フィッシュストーリー☆新潟

釣りと映画と読書と家族の雑記です

歩兵の本領

2014年12月13日 | 読書

浅田次郎 著

 

 

名誉も誇りもない、そして戦闘を前提としていない、世界一奇妙な軍隊・自衛隊。

世間が高度成長で浮かれ、就職の心配など無用の時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。

軍人としての立場を全うし、男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ。

 

 

時代は1970年代くらいでしょうか。

 

世の中は好景気に沸く高度成長期時代。

 

就職先は引く手あまたのこの時代に好んで自衛隊に志願する輩も居るはずもなく、月給は1万5千百円はあまりにも安すぎるが、娑婆に居心地の悪さを感じた若者たちが勧誘され、半ば人さらいに近い状態で自衛隊の門を潜る事になってしまった世界を、面白おかしく、時には真面目に描かれているストーリーは実に心地よく面白く拝見させていただきました。

 

自衛隊、体育会系上下関係年功序列の最先端世界。

 

正直、こんな世界は御免だと思いつつ、読み進めるほどに心地よさ気な世界に共感を覚えていってしまうんですね

 

自分も小学校から高校まで野球部という体育会系の中で育ったためか、先輩の怖さを知っている反面、先輩方の後輩を可愛がる姿や、体を張って守ろうとする格好良さも知っているからこそ共感できてしまうのか。

 

今現在の自衛隊とは世界は変わるのだろうと思いますが、一度は体験してみてもよかったかなと思える、そんな一冊でした。

 

 

浅田氏、相変わらず良い文書きますね~

コメント
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