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トランプ氏、USスチール問題「買収ではなく投資で合意」

2025-02-08 11:11:57 | トランプ政権

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07E4N0X00C25A2000000/

 

 

【ワシントン=八十島綾平】

トランプ米大統領は7日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画について「(日本側と)買収ではなく(USスチールに)多額の投資をすることで合意した」と述べた。

同日午後に開かれた日米首脳会談後の共同記者会見で明らかにした。具体的な枠組みには触れず、来週に日鉄首脳と会う機会を持つと説明した。

 

トランプ氏は日本からの投資を歓迎すると話した。そのなかで日鉄のUSスチール問題について触れた。

「(日鉄は)米鉄鋼業に非常にエキサイティングなことを実施する予定だ」と切り出し「彼らは購入ではなく投資を検討している。USスチールを所有するのではなく、多額の投資を実施することで合意した」と述べた。日本側と認識を共有したと説明した。

 

そのうえで、USスチールについては「我々(米国)にとっては非常に重要な会社だ」と述べ「(USスチールが米国から)去るのを見たくないし、実際に去ることはないだろう」と話した。所有権が米国外に移ることは「心証的に良くない」と強調した。

トランプ氏は、日鉄の買収計画に一貫して反対してきた。1月、自身のSNSに「関税(引き上げ)によってより高収益で価値のある企業になるというのに、なぜUSスチールを今売ろうとするのか?」と投稿した。米国企業であるべきだと強調してきた。

 

記者からの質疑応答では、「彼ら(日本製鉄)は投資をする。もう『購入』はなしだ、いいね?」としたうえで「私は購入は望んでいないが、投資は大好きだ」と答える場面があった。

7日の日米首脳会談冒頭でも反対の考えは変えていないと示唆していた。石破茂首相との会談を受けても、USスチールが外資に買われることに対する所感は同じだと表明した格好だ。

 

半面「投資は受け入れる」と強調し、日本側への配慮をみせた。来週にも日鉄のトップと「会談する予定だ」と話し、日鉄側の計画の詳細を聞く姿勢を示した。

トランプ氏が「合意した」と述べた投資の枠組みは不明だ。「私も協力する。仲介をする」と述べたが、買収計画を巡る膠着を打開できる保証はない。トランプ氏は7日、バイデン大統領が1月上旬に出した買収阻止の大統領令にも触れなかった。

 

石破茂首相も「買収ではなく投資だ。日本の技術を提供して良い製品をつくり、日本、米国、世界に貢献するUSスチールの製品が生み出されていくことに日本も投資する」と強調したものの、日鉄が現在の計画を修正するかどうかなど具体策には言及しなかった。

日鉄の現行の計画ではUSスチールの全株式を取得する。これは一般的には「買収」にあたる。買収ではなく投資と説明するためには、出資比率を引き下げたり、一部事業への出資に切り替えたりなどの変更が考えられる。

 

計画を変更する場合、日鉄は現行のUSスチールとの契約を解除する必要がある。今回のトランプ氏の発言について、日鉄側は前向きにとらえているもようだ。

ある日鉄幹部は「現行の買収計画のスキームが変わるわけではない。(日鉄は)USスチールの社名や本社を変更しない方針を示しており、本質的にUSスチールを変える『買収』ではなく、同社を成長させるための『投資』だということで理解を得たのだろう」と話した。

 

日鉄のUSスチール買収を巡っては、バイデン前大統領が「安全保障上の懸念がある」として計画を中止し「永久に放棄」するよう日鉄側に命令した。その後、USスチールと日鉄が大統領らを「適正な手続きがなされなかった」として提訴しており、本格的な訴訟手続きが始まったばかりだ。

トランプ氏は石破首相と会談する直前の6日、USスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)をホワイトハウスに招いて会談していた。ブリット氏は買収計画を前進させたい同社の意向を伝えたとみられる。

 

 

 
 
 
 
 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

 

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
 
ひとこと解説

事前に米国の知人などに聞いていた話では、USスチールはとても無理だろうという話しでしたので、今のところの最大のサプライズはこれでしょう。

まだ中身の詳細は分かりませんが、従来の枠組みを無視して「独創的」なやり方で打開策を探そうとするトランプ流の特徴が出たと言えるでしょう。

また、従来の米国エリート、エスタブリッシュメントと全く切れていることも、ある意味彼の強みであり、誰に気兼ねすることなく方向転換をできたのだと思います。

もちろん、その他の部分で日本からいろいろ譲歩を引き出したのだろうと思いますが、日本側の空気がこれで大きく変わることを理解していたのかどうか。

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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
 
ひとこと解説

アメリカ国内的には「USスチール」を守って、日本には(そして法的には)「買収を容認」に近い扱いをさせるのかもしれません。

USスティールへの「投資」もトランプには「成果」。 日鉄を「ニッサン」という言い間違いはこの際、ご愛嬌。

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
 
分析・考察

あえて水を差して、ファクトから行きましょう。

「買収」とは何か。通常は少なくとも議決権のある株式の過半数の取得です。

「投資」とは何か。

極めて多義的な言葉で、例えば株式の取得なら議決権(発言力)はゼロでも全て「投資」です。 つまり、報道では両首脳は単に「買収はやめさせる」としか言っていません。

その他は全て希望的観測です。 ディール(取引)とは、甘い期待を排除して実を取ることです。

客観事実を見れば、日本は1兆ドルの投資を約束し、米国は貿易赤字をやめさせ、USスチール「買収」をやめさせ、同盟は堅持という想定内のことを言ったのみ。

それで日本側が一斉に安堵しているようでは、ディールではないですね。

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滝田洋一
日本経済新聞社 客員編集委員
 
ひとこと解説

①映画「アプレンティス」の一場面のよう。ディール・メーカーとしてのトランプ氏の面目躍如。「購入は望んでいないが、投資は大好きだ」とはよく言ったものです。

②単独では立ち行かないUSスチールに日本からの投資を引き入れるとともに、経営や雇用は譲らない形を演出する。日本製鉄の経営陣のメンツも立てる。そして日米間の火種を消し止めることで、石破首相にも恩を売る。もちろん自らの存在感を高める。

③2期目のトランプ大統領のしたたかさは畏るべし。ディールの要諦は相手方に対する主導権を握ること。この調子でインドのモディ首相との会談をこなしたうえで、中国の習近平主席にも様々なディールを求めることになるのでしょう。

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石破茂首相とトランプ米大統領の首脳会談に関連する最新のニュースと解説をまとめました。

 

 

 

日経記事2025.2.8より引用

 

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いかにも日本的。 うまく収めたという印象です。

 

 



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