【国際教育のデメリット】年間950万の高級インターナショナルスクールの過剰なケア、ホテル並の施設で子供はどう育つ?
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2024年の小中高生の自殺者数が暫定値で527人となり、過去最多となった。
新型コロナウイルスの流行下で増え、歯止めがかかっていない。予兆が見えにくいケースが多いなか、国や自治体は1人1台の学習用端末から異変を察知する取り組みを進める。SOSを見逃さず、専門家らと連携して子どもを支える体制づくりが急務だ。
厚生労働省は29日、警察庁の統計に基づき24年の自殺者数(暫定値)をまとめた。
全年代の自殺者数は2万268人で、23年の確定値と比べて1569人減。統計のある1978年以降ではコロナ前の2019年に次いで2番目に少なかった。
小中高生の自殺者数は23年と比べて14人増えた。このまま確定すれば22年(514人)を上回り過去最多となる。
10代までの原因・動機別(1人につき最大4つまで計上)では学業不振や進路の悩み、友人との不和といった「学校問題」が44%で最も多い。
「健康問題」(36%)や「家庭問題」(19%)も目立った。
家族や学校関係者が異変に気づくのが難しい例も多い。こども家庭庁が19〜23年の事例について学校への出席状況を調べたところ、以前と変わらず出席していた小中高生が44%を占めた。
近年は子どものSNS利用が広がるが、厚労省は自殺者数の増加への影響について「詳しく分析できていない」と説明する。
一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」のこども・若者自殺対策室長を務める半谷まゆみ氏は「SNSは普段と異なる相手に悩みを打ち明けたり、相談窓口にアクセスしやすくなったりする利点がある一方、いじめやトラブルが見えにくくなる恐れもある」と話す。
子どもの自殺が深刻になり、国は23年6月に対策の強化策を公表した。柱の一つがコロナ禍を経て小中学生に1人1台行き渡ったタブレット端末の活用だ。
気持ちの変化やいじめの有無を定期的に入力してもらい、なるべく早くリスクを把握する狙いがある。
文部科学省は教育現場で使えるIT大手や民間団体のサービスを周知するほか、教員らが自らオンラインのアンケートを作る手順を例示。
同省担当者は「日ごろの見守りと組み合わせながら、悩みを抱える児童生徒の早期発見につなげてほしい」と話す。
自治体の活用例は徐々に増えている。三重県伊賀市は24年8月、自殺防止に取り組むNPO法人「OVA」(東京・新宿)が開発した機能「SOSフィルター」を市立小中学校28校に導入した。
SOSフィルターは「死にたい」「虐待」といった事前に登録した約5000語を検索した場合にそれぞれの悩みに応じた相談窓口の連絡先などを画面に表示する機能。
24年7月に無償提供を始め、伊賀市のほか5自治体の端末約10万台で使われている。
伊藤次郎代表理事は「周りの人に助けを求められない状況の児童生徒が適切な窓口に相談できるきっかけになる」と語る。
自殺のリスクをつかんだ後の大人の対応も問われる。半谷氏は「勇気を持ってSOSを投げかけたのに中途半端な対応をされると、気持ちを打ち明けにくくなる。
学校や家庭、関係機関が連携してSOSに向き合うことが必要だ」と訴える。
先行例として注目されるのは長野県だ。自傷行為など自殺の恐れがあると学校が判断した場合、精神科医や弁護士、インターネットの専門家らでつくる「危機対応チーム」が助言にあたる。
19年に運用を始め、これまでに50件ほどの要請に応じた。
厚労省は同様の仕組みを全国に広げる事業を23年度に始め、大阪府や名古屋市など16自治体がチームを立ち上げた。
自殺対策に詳しい南山大の森山花鈴准教授は「家庭や学校、病気など複数の要因が重なり合っているケースがある。
子どもを取り巻く環境に加え、どのような要因の組み合わせが多いのか分析する必要がある」と指摘。複合的な悩みに対応するため専門家らが分野を超えて支援にあたる体制づくりを求める。