BASFの本社工場(独西部ルートビヒスハーフェン)=AP
【フランクフルト=林英樹】
化学世界大手のドイツBASFが28日発表した2024年12月期の決算は、純利益が前の期比5.8倍の12億9800万ユーロ(約2000億円)だった。
ロシアとつながる天然ガスパイプラインに出資する子会社の売却完了が寄与した。自動車産業向け化学品の需要減などから、売上高は5%減の652億6000万ユーロだった。
特別項目を含むEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は78億5800万ユーロで2%増えた。農薬事業の利益率が縮小したものの、原材料価格の安定から素材事業の採算改善が進んだことで相殺した。
BASFは24年9月、ガスパイプライン「ノルドストリーム2」に出資する子会社、独ウィンターシャル・デアの英ハーバー・エナジーへの売却を完了した。3億9000万ユーロを利益計上した。
25年12月期業績は特別項目を含むEBITDAが80億〜84億ユーロになると予測する。25年に稼働する中国の統合生産拠点での定期的なメンテナンスが固定費の押し上げ要因になるとみている。
マルクス・カミース会長は同日の投資家向け決算会見でトランプ米政権による関税の影響について「米国で販売する製品の大半は同国内で製造している。(顧客である)自動車メーカーが(BASFの化学品を)どこで塗装しても大きく変わらない」と語った。
日経記事2025.2.28より引用