今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

才能溢れるホームレス『路上のソリスト』

2009年06月28日 | 映画&本&音楽&TV
土曜日に都内へでかけたのは、iPodの修理が第一であったけど、第二の目的は映画『路上のソリスト』を観るため。

関東では日比谷シャンテだけの公開。

(コラムの読者から贈られたチェロを弾く=楽器はなんでも得意だが音楽に目覚めたのはチェロから=幼少時代、学校で借りられるのは人気のないチェロだけ)

弦の足りないバイオリンを弾くホームレスの男性をコラムのネタにしたLAタイムズの記者スティーヴが、その後も何かにつけ関わっていきます。
ホームレスの男性、ナサニエルはジュリアードに在籍したこともあるが、統合失調症に苦しみ、現在は路上生活をしている。
狭いアパートにいると、いるはずのない他者の声が頭の中に響き渡り、ヘトヘトに疲れ果ててしまうのです。

街の中にいると雑多な音にかき消されて気が紛れるのか、アパートを借りようというスティーヴの言葉にも首を縦にふらない。

なんだか私の耳鳴りに似ているなぁ。(静かな部屋にいると耳鳴りが特に気になるんですよ)

良かれと思ってしたこともナサニエルにとって良いこととは限らない。却って迷惑になってしまうことも。

ホームレスを支援する団体にいる男性は、スティーヴが「こうしたらどうだろう」とか「こうするべきだ」と言うたびに「それは彼(ナサニエル)が望んだことか?」と聞きます。

そうではないんですね。
スティーヴ、あるいは私たち大多数の人間たちのモノサシで判断しているんです。

でも、私に言わせたら「そこまでするのは親切を通り越してるよ」と。
アメリカ人はあなたはあなた、私は私という考えじゃなかったの?

う~ん、人間ベーシックな部分というのは、あまり大きな違いがないのかな。

少し優しい目でスティーヴを見てあげるなら、やはりナサニエルの才能を惜しんだということでしょうか。
原作はスティーヴ・ロペス。実話でございます。