上野セントラルで『蝉しぐれ』を観賞。午前11時から始まり、終わりが13時20分ごろ。仕事が14時からなので、映画館を出てからがちょっと慌しかったかな。
『蝉しぐれ』は藤沢周平の代表作です。そして『蝉しぐれ』と言えばこのシーンというのがあります。それは、文四郎とふく、この二人が初めてお互いを意識する、蛇に指を噛まれるシーン、切腹した父の遺骸を文四郎が大八車に乗せて急な坂を上る際、ふくが泣きながら後ろから押すシーンがそうです。私はこのシーンで、文四郎のダラダラ汗と同じくらいの涙が流れました。
しかし、解せないのは『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』の両作品が山形弁のセリフだったのに『蝉しぐれ』は標準語だったことです。方言で喋るからこそ下級武士の生活の生々しさが出るのに、この点だけは非常に残念。
文四郎役の市川染五郎はいい男だけど、意志の弱そうな唇をしていてアップになるたびに気になりました。隠し子騒動があったり、恋人の寺島しのぶに黙ってこっそり別の女性と結婚してしまうような男ですから、どうも好きになれません。
<閑話休題>
2時間ちょっとという上映時間でどうしても削らなければならなかった場面もあったようで、NHKのドラマ版と比べると緻密さに欠けます。映画、またはドラマと小説は別物だと割り切ってみても、映画しか観ない客にこの物語の良さが分かってもらえるのかなぁ。
そのNHK版より、小説の方が素晴らしいのは当然ですが、藤沢さんはこの小説の連載(新聞小説だった)には退屈していたとか。そんな作品が代表作と言われているんだから世の中わかりませんね。
10月30日まで世田谷文学館で「藤沢周平の世界展」をやっています。派手な作家ではありませんが、一度その作品の魅力に触れた人には、さらに深く知ることのできるいい機会ですから、お出かけになってみてはいかがでしょう。
◆蝉しぐれ公式サイト ⇒ http://www.semishigure.jp/top.html
◆世田谷文学館 ⇒ http://www.setabun.or.jp/
『蝉しぐれ』は藤沢周平の代表作です。そして『蝉しぐれ』と言えばこのシーンというのがあります。それは、文四郎とふく、この二人が初めてお互いを意識する、蛇に指を噛まれるシーン、切腹した父の遺骸を文四郎が大八車に乗せて急な坂を上る際、ふくが泣きながら後ろから押すシーンがそうです。私はこのシーンで、文四郎のダラダラ汗と同じくらいの涙が流れました。
しかし、解せないのは『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』の両作品が山形弁のセリフだったのに『蝉しぐれ』は標準語だったことです。方言で喋るからこそ下級武士の生活の生々しさが出るのに、この点だけは非常に残念。
文四郎役の市川染五郎はいい男だけど、意志の弱そうな唇をしていてアップになるたびに気になりました。隠し子騒動があったり、恋人の寺島しのぶに黙ってこっそり別の女性と結婚してしまうような男ですから、どうも好きになれません。
<閑話休題>
2時間ちょっとという上映時間でどうしても削らなければならなかった場面もあったようで、NHKのドラマ版と比べると緻密さに欠けます。映画、またはドラマと小説は別物だと割り切ってみても、映画しか観ない客にこの物語の良さが分かってもらえるのかなぁ。
そのNHK版より、小説の方が素晴らしいのは当然ですが、藤沢さんはこの小説の連載(新聞小説だった)には退屈していたとか。そんな作品が代表作と言われているんだから世の中わかりませんね。
10月30日まで世田谷文学館で「藤沢周平の世界展」をやっています。派手な作家ではありませんが、一度その作品の魅力に触れた人には、さらに深く知ることのできるいい機会ですから、お出かけになってみてはいかがでしょう。
◆蝉しぐれ公式サイト ⇒ http://www.semishigure.jp/top.html
◆世田谷文学館 ⇒ http://www.setabun.or.jp/