羽田圭介 著
「早う死にたか」毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。
日々の筋トレ、転職活動。肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して…。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!第153回芥川賞受賞作。
又吉さんの「火花」が芥川賞を受賞した影でもう一冊の本が受賞していたことでちょっと話題にはなってましたよね。
今更感は否めませんがようやく手に入れたんで読んでみました。
最初に言い分けしておきますが、いわゆる純文学って苦手なんですよね
よって芥川賞受賞した本ってあまり得意ではありませんので悪しからず。。。。
介護が必要な高齢者を抱える一般的な家族が、どう介護と向き合うのか・・・。
毎日、定型文の様に「もう死にたか・・・」と訴える祖父を思い通りに往生させてあげたいと思う孫である主人公であるが、時々見せる生への執念と我が儘さ加減が家族をイラつかせる。
しかし再就職先を探す孫にとって、祖父の世話をするという役割が与えられている分、実家でただ飯を食うという肩身の狭さを軽減しているようにも見える。
この先、日本が迎えるだろう高齢社会の不安が詰まった、不思議な一冊でした。
現実問題、自分の親に介護が必要となったとき自分はどう対応するのか、出来るのか、ちょっと考えさせられるよね。
ただし、この本の本質の所の面白さを理解する頭を私は持ち合わせていないようでなんだか寂しいな。。。。