以下、春公演のネタバレを含みます。
今回の公演のテーマは「モノ作りに対する情熱」です。これを、物語を通して描きたいと思っています。
登場人物である女優Bも監督Cも、お互いの意見こそ違えど、良い映画を作りたいという事では同じ方向を向いている。
その二人のやり取りを見て、最終的に主人公Aは昔の情熱を取り戻す。
物語を通して、主人公の変化がドラマを生むし、テーマも伝わりやすくなるのではないか?
しかし全体のテイストはシリアスに描くのではなく、コメディーテイストで描きたいと思っている。
今迄もユーモラスに物語を描く事は多かったけど、今迄よりもっと笑える作品にしたいと思っているし、それが今回の自分への課題だと思っている。
テイストというのは非常に大事だと思っていて、同じ物語でもテイストによって見ている人の感じ方は大きく変わる。
例えば映画「オデッセイ」(リドリー・スコット監督、マット・デイモン主演)は火星に残された主人公がなんとか生き残る為のサバイバルストーリーである。
この映画の良い所はそのテイストにある。生死を賭けた物語は大抵はシリアスになりがちだが、この映画の主人公は(アンディー・ウェアーの原作もそうだけど)とにかくポジティブで度重なる苦難にへこたれそうになりながら、なんとかユーモアで乗り切って行く。
そこが新鮮だし、新しいし、魅力的だ。
同じ物語をダークなハードボイルドなテイストで描けば、全く違った作品になる。
そう言った意味でも、テーマとしては真面目にしっかりと描きつつも、テイストとしてはコメディー。出来ればスラップスティック(ドタバタ)コメディーに出来ればいいと思っている。
俺にそんな実力はあるか?
笑いって、そんなに簡単なものじゃないぞ💦