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英国、EUと関係修復へ ドイツと防衛・経済で新条約交渉

2024-08-29 17:34:12 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


ベルリンで会談したショルツ独首相㊧とスターマー英首相(28日)=ロイター

 

【ロンドン=江渕智弘】

英労働党のスターマー首相が離脱で冷え込んだ欧州連合(EU)との関係修復に本格的に動き始めた。

28日にドイツのショルツ首相、29日にフランスのマクロン大統領と会談。ドイツとは防衛や経済で連携する新たな2国間条約の交渉に入る。

 

2020年の離脱を主導した英国の保守党政権のもとでEUとの関係は冷え切った。

7月に14年ぶりに政権に復帰した労働党はEUへの再加盟は否定するものの、関係修復を外交の柱に据える。スターマー氏はショルツ氏、マクロン氏とそれぞれ7月の国際会議の際に個別に会談したばかり。EUの二大国と緊密な関係を築く意向がにじむ。

 

28日にベルリンで会談したショルツ氏とは新条約の交渉入りに合意した。スターマー氏は会談後の共同記者会見で「関係のリセットの一環だ」と強調した。

英側によると、防衛協力が条約の中心になる。英独の軍や防衛産業間の連携を強める。条約にはエネルギー安全保障や重要物資の供給網、気候変動対策などでの協力も含まれる見通しだという。半年以内の合意を目標に交渉する。

 

ショルツ氏は「EUとの関係をリセットする姿勢をうれしく思う」と歓迎した。

「EU離脱と新型コロナウイルス禍でドイツと英国の人々の交流は激減した。それを変えたい」と話した。

 

英国は10年、フランスと準同盟ともいえる防衛協力を定めたランカスター・ハウス条約を結んだ。

合同遠征部隊の創設や核兵器の協力などで合意した。これにならい、ロシアのウクライナ侵略を受けて防衛力増強にかじを切るドイツとも協力を深める。

 

英国にとってEUは輸出の4割、輸入の5割を占める貿易相手。

離脱後も関税ゼロを維持したが、食品などの輸出入に煩雑な通関手続きが生じた。書類の記入などの手間が膨大で、廃業した事業者も多い。英予算責任局は離脱で英国の輸出入が長期的に15%減るとみる。

 

非関税障壁の解消にはEUとの交渉が必要になる。

独仏との2国間関係が深まったとしても、27カ国が加盟するEUが離脱した英国に貿易円滑化などで特別な待遇を与えるかは不透明だ。英側にも何らかの譲歩が必要になるとの見方が多い。

 

EUは4月、若者の相互交流の促進を英国に提案した。18〜30歳に目的を問わずに双方の地域で4年まで滞在を認め、EU出身者の英大学への進学などを促す内容だ。

移民の流入に厳しい保守党のスナク前政権は提案を拒んだ。移民に比較的寛容な労働党のスターマー政権は譲歩の可能性があるとみられている。

 

 
 

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