下村敦史 著
29歳の如月玲奈は、東京入国管理局で働く“難民調査官”。補佐の高杉と共に、難民申請者が本当に母国で迫害される恐れがあるのか、調査するのが仕事だ。ある日、ムスタファというクルド人難民申請者が、合法的に来日しながらパスポートを処分し、なぜか密入国者を装っていたと発覚する。その頃、ネットカフェ難民の西嶋耕作は、自分の通報が原因で家族想いのムスタファとその妻子を引き裂いたことを悔いていた。善良そうに見える難民申請者は、一体何を隠しているのか?現在最も注目される乱歩賞作家が難民問題に鋭く切り込んだ、怒涛のポリティカル・サスペンス小説。
難民問題をとてもよく勉強されて執筆している印象を受けました。
数年前から世界中を賑わしている難民問題、そこをリアルに描いていて、じゃあ日本は何故こんなにも申請が難しいのかという一般市民感情に対し、しっかり誠意をもって答えている。
そんなことを踏まえて、しっかりとしたストーリーに仕上げている社会派サスペンス、結構面白かったです。
ただ、著者は沢山勉強していくうちに自分の感情や意見が溢れてきたんだろうね。
終盤、かなりクドい仕上がりになってるのはちょっぴり残念。。。。
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