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テスラ、止まらぬ株安 裏目に出た「ビットコイン備蓄」(日経2025.3.11)

2025-03-11 09:30:29 | 自己紹介・人気記事


10日の米株式市場でダウ

工業株30種平均は前週末比2%安の4万1911ドルで終えた。トランプ米大統領が景気後退の可能性を否定せず、市場参加者の不安心理が強まった。

主力の電気自動車(EV)の販売見通しが弱含み、テスラ株は急落した。同社が備蓄するビットコインの値動きもテスラの業績懸念を増幅させている。

 

ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラ株が一時16%下落した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4%下落した。

テスラ株急落の引き金を引いたのは、スイス金融大手UBSによる販売台数見通しの引き下げだ。2025年1〜3月期は36万7000台と、従来から16%下方修正した。25年通年でも15%減らした。

 

UBSのアナリスト、ジョセフ・スパック氏は、生産から販売までのリードタイムが悪化していると説明する。販促活動の強化で利益率低下も懸念される。

ブランドイメージの悪化も影を落とす。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)率いる政府効率化省(DOGE)による政府職員の削減や、ドイツの極右政党への支持表明で欧米で不買運動が巻き起こっている。テスラ株は昨年末から45%下落し、米大統領選以降の上昇が帳消しになった。

 

だが株価の下落を招いているのは、主力のEVの販売懸念だけが理由ではない。「テスラはすでにビットコインと相関のある企業の一つになっている」。著名エコノミストのエドワード・ヤルデニ氏はこう語る。

テスラのフォーム10K(有価証券報告書に該当)によると、同社は24年末に1万1509ビットコインを保有する。

 

過去にビットコインでのEV購入を受け入れていたり、運転資金の一部として購入したりしていたものを持ち続けていたためだ。保有量は上場企業で4番目に多い。

だが景気懸念の高まりから、ビットコインの価格は10日に一時、7万8000ドル台前半まで下げた。

 

間が悪いのは、こうした下落がテスラが導入した新たな会計原則の導入と重なっていることだ。

従来は保有期間中の最低価格でドル換算していたが、米国基準の適用会社は25年第1四半期までに時価評価に見直すことが求められる。

 

テスラは24年12月期にこのルールを任意適用し、6億9500万ドルの評価益を計上した。そのときの収益押し上げ効果が次の決算では逆回転する可能性がある。

24年期末時点で11億ドルあった評価額は、現在のビットコインの価格を踏まえると9億ドル程度まで低下しているからだ。

 

現状のまま推移すれば、1〜3月決算では2億ドル程度の評価損の計上を迫られる。24年10〜12月期の純利益(23億ドル)と比べると、影響の大きさがうかがえる。

そもそも、足元でビットコインが弱含んでいるのは、トランプ米大統領が6日に署名した暗号資産(仮想通貨)の政府備蓄に関する大統領令が市場の失望を招いたためだ。期待先行で上昇していたビットコインはトランプ氏の政策が現実を映したものになる中で、再評価を迫られている。

 

イーロン・マスク氏とビットコイン。名実ともに「トランプ銘柄」の一員になったテスラの株主は、今後もトランプ氏の予見不可能な政策運営に一喜一憂することになる。

(ニューヨーク=三島大地)

 

 

 
 
 
 

マーケットコラム「ウォール街ラウンドアップ」の一覧ページです。2024年10月1日、コラム名称を「NY特急便」から変更しました。

 

 

 

 

 

日経記事2025.3.11より引用

 

 



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