ただいま妄想中

夢、かつリアルな頭の中身をどこへ。

紙の束

2008-01-31 11:26:54 | Weblog
わたしは、紙が好きだ。
キーボードの上で、リズムを刻みながら言おう。
手紙を書いて、読む。
その血圧の上昇感は、他で味わう事はできない。

一通の手紙を持って、一通の手紙の為だけに
走る、昔あったであろう時間と空間は
堪らなく贅沢で。

閉じ込められた、極めて清潔な色気が
そこに留まりきれず、封筒の隙間から溢れ出す。
すべての感覚が、その香りの虜になる。

白い我が家のポストは、ひっそりと
ただ、その時を待ち続けている。
雨の中、陽の中、ちらつく雪の中。

また君か。
黒いインクの、まさに泥臭い様な
何の飾りもない紙の束が。

今日は、春の空気と一緒に
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赤ワインを胸に

2008-01-29 23:01:44 | Weblog
すべては、ここから始まる。
トンネルを抜けると、そこは光だった。
赤ワイン―ボッラ ヴァルポリチェッラ。
ロミオとジュリエットの、舞台郊外で作られたそれは、
驚くほどに深く。心の臓まで赤く染め上げてしまう。
甘い果実に乗って、きょうはどこまで飛んで行こう。
きりりとした冬の風を、お腹いっぱいに吸いこんで。
星よりも遠く・・・

宇宙の果てに咲き誇り、うふんと揺れるサクラ。
「なんだ、こんな所にいたのか」
もっと早く出会いたかった想いを内に秘めながら
決して醒めませんようにと、眩しい姿を焼き付ける。

ワインとか宇宙とか、自分とかサクラとか。
すべてのものがぐるぐると。
境界線がなくなった私は、飲み込まれて無になった。
なんだ、こんな簡単なことだったんだ。
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