
「姿勢を正して、大きな口を開けて、あいうえおの発音を綺麗に、歌いなさい。」
その歌詞の内容が「教師を崇めるもので、民主主義にそぐわない」として
今では、あまり歌われなくなった「仰げば尊し」。
私の小学校の卒業式の歌は、「仰げば尊し」でした。
(1) 仰げば尊し 我が師の恩
教えの庭にも はや幾年
思えばいと疾し この年月
今こそ別れめ いざさらば
(2) 互いに睦し 日頃の恩
別るる後にも やよ忘るな
身を立て名をあげ やよ励めよ
今こそ別れめ いざさらば
(3) 朝夕なれにし 学びの窓
蛍のともしび つむ白雪
忘るるまぞなき ゆく年月
今こそ別れめ いざさらば
仰げば尊し_コロンビア合唱団
こないだは、現代の卒業式の定番曲「旅立ちの日に」のお話。
今日は「仰げば尊し」のお話です。
こうして文字を並べると~なんて難しい言葉の列記でしょう。

「姿勢を正して、大きな口を開けて、あいうえおの発音を綺麗に、歌いなさい。」
言葉の意味は教えられませんでしたよね。
丸暗記です。
今日はお別れの日
6年間なんて、あっという間だったよ。
先生ありがとう。
一生懸命勉強したよね。
友達のこと忘れないよ。
大きくなったら、えらい人になるよ。
えらい人になって
また会おうね。
12歳の子どもです。なんとなく
こんな感じの意味なんだろうなあ。
と。
けど
♪~身を立て名をあげ やよ励めよ
の個所では、背筋を伸ばし、
♪~いまこそ別れめ
のとこでは、妙に悲しくて号泣しながら歌ったものです。
文語体で確かに、子どもには意味を理解することは難しかったでしょう。
けど、
大人たちが口をそろえて叫んでいた
民主主義にそぐわない。という理由の方がわからない。
先生ありがとう。
一生懸命勉強して立派な人になるよ。
これのどこが、民主主義にそぐわないのかな。
先日、この「仰げば尊し」の原曲が判明したと
発表されてましたね。

・・「あおげば尊し」原曲の楽譜発見 19世紀米国の歌
卒業式でよく歌われてきた唱歌「仰げばば尊し」の原曲とみられる米国の歌の楽譜を、一橋大名誉教授(英語学・英米民謡、歌謡論)の桜井雅人さん(67)が24日までに発見した。研究者の間で長年、作者不詳の謎の曲とされていた。
桜井さんによると、曲名は「SONG FOR THE CLOSE OF SCHOOL」。米国で1871年に出版された音楽教材に楽譜が載っていた。直訳すると「学校教育の終わりのための歌」で、友人や教室との別れを歌った歌詞という。作詞はT・H・ブロスナン、作曲はH・N・Dと記されていた。
旋律もフェルマータの位置も「仰げば尊し」と全く同じという。桜井さんは約10年前から唱歌などの原曲を研究。何十曲もの旋律を頭に入れ、古い歌集や賛美歌などを調べていたところ、1月上旬に楽譜を見つけた。
桜井さんは「日本にはたどれる資料がなく、今の米国でも知られていない歌。作詞・作曲者の実像など不明な点も多く、今後解明されればうれしい」と話している。

・・日本への移植は、文部省音楽取調掛の伊沢修二らによって行われた。日本語の歌詞は、大槻文彦・里見義・加部厳夫の合議によって作られたとされている。1884年(明治17年)発行の『小学唱歌集』第3編より収録されたのが、唱歌としての始まりである。
「SONG FOR THE CLOSE OF SCHOOL」という歌に、
こんなに素晴らしい日本語を添えてくださった大槻文彦さん・里見義さん・加部厳夫さんに敬意を表します。

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