっと素晴らしい景色なんだろう。
小さな集落があった。
空が分厚い灰色の雲に覆われているうえに、この薄暗い山の中で、突然ナビが電波を受信しなくなった。この道で大丈夫なのか疑心暗鬼のまま下っていく。
明るいところに出て、ナビが正常に作動し始めたのでほっとした。
ここはサンショウウオの里というようだ。サンショウウオを見ることができるのだろうか。
県道294号を少し進む。車は少ない。
折原小学校の前を通っていくと、實聞寺という小さなお寺があった。覗いてみると、本堂の前に「たわし地蔵」というのがあったよ。
お地蔵様を自分の体に見立てて、調子の悪いところや病んでいるところをタワシで洗うことにより、回復祈願ができるという。回復したらそのタワシを奉納するそうだ。
八高線の踏切を越えて、線路沿いの静かな道を小川町まで行くんだよ。
途中、こんな橋があった。
折原と竹沢の中間あたりに一か所小さな山越えがあるが、これは大した坂ではない。
あとはまた、ひたすら線路伝いに行く。
蟹沢沼緑地だ。小さな公園になっている。
ここから小川町は目と鼻の先だよ。
お疲れさん、みみ爺。
今日は本当にハラハラ、ドキドキするところがあったね。でも過ぎてみれば楽しかったよ。
林道秩父高原線は、今は通行止めになっているけれど、崩落個所が修復されて開通したら、静かで走りやすい、素敵ないい林道だと思う。
とにかく楽しかった。やっぱり自転車旅はいい。元気なうちはまだまだ走ろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます