『マチネの終わりに』
平野啓一郎さん著・毎日新聞出版
読み終えています。
心の中、改めて味わいつつ。
琴線に触れた言葉たちを
紹介したいと思います。
これから読む方、
ネタバレ注意です・・☆
>「人は、変えられるのは未来だけだと
思い込んでる。だけど、実際は、
未来は常に過去を変えてるんです。
変えられるとも言えるし、
変わってしまうとも言える。過去は、
それくらい繊細で、
感じやすいものじゃないですか?」
(page 29、line 3)
>洋子は、彼を愛し始めているはずの
自分の中にさえ、その天分の眩しさに
対して、一握りの嫌な感情の存していることを、寂しい気持ちで認めた。
(page 102、line7)
>孤独というのは、つまりは、
この世界への影響力の欠如の意識だった。
自分の存在が、他者に対して、
まったく影響を持ち得ないということ。
持ち得なかったと知ること。ー
同時代に対する水平的な影響力
だけでなく、次の時代への時間的な、
垂直的な影響力。それが、他者の存在の
どこを探ってみても、見出だせないということ。
(page 121、line2)
>世界に意味が満ちるためには、
事物がただ、自分のためだけに存在する
のでは不十分なのだと、蒔野は知った。
(page158、line13)
>見たい夢を自由に見られないだけでなく、
人間は、見たくない夢を見ない自由も
与えられてはいないのだった。
(page175、line5)
人間の苦悩が、
端的に表現されていて・・
つまりは、わたしの苦悩(笑)
思わず、う~む。。
共感という、簡単な言葉では
済まされない何かがあります。
この、ひとつひとつの
言葉たちを元に
問うてみたく、
そこで出会ったものをまた
誰かに語ってみたい様な
そんな気持ちでいます。
この本に出会えて感謝・・☆
さて。いただいた手紙の
お返事を、、午後からは
ペンを取りたいと思います。